おわら風の盆
〜越中八尾町に伝わる風祭より〜
唄われよワシャ囃す
八尾坂道わかれて来れば
霧が時雨かオワラはらはらと
もしや来るかと窓押しあけて
見れば立山オワラ雪ばかり
富山あたりかあのともし火は
飛んで行きたやオワラ灯とり(独り)虫
手打ちにされても八尾のそばだよ
ちっとやそっとでなかなか切れない
浮いたか瓢箪かるそに流るる
行く先ァ知らねどあの身になりたや
この曲は越中八尾町に伝わる「おわら風の盆」を自分なりに作ったものです。「おわら風の盆」は毎年9月1〜3日に二百十日(立春から数えて二百十日目、台風の多い時期)の大風を鎮めるために行われます。若い男女がそろいの浴衣に深く編み笠をかぶり、胡弓と三味線に合わせて夜通しで踊り続けます。胡弓の哀調を帯びた音色と、静かに踊る踊り手の姿はとても幻想的で、見るものの心を惹きつけます。そして、その伴奏に乗って唄われる歌詞もとても味わい深く、人間について、また、生きるということそのものについて深く考えさせられます。
歌詞はいくら想っても届かない人への悲しみの気持ちを唄ったものが多く、胡弓の哀調を帯びた音色とともに聴くと、とても「祭」という雰囲気とは思えない気持ちになります。(胡弓は昔はいたるところで祭のお囃子として用いられていたが、あまりに音色が寂しいということで、おわら以外では使われなくなったそうです。)しかし、その悲しみや寂しさといったマイナスの感情を精一杯表現することによって、逆にプラスのエネルギーを与えられるような、変な言い方ではありますが、おわらにはそんな魅力があります。
この曲は、そんなおわらの魅力をなんとか表現したいと思って作りました。パソコンの音楽でどこまで本物のおわらに近づけるかやってみたかったのです。特に三味線と胡弓の音色にはだいぶこだわりました。しかし、(始めから分かっていましたが)どうしてもパソコンの音楽では限界がありました。やはり本物のおわらは最高ですね。
それでも2ヶ月を費やして作った大作です。ごゆっくりとご堪能ください。
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