2017年
11月のつぶやき
11月21日 量子コンピューター
昨日の帰り道、妻から「国産の量子コンピューターが出来たらしい」というLINEメッセージが入った。リンクを開くと、確かに「初の国産量子コンピューター無料公開」という記事が載っている。知らない間に、ここまで出来ていたのかと、驚いた。
私が量子コンピューターの存在を知ったのは、「暗号解読」(サイモン・シン著、新潮文庫)であった。この本は、古代の文字を入れ替えるだけのシンプルな暗号から、第二次世界大戦で解読不可能と言われた、ドイツ軍の「エニグマ」を解読する物語、果ては現在のインターネット通信で使用されている公開鍵暗号まで分かりやすく、そして暗号作成者と解読者の熾烈な競争を、生きた人間のドラマとして描いた名著だ。この本の最後に、未来予測としての、量子コンピューターと量子暗号についての記述がある。以下本文より引用
量子コンピューターが実現すればわれわれのプライバシーは失われ、電子商取引は破壊され、国家安全保障などという概念は葬り去られるだろう。量子コンピューターは世界の安定を揺るがしかねないものなのだ。最初にその技術を手にした国は、市民の通信を監視し、商売のライバルの意図を読み、敵の計画を盗聴する力をもつだろう。まだまだ黎明期にある量子コンピューターではあるが、それはわれわれの一人一人にとっても、そして国際ビジネスや地球規模の安全保障にとっても凶器になりかねないものなのだ。(以上引用)
なぜ、ここまで危機感をあらわにしているかと言うと、現在の通信で使われているRSA暗号が、巨大な素数の積の素因数分解が事実上不可能だということに依存しているからである。例えば、13x17=221 と言う計算は小学生でもすぐに出来るが、221が何×何で出来ているかを調べるのは厄介である。ひとつひとつ確かめるしかないからである。これが3桁程度であれば、しばらく頑張って計算すれば答えにたどり着けるが、十分大きい桁数の素数の積の場合、「地球上の全てのコンピューターをつないだとしても、暗号を解読するには宇宙の年齢よりも長い時間がかかってしまう」という。
量子コンピューターは、光子が「1であり0でもある」という、「重ね合わせ」の状態を作り出すことにより、従来のコンピュータではひとつずつ行っていた計算を、同時に行うことができるという。これにより、巨大な素数の積の素因数分解が迅速に出来た場合、地球の脅威になるというのである。
インターネットで調べると、「量子コンピューターでもRSAコードは破られない」ようなことが書かれている。しかし、こと暗号の世界に関しては、何の情報も信頼できないであろう。暗号が解読できたということ自体が、重大な機密になるからである。上記エニグマを解読した後も、当然ながら連合国側は、エニグマを解読できたことをドイツ軍に悟られないように努めた。それによりドイツ軍の動きが筒抜けとなるからである。もしかしたら、世界のどこかで、すでに巨大な数を素因数分解する方法は発見され、最高機密とされているのかもしれない。
11月8日 アシガール
NHKで、「アシガール」という時代劇をやっている。現代の女子高生がひょんなことから戦国時代にタイムスリップして、そこで足軽としてイケメンの若殿様をお守りする、といった内容で、足軽の女子高生だから「アシガール」。これ以上無いくらい、下らないネーミングである。
仕事から帰ってきて、たまたまテレビを付けたらやっていたので、だらだらと観ていたが、これが意外に面白い。内容を全て把握しているわけではないが、ヒロインの描き方が良い。足が速いことだけが取り柄、というヒロインは、本当に足が速く、合戦等での走るシーンは、力強く見応えがある。彼女のものの考え方は、単純だが、正しい。そういう思考は、現代においてはなかなか難しい。一方で、少女マンガ原作ならではの、ラブシーンなどは王道と言った感じで、実に堂々としている。
それでも、予約録画してまで観ようとは思わない。「テレビを付けたらたまたまやっている」くらいの感覚で、最後まで緩く観ようと思う。
11月6日 ニロクのお好み焼き
先週の土曜日は、会社のファミリーギャザリングというイベントに、家族で参加した。大きなプール施設を貸しきって行うもので、イベントは大いに盛り上がっていたが、私たちは水着も持ってきておらず、子供たちも早々に飽きてしまったので、昼前には会場を後にした。
帰りに、広島焼きの店「ニロク」で昼食を食べた。「ニロク」は、元々会社の近くにあったのだが、東のほうのチカラン地域に移転して以来、一度も行っていない。この日は、イベントがチカランであったので、帰りに立ち寄ることにしていたのであった。
久々に食べるニロクの広島焼きは、美味しかった。それ以外にも、ホルモン焼きや餃子など、酒の肴になる料理が充実しており、気軽に寄れる居酒屋といった感じである。しかし、ソフトドリンクはほとんどなく、サチコのテンションは低めであった。
ふと壁を見ると「毎月26日は『ニロクの日』けん玉割引開催 最大50%OFF」と書かれている。店員に訊いてみると、毎月26日は、けん玉にチャレンジして入れた皿に応じて割引が行われるという。なんと、一発で剣先に入れると50%引きになるという。
私は、けん玉には自信がある。剣先に一発で入れるなど、朝飯前である。10回やれば、10回入る自信があり、多少のプレッシャーとは関係なく、入れられる。26日に食事をすれば、50%引きは間違いない。私は妻にそう言い、家に帰ってけん玉を試してみた。
私が宣言したとおり、剣先には、簡単に何度でも入れられる。すると、妻は「プレッシャー」と称して、けん玉をしている私の前でくすぐる振りをしたり、気味の悪い声と動きで私を動揺させようとしてきた。
そのあまりの気味の悪さに、私は失敗をしてそのまま腰が抜けてへたりこみ、しばらく立てなくなった。
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