2011年
10月のつぶやき
10月31日 呼吸法
2010年6月のつぶやきに「ブッダの呼吸法」について書いた。ブッダの呼吸法はそれほど複雑ではなく、出来るだけ一息をゆっくりと、腹式呼吸で行うだけである。一呼吸1分くらいで出来ればなかなか良い。1分は私にはまだ難しかったが、ゆっくりとした腹式呼吸は、最初は息苦しいものの、慣れればこれが普通になっていく。
これをしばらく続けていたのだが、実は数ヶ月くらいで止めた。理由は、太ったからである。運動しても、体重が減らなくなったのである。呼吸により体内に取り込まれた酸素は、体のエネルギーを燃やすのに使われる。だから、呼吸がゆっくりになると、体のエネルギーは燃えにくくなる。よく言えば燃費のいい呼吸法であり、悪く言えば代謝の悪い呼吸法である。
最初は30歳になったタイミングであり、30を過ぎると人間なかなか痩せないなぁと思っていたのだが、そこから一年以上経った現在、また痩せる方向であり、あのときの体重増加はやはり呼吸法にあったのではないかと、今更ながら思い出しているのである。
ということは、逆に意識して息遣いを荒くするだけで、ある程度ダイエット効果があるのかもしれない。
10月30日 日本出張
先週一週間、日本へ出張へ行っていた。先輩と共に、現地人6人の日本での研修の引率であった。前回のレバラン休暇のときは、引越しで忙しくバタバタしていたので、久しぶりの日本である。今回も同じくバタバタして、あっという間に終わり、ぐったりと疲れて今に至る。
日本に降り立てば、美しい国だと思った。ジャカルタの汚さに慣れてしまったぶん、日本を見ると美しいと思う。それは、歩道がきれいに整備されていることや、ゴミが道端に落ちていないこととか、日本にいれば当たり前のことが新鮮に思える。現地人もその美しさには驚いたらしく、「5Sが出来ている」などと言っていた。福島でタクシーに乗っているとき、「このあたりの歩道はまだ地震の影響でボコボコになってしまい、まだ直っていないんですよ」と運転手に言われて歩道を見たが、ジャカルタの歩道を見慣れていると、どこが問題なのか分からなかった。
あと、私は日本で頻繁にインドネシア人に間違われた。行きの飛行機の中では、外国人用の税関申告書を渡された。ホテルで朝食を終えてまったりしていると、コックに「日本の朝食はお口に合いましたか?」みたいなことを英語で聞かれた。ホテルの外で現地人と写真を撮っていると、あるオッサンに「撮ってあげましょうか」と話しかけられ色々話をしていると、「日本語お上手ですね」と言われた。
10月19日 体感温度について
私は、次のような、何の根拠も無い自説を持っている。
「ある地域に住む人は、その地域の年間最高気温付近で『耐えられない位暑い』と感じ、年間最低気温付近で『耐えられない位寒い』と感じる」
例えば、東京に住む人は、大体35℃は「とても暑い」し、0℃は「とても寒い」と感じるが、エスキモーにとっては、-40℃位で「今日は滅茶苦茶寒い」と思い、0℃位だと、「暑くてたまらない」と感じるだろう。逆に南国に住む人は、25℃位だととても寒く感じるかも知れない。
また、上記の説に従うと、夏はクーラーの元で過ごし、冬は暖房の元で過ごすと、その人間の耐えられる温度帯というのは狭くなる。25℃は快適だが、23℃は寒く、27℃は暑いと感じるような体になってしまう。すると、電気代はかさむし、外に出たときの不快感も増大する。そうならないためにも、出来るだけ冷暖房は使わないほうがよい。
以上のようなことを昔からぼんやり考えていたのだが、よく考えたら南国人のケースについては現在検証可能である。早速インタビューしてみたところ、「25℃は寒い」とのことであった。「35℃位だと暑い」らしい。大体インドネシアの気温の変動と同じである。ちなみに現在は季節の変わり目(乾季→雨季)であり、これから寒くなる。季節の変わり目は体調を壊しやすいから気をつけるようにとのことであった。
しかし、私にとっては、これから寒くなると言われても、32℃位だったのが28℃位になるだけなので、いまいちピンと来ない。しかし、彼らにとっては常夏の国でも季節感らしきものを持っており、体はセンシティブに感じているのである。私の説は正しいかもしれないと思った。
10月14日 与作
テレビでアンジェラ・アキの「津軽海峡冬景色」を聴いた。実にかっこいい。原曲の雰囲気は大事にしながら、アンジェラ・アキの味が出ているし、ピアノアレンジも良い。何より、歌唱力が抜群である。次は「与作」もアンジェラ・アキに歌って欲しいなどと、妻と話していた。きっと素晴らしい作品になるだろう。
そんな話をしていると、「与作」が聴きたくなったので、youtubeで聴いた。実に素晴らしい歌である。無駄なものが徹底的にそぎ落とされ、原石だけが現れたような歌である。飾り気がなく、シンプルだが力強い。私は演歌はほとんど聴かないが、石川さゆりと北島三郎だけは好きである。
つい「与作」が気に入ってしまい、毎日3回くらいは「与作」を聴く生活をここ何日も続けている。
10月12日 TTP参加について
TTP参加の是非について、当然賛否両論有り、私にはどちらかがいいかはよく分からない。なので、好き、嫌いで話をしてみる。
テレビを見ていて、好感が持てるのは賛成派である。賛成派の人たちはどちらかと言えば活き活きしており、アグレッシブで、変化を楽しめるような人たちに見える。依存体質ではなく、自分のことは自分で責任を持つという感じがする。以前見たテレビで、TTP参加に賛成している農家の方が目を輝かせて自分のヴィジョンを語っていたのが印象的であった。一方、反対派はどちらかと言えば高齢の方が多く、変化を好まず、ネガティブな話が多いような印象を受ける。
一方で、私は地産地消の考え方が好きである。たとえ値段が安くても、農産物をわざわざ船で遠くから運んでくるのは非常に無駄な感じがする。燃料がもったいない。また、海外で何か危機が起こった際、国内だけで対応できないのは怖い。飢饉が起これば、当然自国の国民を飢えさせないことを最優先とするであろう。その場合、自給率の低い国は怖い。贅沢はしない。多くは求めない。でも、必要なものだけを確実に手に入れられる環境のほうが安定していると思う。
結局、私は個として強さや安定感のあるものが好きらしい。賛成派であれば、個人の強さ、後者で言えば一個の国としての強さ、安定感と関係する。
いずれにせよ、私個人としては、国の決定がどちらであっても問題なく生きていける人でありたい。
10月9日 アパート巡り2
今日から、「つぶやき」の文字のサイズを大きくし、両端にマージンを設けました。トップページについても若干大きくする方向で変更しました。スマホ対応というほどのものではないが、来るスマホ時代に対応すべく、ささやかながらも読みやすく改良したつもりです。今後ともよろしくお願いします。それにしても、10年前の日記と比べると、行間は広く、文字は大きくする方向に変更し続けている。世界はより簡単で、便利な方向にしか進まないらしい。
さて、今日はアパート巡りの二日目である。妻の本命のタウンハウスに行った。ここでは高層マンションが多いが、今日行ったタウンハウスは3階立ての集合住宅であった。
なお、現在住んでいるアパートについての感触は下記の通り。
・ホテルとの併設であり、下には24時間営業のスーパーやレストランがあって非常に便利。
・見た目高級感があり、内装もセレブである。
・台所の下が異常に臭い(このアパートの臭さは有名らしい)
・誰でも入れる環境であり、セキュリティには穴がある。
・高層であり、避難経路もひとつしかないことから、地震、火事などについて心配。(ここでは地震後で壁にヒビが入ったり、ドアが開きづらくなったりするのは普通)
特に台所の下については重要らしく、妻はアパートを訪れるたびに、台所の下を開けて、匂いを嗅ぎ、写真を撮っていた。妻によれば台所の匂いは妻の心を「じわじわ蝕んでいた」らしい。
今日見たタウンハウスは素晴らしかった。現在のアパートほどの高級感は無いが、作りがしっかりしており、当然台所の下は無臭である。根が庶民の私たちには高級感などどうでもよい。ここでは珍しく、窓に網戸があり、窓を開けて風を通せる。
また、地震、火事に関する安全性は高いだろう。日本人が多く、また、近所の人の顔が見える環境であり、いざというときの助け合いも現在のアパートよりは良いと思われる。その代わり、ゴキブリをはじめとする虫の害は増加傾向だろう。また、蚊によるデング熱のリスクも増大する。
私がここに赴任したときにまず決心したことは、「この国で死なない」ことと、「家族を死なせない」ことである。大げさすぎだと言われるかもしれないが、日本よりは危険な国である。怖いのは、私たちがそのことについて、情報として頭で理解していても、感性が養われておらず、感覚として理解していないことである。それを克服したくて、必死で語学の勉強をし、わざとバスやバイクタクシーにも乗ってみたりもした。必要以上に快適な生活をする必要はないし、逆に敢えて危険なことをする必要も無い。ただ、何があっても生きられるよう、最善の方法を選ぶべきであろう。
まあそんなことを考えつつ、判断したいと思う。
10月8日 アパート巡り
今日は、家族でアパート見学に行った。現在住んでいるアパートは、前任者が住んでいたところの契約がまだ残っていたために暫定的に住んでおり、契約更新前にアパートを移るか、このまま住み続けるか決めてよいとのことであった。現在のアパートも現在は概ね問題なく住んでいるが、せっかくのチャンスなので色々見てみようと、アパート巡りをすることにしたのである。
私が業者に事前に提示した要望は以下であった。
・耐震性(ここでは震度3くらいでもヒビが入ったり、タイルが剥がれたり、ドアが開きづらくなったりする)
・日本式の風呂(ここでは殆どがシャワーのみか、湯船があっても洗い場が無い)
・日本人が多い(現在のアパートは日本人が少ない)
業者によれば、耐震性については一応インドネシアの耐震基準らしきものはあるが、期待できないとのことであった。どのアパートが耐震性がいいというのも無いが、どちらかといえば古い物件のほうが頑丈に出来ているという感触をもっているようであった。確かに、私の感覚でも古いアパートのほうが重厚感があり、新しいアパートはペラペラな印象である。また、日本のような風呂はインドネシアには無いとのことであった。
業者は4件選んでくれた。うち1件は明日回ることにし、今日は3件回る予定であった。しかし、サチコが下痢をしているために、早めに帰りたいとの妻の要望から、急遽優先順位の低い1件はキャンセルし、今日は2件回った。
2件回った中で、1件目は現在のところとほぼ同じであり、引越ししてまで住む必要はなさそうであった。2件目のほうがよかった。アパートは古いが、日本人が85%を占め、雰囲気も日本の所帯じみた感じがする。敷地内に、日本人向けスーパー、コンビニ、ちょっとした保育園的なものまである。以下、パンフレットより引用。
スイミングプールやバーベキュースペースなどのファシリティーは、休日の家族団らんやお友達を招待してのひと時を楽しく演出してくれるでしょう。
フィットネスセンター、サウナ、テニスコートはいつでもあなたの美容と健康を保つお手伝いをいたします。
渋滞で時間を費やすよりも、アパート内のサロンで至福の時間を過ごし、特別な夜の外出に備えてはいかがですか?
根が庶民の私たちには、こういう文言がなかなか馴染まない。妻とこれを見てつっこみを入れ合った。大体至福の時というのは、めったに無いから「至福」なのであって、アパートの中にあったらそれは日常である、そもそも「特別な夜」ってなんだ??等々。そして、妻は、これは引きこもり専用のアパートでであり、もともと引きこもり好きな自分がここに住んだら、アパートから一歩も出ることなくここに住むであろうとのことであった。このアパートは確かに素晴らしいが、上記理由などにより却下となった。
明日はもう1件を見る予定である。
10月7日 面白い話
今日、聞いた話。妻と先輩の奥様とのSMSのやりとり。先輩の奥様の携帯は、日本語は読めるものの入力できないためアルファベット入力らしい。
奥様「Totsuzen desuga sobo ga nakunattanode 1kagetsu kurai nihon ni kaerimasu」
妻「そうなんですかー、おそばたくさん買ってくださいね。」
妻は、正月も近いことだし、蕎麦を買出しに日本に行かれるのだと勘違いしたらしい。この話を聞いて妻は恥ずかしがっていたが、こういう笑いはなかなか作れない。私は妻のこういうところが好きである。
10月5日 発音について
インドネシア人でも、スンダ地方の人は「F」と「P」の区別がつかないらしい。例えば、「フィニッシュ」は「ピニッシュ」になる。また、ここでは「V」の発音はほぼ「F」になる。私たち日本人にとっては、「F」と「P」は全然違って聞こえる。「V」はどちらかと言えば「B」に聞こえる。
日本人は、特に「R」と「L」の区別が苦手である。インドネシア語の「beli」(買う)「beri」(与える)とか、「jalan」(歩く)「jarang」(めったにない)などは、なかなか区別が出来ず苦労した。周りの文脈から推測するしかないが、買ったのか、それとも与えたのかということについては、時に周りの文脈からも判断しづらい。それ「R」なの?それとも「L」なの?と聞きたくても、こちらのアルファベットの読み方だと、どちらも片仮名表記で「エル」に該当するため、それもよく分からない。
試しに、インドネシア人に、「R」と「L」はインドネシア人にとっても似て聞こえるの?と聞いたところ、「全然違って聞こえる」とのことであった。同じ人間の耳を持っているのに、実に不思議である。
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