GWの前半は、インドネシアで同じアパートに住んでいた、タマキちゃんに会いに行った。会うのが名古屋ということで、私は、それならば「養老天命反転地」に行きたい、と言った。
養老天命反転地は、芸術家の荒川修作氏が作った、岐阜県養老町にあるテーマパークで、「日本一破天荒」とか「日本一危険な公園」といわれる。このテーマパークを作った後、ケガ人が続出しその人数を荒川修作氏に報告したところ、「思ったより少ないな」と言ったという。私は、この存在を宮崎駿の著書「出発点」「折り返し点」で知り、ずっと覚えていて、いつか行きたいと思っていた。以下、「折り返し点」より引用
岐阜県の養老町に、荒川修作さんという方がデザインした公園があるんですが、それがとても素晴らしい空間なんです。平らなところのない、とんでもない公園で、もう年寄りが何人もひっくりかえって骨折しているらしいんですが、ぼくは、校庭をこういうふうにすればいいのにと思ったんです。なんで公園は平らでなければならないんだろうってね。校庭が平らなのは軍事教練をするためでしょう。(中略)
荒川さんのとんでもない公園、平らなところがないだけでなく、垂直線もない所を近所の子どもは大よろこびしているそうです。これは要するに、自分たちが野原や林で遊んでいたときの風景です。道も上り下りするだけでなくって横にもかしいでいる、赤土の壁なんかをよく這いまわって遊びましたけども、前後に下りたりするのを注意するだけじゃなくって、左右にも気を配らなければいけない。こういう校庭を作れたらいいですね。日本にはいっぱい学校があるんだから、一校くらいやればいいのにと思います。
「日本一危険な公園」ということで、無料でヘルメットや運動靴の貸し出しをしてくれる。公園に入れば、予想以上に楽しい空間であった。岩山の「昆虫山脈」に登って頂上にたどり着けば、頂上に井戸があって、水が出ている。子供たちは、岩を登ったり降りたりして遊んでいる。その隣の建物も、奇妙な坂道が続いていて、突如扉が現れたり、変な場所に窓がついている。そういうものに対する気付きは、子供たちの方が優れていて、「こんな場所があったよ」と教えてくれる。安全対策があまりされていないのが良い。ここには「分かりやすい危険」がある。例えば、深い穴が突然開いていたりする。そういう感覚が現代では新鮮だと思うし、必要なことだとも思う。
その後は、隣にある「こどもの国」に行った。無料のアスレチックと広場だが、とても充実している。そこで十分に遊び、帰路についた。

左:昆虫山脈に登る子供たち。上では井戸水が待っている 右:「養老天命反転地記念館」内部。大人も子供も大はしゃぎ

左:「極限で似るものの家」意味不明さが面白い 右:尾根のような道。地味にヒヤヒヤする
4月29日 AIに負けない人材