鍾乳洞









この曲は福島県の「あぶくま洞」に行ったときの感動を曲にしたものです。あぶくま洞にはさまざまな幻想的な形をした鍾乳石がたくさんありました。鍾乳洞とは、雨水がアルカリ質の石灰石を溶かしながら滴り落ちて、長い年月をかけてできたもので、非常に不思議な形をしています。それらを見ていると、なんだか不思議で豊かな気分になります。私たちの生活は、普通意味のあることにしか、意味がありません。しかし、鍾乳石は、意味のないはずのものなのに、意味があるような気がするのです。そして、それらを見て、なぜか感動するのです。

 この曲では、延々と滴り落ちる水滴をイメージした4分の11拍子の主旋メロディーを背景に、ゆっくりとしたハーモニーで鍾乳石ができる様子を表しました。

 あぶくま洞で一般公開されている部分は、大きな洞窟の中でもほんの一部だけだそうです。非公開の奥地には、世界最大級の鍾乳石がごろごろしているそうです。そんな、誰にも見られることなく今なお成長し続けている巨大な鍾乳石への想いを最後のffで表したつもりです。

 曲を作ってみて痛感したのは、自分の表現力の狭さです。自分のスタイルを確立していると言えばかっこいいですが、それは要するに自分の表現力の幅が狭いということです。自分でもおんなじ様な曲しか作れないことが気に入りません。いま、ほんの少しづつですが、和声学と対位法の本を買って勉強しています。今度はがらっと雰囲気を変えた曲を作りたいと思っています。  

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