おにいちゃんは音楽をきく

Y・S



 おにいちゃんは、夜になったら、ぼくがねようとしたら、音楽をきくから、ねむれません。だから、ぼくは、ふとんのなかにもぐってねます。
 だからぼくは、いやだなあとおもいました。
「おにいちゃんねむれないんだよう」
 とぼくがいいました。
「うるさいんだよう。しずかにしろ。音楽がきこえないだろ。」
 といっておこられました。
 ぼくは、9:00から10:00までおにいちゃんのわるぐちを、ゆっていました。
おにいちゃんがのぞいて、
「おまえなにゆっているんだよう。」
ぼくがいいかえしたらどうなるのかなあとおもっていいかえしました。
「このやろう、おにいの、あほ。」
「なんだとこのふんずけてやる。」
 ぼくは、ふんずけられて、ふとんのなかでないてしまいました。
くやしいなあと、おもいました。
 

この作文も、「けんかの強い妹」と同じ文集に載っているものです。「ぼく」と「おにいちゃん」の生々しいやりとりがよく伝わってきて、とても臨場感のある文章だと思います。今でこそ、子供時代は気楽で良かったなあなどと思いますが、この作文を読むと、子供は子供で辛い思いや理不尽な思いもたくさん体験していることが分かります。他にも、兄や姉に対する不満を綴った作文はけっこうあり、子供も大変なんだなあと思います。ちなみにこの文集のテーマは「たのしいかぞく」でした。

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