今日は、サチコのバリダンス教室の発表会であった。開演は午後2時からなのだが、化粧やら衣装着替えが大変らしく、集合は朝10時である。準備の間、私と優一はひたすらヒマをつぶしていた。
バリダンスでいつも楽しみなのは、ガムラン演奏である。民研でも、自分が踊るよりも伴奏をして人を踊らせるほうが好きであった。NHKのど自慢でも、全員が歌った後に紹介される、伴奏メンバーの挨拶が好きだ。ガムランの伴奏者たちも、こういった「職人ぽさ」を持っており、その上確かな実力があって、いつも聴き入ってしまう。

左:ラフな格好でリハをするガムランおじさんたち 右:銭湯で使われるようなプラスチックの椅子に座っているらしい
開演前、バリダンスのおっちゃんたちは、きれいな揃いの格好で、リハと同じような、安定感のある素晴らしい演奏をしてくれた。鉄琴のような楽器は、右手だけで叩くため、速いリズムでは、それぞれ違うリズムを叩くことで、それを合成して16部音符の再現などをしているらしい。手の動きをよく観察していたが、速過ぎて分からない。また、ほんの少し音程をずらした楽器を同時に鳴らし、わざと音のうなりを作ることで、この独特な音を作っているらしい。西洋音楽では、有り得ない発想である。
しばらくして、サチコが凄い化粧をして現れた。同い年の4人組で踊るのだが、化粧をすると誰が誰だか分からない。そして、始まる前からかなり疲れている様子であった。そりゃ、こんな格好で何時間も待っていたら、大人でも疲れる。

左:化粧をしたサチコと 右:一緒に踊る4人組。誰が誰だか分からない
発表会が始まったが、やはりガムランに目が行ってしまう。さっきまでラフな格好でリハをしていたオジサンたちは、揃いの衣装に着替えていた。テンポは自由に動き、かなり難しそうな演奏を、楽しみながら演奏している。かなり疲れると思うが、2時間くらいずっと、疲れた顔もせずに平然と演奏しているのも凄い。

本番のガムランの人たち。この職人ぽさがいい。

踊りも良いが、やはりガムランを撮ってしまう。
サチコは、3番目の演奏であった。なんだかよく分からずにキョロキョロしている場面もあったが、それなりによく覚え、踊ったものである。

本番。サチコは左から2番目。
帰路につけば、大雨が降っていたらしく、道は川になっていた。なんとか車も故障することなく、無事に家に着いた。

帰り道、家の前の道が川になっていた。なんとか無事到着
11月16日 この世界の片隅に