2014年
8月のつぶやき
8月25日 海賊とよばれた男
「海賊とよばれた男」(百田尚樹著)を読んでいる。百田尚樹氏の本は、「永遠のゼロ」で知り、その読みやすさと物語性から最近いろいろ読んでいる。彼は、「探偵!ナイトスクープ」の元チーフライターという異色の経歴を持つ作家である。
「海賊とよばれた男」は、出光興産創業者の出光佐三をモデルにした、国岡鐡造を主人公とした小説である。石油販売を営む「国岡商店」は、徹底した家族主義の会社で、出勤簿も定年も労働組合もなく、そして、どんなに経営が苦しくなっても決して解雇しない。そして、「店員」の働きぶりは猛烈で、「国岡商店の店員が歩いた後は草も生えない」と言われたという。Wikipediaによれば、出光興産は、つい最近までタイムカードや定年制がなかったという。
「店主」の国岡鐡造は、常に自分の利益よりも社会、国の利益を優先する。そして、「店員」を大事にし、教育にも力を入れる。そして、次々と押し寄せる逆境を乗り越える様が描かれている。
小説は面白いが、この会社には入りたくないな、というのが本音である。視点を少し変えれば、社長が全てを牛耳るオーナー企業であり、今ではブラック企業と言われるようなことも当時は美談であったのだろう。
そう考えて、私もひ弱な現代日本人のひとりだなぁと思った。
8月23日 無題
私は、共和党が嫌いである。特に、ティーパーティーなどの保守的な考え方に、全く賛同できない。自由競争に政府は関与すべきではなく、勝者は自分の努力により勝者となったのだから、裕福な生活ができるのは当然であり、敗者は自分の努力が足りないために敗者となったのだから、それを助ける必要はない。私は、この考え方に反対する。
私は、運よく金に困っておらず、多少の贅沢は許される状態にある。ではそれは自分が努力したからかと自分に問うてみても、答えはNoである。私は、たまたま父母のもとに生まれ、たまたま大学まで行かせてもらえる環境にあり、たまたま出会った仲間に恵まれ、たまたま出会った女性と結婚することができて家庭を持ち、たまたま入った会社でたまたま今の立場にいるに過ぎない。
逆も然りであり、今苦しんでいる人、不幸な人は、自分の行いが悪かったとか、自分の努力が足りないとか思う必要はない。また周りの人は、そのためにその人自体を否定すべきではない。むしろ、積極的に支援するような社会であって欲しいと願うし、自身の行動基準もそこに置きたい。
あらゆる宗教に、喜捨の考え方があるのは、これまでの人類がコミュニティを維持するために必要だと考えた結果であろう。累進課税制度も大いに結構だと思う。
8月16日 体重が減る
ここのところ、体重の減少が著しく、今日測定したら55キロ台になっていた。昨年は60キロを切ることはなかったから、5kgくらい痩せたことになる。久しぶりに熱を測ってみたら、37.3℃であった。別に風邪というわけでもなく、しんどいわけでもない。
糖尿病を気にして、ここのところご飯を控えていることが影響しているのだろうか。それでも、茶碗一杯は必ず食べている。或いは、ビールを飲んでいないことが影響しているのかもしれない。これは大いに考えられる。その他、考えたくはないが、人間ドックでも引っかかったように、甲状腺機能がおかしいのかもしれない。
とりあえず、ビールを飲む練習をすることにした。今夜は、鶏の唐揚げを作った。それにご飯と、枝豆が今夜の夕食である。これらを食べつつ、久々にビールで晩酌した。これでだらだらしていればやがて太るかもしれない。
ひとついえるのは、体重減少やら、微熱やらというのは、何かしらの体の異常に対して、体がそれを正常にするためにバランスを取ろうとしている結果である。だからあまり心配せずに暮らそうと思いつつ、やはり心配してしまう。
8月10日 人間ドック
レバラン休暇時に受けた、人間ドックの結果が出た。結果、要治療または要精密検査となった項目は以下であった。
・高脂血症
・糖尿病
・緑内障
・甲状腺機能異常
一方、日常生活上の注意点については、
1)食事量・・・今まで通りでよい
2)塩分・・・・今まで通りでよい
3)酒類・・・・今まで通りでよい
4)睡眠・・・・今まで通りでよい
5)体重・・・・現在のままでよい
となっており、生活習慣を改める必要はないらしい。
こうなると、生活習慣病とは何なんだと問いたくなる。私の生活習慣は何の問題もないのに、高脂血症だ糖尿病だと決められるのは、不愉快である。遺伝的要因だというなら、私の祖父母は十分に長生きである。薬を売って儲けるために、わざわざ不安を煽っているのではないかと勘繰ってしまう。
ちなみに、高脂血症の指標のひとつである悪玉コレステロールは、人間ドック学会が、これまで正常範囲内を60〜119にしていたのに対し、今年の四月から72〜178まで緩めるよう提言している。これに対し、動脈硬化学会はこれまでどおり、140以上を異常としている。私が受けた病院は、従来の基準である、60〜119を適用していた。
私の値は、人間ドック学会の新基準よりも高いが、これからすれば多少高い程度である。これに対し、以前の基準からすれば、驚くべき異常値となる。このあたりに、医学会の利権が絡んでいる気がしてならない。
一方、緑内障と甲状腺機能については、精密検査をすべきだと思った。最近、体重が減っていることも気になっている。色々書いたが、人間ドックは必要ではある。
8月9日 今日
今日は、レバラン休暇以来はじめての休日である。3週間ぶりの、家に一日中いられる日である。よって、いろいろやるべきことがたまっている。
まずは、浄水器の水漏れである。レバラン休暇から帰ってきて、台所で料理をしていると、小川のせせらぎのような音が聞こえてきた。癒されるなぁと思いつつ見に行ってみると、浄水器から水漏れしていたのである。しかし、平日は仕事でどうにもならないため、とりあえず放置し、今日技術者に来てもらった。結局、別のものと取り替えてもらうことになった。
気づけば、食べるものも無かった。冷凍庫に保管していた大量の作りだめは、今週でどんどん消費されていった。朝ごはんは、ピーナッツとそば、それにずっと前から凍っていたししゃもで済ませた。昼ごはんは、近くのワルン(食堂)でソトミー(麺入りのスープ)を食べた。夕食は、浄水器の交換を横目で見ながら、昔に買ったタチウオを煮付けにし、ドリーフィッシュを唐揚げにした。タチウオは小骨が多く、煮付けには合わないと思った。油で揚げて、骨まで食べる方が向いているかもしれない。
リコーダーの録音もした。「花子とアン」の主題歌「にじいろ」をやりたいとジャカリコ(ジャカルタリコーダークラブ)のメンバーから言われて、編曲をしていたのであった。これを浄水器の修理の合間に行った。難しい曲で、どうもつかみどころがなく、満足していないが、どうすれば良くなるかも分からないので、そのままアップした。
http://www.youtube.com/watch?v=SQyUv1yij1A
8月6日 原爆の日
今日、朝食を食べていると、NHK朝ドラではなく、広島の平和祈念式典が中継されていた。日ごろ騒々しいトークや音楽を提供するテレビも、この日は静寂と沈黙を伝える。
例年、この日ほど、戦争のことに思いを馳せる日は無い。今年は雨であったが、例年は大抵晴天で、蝉のけたたましく鳴く中、スーツ姿の参列者が重苦しい顔をしている。矛盾する言い方だが、この独特の雰囲気と、黙祷の鐘の音は、けたたましい蝉の鳴き声にもかかわらず、静寂を感じる。
近年は、戦争を体験した世代が少なくなっていき、この体験を未来に伝えることが難しくなっていることが報じられている。当然、実際に体験したことと、伝え聞いたことは、天と地ほども違う。こればかりは仕方の無いことであり、戦争の実感が人々から徐々に失われていくことも、止められないであろう。
そして、この式典は、時を経るごとに形骸化していき、遠い未来には伝統行事の一部となることであろう。否、すでに形骸化していると言えなくも無い。
それでも、この日と、この式典がこの先もずっと行われるべきだと思うし、この式典が世界平和に少なからず影響していることは、確実である。海外の誰が参列したか、総理大臣が何を発言したか、こうしたことに注目されることは、内容もさることながら、注目されることそれ自体に意味がある。
今日は日本に原爆が落ちた日だと、運転手に話したところ、「ヒロシマ、ナガサキ」と原爆が落ちた地域の名前まで知っていた。インドネシアは、3年半日本に統治された時代があり、その時代の日本に対する人々の思いは複雑である。私は、広島原爆により、その年のうちに14万人が亡くなったが、これが戦争を終わらせたという、肯定的な意見もあると言ってみた。
すると彼は「14万人を殺す行為が、正義であるはずが無い」と、きっぱり言い切った。
8月5日 日本へ
先週は、レバラン休暇(断食明け大祭)で、一週間日本に帰国していた。インドネシアでもそれなりに順応しているつもりだが、日本に帰ればやはり落ち着くし、いいなぁと思う。私は日本が大好きである。それも、蝉の鳴く真夏が最も好きだ。
日本に着けば、蝉の音が大音量で聞こえてきた。昔から蝉の声は好きだったが、今は、これが耳鳴りの音を消してくれるため、更に好きになってしまった。そんな中、ぶらぶら散歩するのが楽しい。毎日、近くの神社やら海辺のほうやらへ、ジョギングしたり散歩した。
日本での前半の二日間は、人間ドック、耳鳴りのための耳鼻科および心療内科、そして虫歯のチェックを行った。病院尽くしである。人間ドックは、検便用のキットなどの親切な設計や(インドネシアではただフィルムケースみたいなのを渡されるだけ)、流れるような素早い検査と丁寧な対応に感心した。虫歯のほうは、親不知が虫歯になりかけているということで、抜いた方がいいと言われたが、時間がなくて出来なかった。
休みの後半は東京や福島へ行き、友人と会った。関東方面へ家族で行くのは久しぶりであった。せっかくなので、おのぼりさん気分で、東京スカイツリーに登ってきた。
なんだかんだ言っても、日本では近所をぶらぶら散歩するのが一番楽しい。サチコを連れて雨の中を散歩しては、蝉や蜘蛛やダンゴムシを見てだらだら過ごした。そして、最終日の朝、近くの神社で、蝉の音をスマホに録音した。現在私が行っている、TRT(耳鳴り再訓練療法)では、小さなノイズをイヤホンで聴きながら過ごす。この音は、テレビの砂嵐のような「ホワイトノイズ」を使用するのが一般的だが、耳鼻科の先生によれば、自分の好きな音で、単調な音であれば何でもいいらしい。
今日から、蝉の音をイヤホンで聴きながら仕事をしている。蝉と関係の深い夏休みであった。
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