2015年
2月のつぶやき
2月22日 料理をする
毎週、日曜日の夜は料理を作り貯めしている。今日は、思い立って餃子を作った。最近、NHKの番組で立て続けに餃子の美味しい作り方をやっていて、試してみたくなったのである。コツは、肉だけを塩を足して練り込み、野菜と混ぜ込むときはさっくり合わせるだけにすることらしい。
柔道の練習を終えて、日本食スーパーで食材を買い込んだ。最後に餃子の皮を買おうとしたら、売り切れていてなかった。仕方なく、ワンタンの皮を買った。まあ、同じようなものであろう。
餃子を包む段階になって、ワンタンの皮を開けてみると、なんと四角であった。ワンタンなど何年も食べていないので失念していたが、そういえば四角かった気がする。とりあえず無理矢理包んでみたら、思ったよりも餃子らしい形になった。ただ、四角い皮なので、上にツノが生えたような餃子になった。50個くらいできたので、12個だけ焼いて食べて、残りは冷凍した。
その他、ゴーヤーチャンプルと味噌汁も作った。ゴーヤーチャンプルは、明日の分まで分けておいて、残りは冷凍する。味噌汁は、毎日煮沸すれば4日間くらいは問題なくいける。
これで、来週の食事も安泰である。ちなみに、餃子は美味しかったが、いつもと同じ程度の美味しさであり、違いは実感できなかった。餃子は奥が深い。
2月21日 日本人学校書類
今年の4月からサチコが日本人学校の幼稚部に入学するため、先週は、会社を抜けて説明会に行ってきた。そのときに貰った書類を今日、全部書いてしまおうと思い立ち、書いた。書類は多数あり、説明会でもマイクの音が響いてあまりよく聴こえなかったので、資料をぱらぱらと読みながら、記入していった。
私は、昔からこういう作業が苦手である。書類を読んでいても、全然頭に入ってこない。事務作業が出来る人が凄いと思う。「家族調査書」なるものには、家族写真を貼る欄まであり、何に使うのか分からないが、とりあえず出来るだけまともに写っている写真をプリントアウトして貼った。サチコの「身分証明書」もあり、サチコも社会に出るのかと、しみじみ思った。
興味深かったのは、スクールバスに関する書類であった。保護者には年に2回、バスに同乗して報告する義務があり、いかなる事情があろうとも免除されません。児童の態度に問題があったり、保護者が乗務員にクレームをつけた場合は、イエローカードが配布されます。それを故意に破棄したら、更にイエローカードが発行されます。など、かなり強い調子で延々と書かれている。スクールバスを利用するからには何があってもルールは守ってもらいます、クレームは一切受け付けません(そこまで書いていないが)と言った論調である。こちらのほうは割りと読みやすくて、スラスラ読めた。
このあたりに大きな組織で働く人の苦労を感じた。人が多くなればなるほど、色々な人がいて、顔が見えにくくなる。性善説では管理しきれないのであろう。
あと、入園料はドル紙幣で支払うとのことであり、それも「顔の大きい新札」で支払うようにとの指示であった。ちょうど新札と旧札があったので、印刷されている顔の大きさを見比べてみたが、ほとんど同じに見え、違いが分からない。
とりあえず、両方持って行き、まずは旧札で払ってみようと思った。
2月19日 中国正月
今日は、中国正月で祭日であった。インドネシアには色々な正月がある。普通の正月、イスラムの正月、ヒンドゥーの正月。多民族国家であることを感じる。だから、元旦もそれらのひとつに過ぎないため、国としての休日は1月1日のみである。日本企業であれば、独自の判断で休日を追加したりしている。
今日もヒマだったので、リコーダーの編曲と多重録音をして遊んだ。「広い河の岸辺」というスコットランド民謡である。この曲は、NHK朝ドラの「マッサン」や「花子とアン」でも登場し、日本では中高年層で異例のヒットとなっているらしい。シンプルだが美しいメロディである。
編曲は、昨日の夜、仕事から帰ってから、突然思い立って作業し始め、夜中までかかって一気に仕上げた。正月に妻に許可を貰って買った楽譜作成ソフトがあるので、これまでのように手書きで作らなくてよいので、作業が早い。シンプルなメロディなので、どう編曲で変化をつけるか悩んだが、いい具合になったと自負している。
https://www.youtube.com/watch?v=_uWRkJ3jePc
話は変わるが、最近、使う擬音語、或いは頭の中で思い描く擬音語がインドネシア語になっていると感じる。全く違和感なく使ってしまうのだが、インドネシア語を知らない人には不自然に聞こえるのだろうか?
包丁やはさみで物を切る音・・・「ポトンポトン」
ぐらぐらしている感じ・・・「ゴヤンゴヤン」
車などで異音がする、その音・・「ブニブニ」
ドアなどを押し開ける・・・「ドローン」
凄く濡れてしまった・・・「バサー」
「バサー」は日本語にもあるかもしれない。ちなみに、雨で土がぬかるんでいる様子は「ベチェ」という。「ベチャベチャ」と同じである。インドネシア語の音感は、可愛らしい。
2月15日 今週末
今週末は、土曜日にリコーダー、日曜日に柔道という、久しぶりに元の生活リズムに戻った。
リコーダーの練習前に、メンバーのホリさんが食事を作ってくるので食べませんかと言ってくださった。私が一人暮らしをしてから、何かと気をかけてくださる。ついでに、リコーダーの練習場所のアパートに住んでいる、会社の後輩一家を誘った。
ところが、後輩一家より、直前になって、何も持ち寄るものがなくて申し訳ないから、行くのをやめるという連絡が入った。なんという気遣いの細かい家族であろうか。私は、何も持って来なくていいから、とりあえず来てくれと、結構強い調子で返信した。これで彼らが来なかったら、食べ物が余り、私がはち切れんばかりに食べることになる。
かくして、みんなでホリさんの美味しい食事を食べて、リコーダーを吹いた。リコーダークラブには男性の新しいメンバーが加わった。これで「リコーダー男子」は3人である。邦人主婦の音楽サークルに男性がいること自体珍しいのに、この現象は何なのであろうか。男性の間でリコーダーが密かなブームなのだろうか?
日曜日は柔道を終えた後、家でまたリコーダーの多重録音をして遊んだ。今日は、「Kopi Dangdut」(コピ ダンドゥッ)という、インドネシアの曲を編曲して吹いた。インドネシア版コーヒールンバである。「Kopi」とは、コーヒーのことである。
コーヒールンバの原曲は、南米のハープの曲だそうで、それが世界的にヒットし、さまざまなスタイルで、各国の歌詞が付けられ親しまれているらしい。インドネシアのダンドゥッは、インドネシアの音楽スタイルのひとつで、エレキ楽器に加え、竹笛や太鼓などの伝統楽器が入るのが特徴である。
https://www.youtube.com/watch?v=OCvvCpBbZyM
日曜の夜は、スーパーで買ってきた野菜や魚や肉を全部鍋に入れて、大量のキムチチゲを作った。これで、木曜日くらいまでは持つであろう。おまけに、あらゆる食材が入っているため、栄養不足になることもない。これと、雑穀米で来週も乗り切ろうと思う。
2月11日 無題
後藤さんがイスラム国により殺害されてから、考えていることがある。考えも未熟だが、備忘のために書いておきたい。後藤さんが殺害されたのは、積極的平和主義や集団的自衛権行使容認など、日本の平和主義のレベルが、相対的に下がったことに遠因があるのではないかと思うのである。
日本が、戦争をしやすい国になろうとしている。否、事実は別として、そのように思われ始めている。そのことが危ないと思う。「積極的平和主義」とは、他国の戦争に積極的に首を突っ込むという意味であろう。
自民党の憲法改正案を見ても、そんなに物騒な内容になっているとは思えない。問題は、現行の憲法と比較して、相対的に平和主義のレベルが下がることである。「積極的平和主義」や「集団的自衛権行使容認」にしても、その平和主義のレベルが他国と比較して断然に高いものであったとしても、相対的に下がったこと自体が注目され、他国の日本に対する警戒度が上がる。
日本が70年間、戦争と無縁でいられたのは、その高いレベルの平和主義によるところが大きいのではないかと、最近思うようになった。
一番ケンカを吹っかけられにくい人は、強そうなのに、戦う気が全然ない人だと思う。戦う気がない人をいきなり殴るのは、なかなか出来ないものである。日本も絶対平和主義を貫いておればよかった。その一方で、国防費はそこそこかけても構わない。野党や国民から文句を言われても、のらりくらりとかわしておればよかったのである。アメリカに守ってもらっていることを、恥じる必要も無い。それよりも、アメリカに守ってもらっておきながら、アメリカを守ることは憲法上できないという、この上なく望ましい状態を、飄々と維持しておけばよかった。
ゲーム理論の本を読んだことがある。「囚人のジレンマ」で有名な理論である。かなり難解なものであり、細かい数式まで理解するのは難しかったが、私の理解としては、それぞれが相手の腹を探りあい、その中で出た解は、全体としては最適な解ではないということである。
それぞれの国が、軍隊を持ち、警戒しあっている姿が、一番平和だとは考えにくい。全員が、全ての武器を放棄し、戦争をしないと宣言すれば、それが一番平和な姿であろうが、今の人類にとってはレベルが高すぎるであろう。その為には、ゲーム理論を超越するモデルが必要である。
そんな中、日本は武力を永久に放棄すると言う、期せずしてこれまでになくレベルの高い、未来の憲法を持つ国なのである。もちろん、自衛隊も持っているし、矛盾もはらんでいる。しかし、その矛盾に苦しみ、議論をし続け、矛盾を持ち続ける姿そのものが、他国にとっては平和主義を貫いているように見え、ひいては自国民の防衛につながっていたのである。
2月9日 日本へ
下にも書いたとおり、先週はインドネシア人スタッフふたりを連れて、日本へ出張に行った。以下、面白かったトピックをずらずら書いてみる。なかなかの珍道中で楽しかった。
入国審査の際、スタッフのひとりが審査官に問い詰められてなかなか出てこない。彼は助けを求める目をこちらに向けたので、「どうしましたか?」と訊いてみると、「あ。あなた日本語喋れますか?」「いや、日本人です」という不毛なやり取りの後、会社の研修で来ていることを説明し、会社名を書いて、ようやく解放された。
後で聞くと、彼の名前はテロリストの名前と同じだそうである。その後、「お前ISISだろー」みたいな冗談を言い合ってげらげら笑っているので、そのジョークは今日本ではやばいと言っておいた。ちなみに、インドネシアはISISは断固拒否の国である。
日本は一番寒い時期であり、出張中に体調を崩すのが一番心配であった。日本に降り立つと、やはり寒い。インドネシア人にとっては生まれて初めての寒さであろう。彼らは、その寒さに驚いていたが、それ以上に驚いていたのが、こんなに寒いのにスカート姿で平気にしている日本人女性の逞しさであった。私はとりあえず、「彼女らは寒さよりもファッションを優先しているのだ」と、知った風な説明をしておいた。
夜、レストランに入り、何気なく、「ビール飲む?」と訊いてみると、意外にも「飲みたい」との答えが返ってきた。イスラム教なのにいいの?と訊くと、こんな寒いときには体を温める必要があるから、そういう理由があれば問題ないのだとのことであった。ビールを飲みながら、彼らは写真を撮っていたが、「おい!ビールが写ったらやべぇぞ。嫁に見られたら怒られる」みたいな会話をしている。アッラーの神より嫁が怖いのかと、微笑ましかった。
最終日は、金曜日と言うこともあり、ネットでモスクを探して、代々木上原の「東京ジャーミィ」に連れて行った。ここで初めてモスクに入り、金曜礼拝を見学した。彼らは、初めてでも勝手知ったる感じで手足を洗い、礼拝に参加していた。あたりは彫りの深い外人ばかりであったが、こういった外人に囲まれてもビビらなくなったのは、海外生活をしたからであろう。昔であれば無駄に身構えてしまったと思う。
以上、トピックだけをずらずら書いた。ちなみに、この中で「やばい」という言葉が何度か出てくるが、インドネシア語では「Bahaya」(バハヤ)という。本来、「危険」という意味だが、彼らの用法を聞いていると、日本語で「ヤバイ」というニュアンスに極めて近いことが分かった。例えば、屋外でミニスカートの女性を見ても「Bahaya...」とつぶやいていた。これは美味しいものを食べて「ヤバイ」という若者の感覚に似ていなくもない。「バハヤ」と「ヤバイ」、語感も似ていなくもない。
2月8日 ジャニーズとAKB
先週は、ローカルスタッフを連れて日本へ出張していた。日本は寒く、誰かが風邪をひくのが非常に心配であったが、なんとか無事に帰ってくることができた。しかし、帰って来た次の日、疲れが出たのか熱が出て寒気がするので、この土日は家でおとなしくしている。今はようやく熱も下がり、このつぶやきを書いている。
家でテレビを観ていると、ジャニーズの「少年倶楽部」をやっていた。また、その後、カレーを作りだめてまたテレビを観ていると、今度は「AKB Show」で乃木坂46が出ていた。ぼんやりこういったアイドル番組を観ていると、なんとなく元気が出てくる気がする。なるほど、アイドルにはまる人たちはこういった感覚を求めているのだろうかと思った。そして、だらだらと以下のようなことを考え始めた。
ジャニーズとAKBは、女性向けの男性歌手と男性向けの女性歌手という点で、対称性があると言えるだろう。しかし、番組の作り方で決定的に異なる点があると思った。少年倶楽部では、歌っているアイドルの後ろにも女性の観客がいて、一緒に盛り上がっているところ自体が番組になっているのに対し、AKBの場合は、観客の様子が一切画面に現れないのである。
確かに、AKBの後ろに男性ファンがぎっしり並んでいて、一緒に振り付けをして盛り上がっているとしたら、絵にならないであろう。しかし、この非対称性とはなんなのだろうか。
そんなことをだらだら考えながら、日曜日は過ぎていった。
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