2019年
4月のつぶやき




4月29日 養老天命反転地

 GWの前半は、インドネシアで同じアパートに住んでいた、タマキちゃんに会いに行った。会うのが名古屋ということで、私は、それならば「養老天命反転地」に行きたい、と言った。

 養老天命反転地は、芸術家の荒川修作氏が作った、岐阜県養老町にあるテーマパークで、「日本一破天荒」とか「日本一危険な公園」といわれる。このテーマパークを作った後、ケガ人が続出しその人数を荒川修作氏に報告したところ、「思ったより少ないな」と言ったという。私は、この存在を宮崎駿の著書「出発点」「折り返し点」で知り、ずっと覚えていて、いつか行きたいと思っていた。以下、「折り返し点」より引用


岐阜県の養老町に、荒川修作さんという方がデザインした公園があるんですが、それがとても素晴らしい空間なんです。平らなところのない、とんでもない公園で、もう年寄りが何人もひっくりかえって骨折しているらしいんですが、ぼくは、校庭をこういうふうにすればいいのにと思ったんです。なんで公園は平らでなければならないんだろうってね。校庭が平らなのは軍事教練をするためでしょう。(中略)
 荒川さんのとんでもない公園、平らなところがないだけでなく、垂直線もない所を近所の子どもは大よろこびしているそうです。これは要するに、自分たちが野原や林で遊んでいたときの風景です。道も上り下りするだけでなくって横にもかしいでいる、赤土の壁なんかをよく這いまわって遊びましたけども、前後に下りたりするのを注意するだけじゃなくって、左右にも気を配らなければいけない。こういう校庭を作れたらいいですね。日本にはいっぱい学校があるんだから、一校くらいやればいいのにと思います。

 「日本一危険な公園」ということで、無料でヘルメットや運動靴の貸し出しをしてくれる。公園に入れば、予想以上に楽しい空間であった。岩山の「昆虫山脈」に登って頂上にたどり着けば、頂上に井戸があって、水が出ている。子供たちは、岩を登ったり降りたりして遊んでいる。その隣の建物も、奇妙な坂道が続いていて、突如扉が現れたり、変な場所に窓がついている。そういうものに対する気付きは、子供たちの方が優れていて、「こんな場所があったよ」と教えてくれる。安全対策があまりされていないのが良い。ここには「分かりやすい危険」がある。例えば、深い穴が突然開いていたりする。そういう感覚が現代では新鮮だと思うし、必要なことだとも思う。

 その後は、隣にある「こどもの国」に行った。無料のアスレチックと広場だが、とても充実している。そこで十分に遊び、帰路についた。


左:昆虫山脈に登る子供たち。上では井戸水が待っている  右:「養老天命反転地記念館」内部。大人も子供も大はしゃぎ


左:「極限で似るものの家」意味不明さが面白い  右:尾根のような道。地味にヒヤヒヤする




4月29日 AIに負けない人材

 先日のNHKクローズアップ現代は、表題のテーマであった。2030年には、労働人口の半数がAIやロボットに代替できるといわれる。そんな中、どのような人材になるべきか、子供をどう育てるべきかというのは、大事なことに思える。

 注目したのは、教育という点での対照的な2つの事例であった。ひとつは、マイクロソフトやアマゾンの社員が、こぞって子供を通わせる学校であった。この学校では、デジタル機器の使用は一切禁止される。ここでは、創造性と協調性が重視され、自然の素材を彫刻して作品を作ったり、皆で協力してひとつのものを作り上げる教育が行われる。

 もうひとつは、幼いときからデジタル機器に親しみ、これを使いこなすスキルを身につける教育であった。番組では、AIスピーカーに話しかけ、どのような会話をすればAIスピーカーに思い通りの指示が出来るかを子供にやらせている場面があった。

 デジタル機器に一切触れさせない学校と、幼いときからデジタル機器を使いこなさせる練習。これは相反することのように思えるが、ある意味では共通点もある。それは、極端な言い方をすれば、「AIやデジタル機器により搾取されるのではなく、むしろ搾取する側になれ」という方針であろう。

 世界を席巻するIT企業の社員が、子供をデジタル機器に触れさせないというのは、ある意味合理的である。彼らは、デジタル機器がどれほど危険かを知っている。それらにより、創造性は奪われ、依存し、離れられなくなることを知っている。極端な例が、「ネトゲ廃人」と言われる、ネットゲームにハマるあまり、課金を繰り返し、まともな社会生活を送れない人たちであろう。

 子供にデジタル機器を触らせないにせよ、小さい頃から親しませるにせよ、彼らが自分の子供たちに求めているのは、「ネトゲ廃人になるのではなく、ネトゲ廃人を生み出すような素晴らしいゲームの開発者になれ」ということである。もちろん、番組ではそこまで露骨ではないが、私にはそう読める。

 我が家では、デジタル機器に対する考えは、妻と私で大きく異なる。私はどちらかというと反対派、妻は容認派である。そして、親の教育方針は一致しない方が良いと思っているから、その間くらいでなんとなく育てている。


4月21日 吹奏楽演奏会

 今日は、家族で「くるめシティブラス」の定期演奏会を聴きに行った。特に知り合いがいるわけでもないが、いつも行っている図書館に隣接したホールに看板が立っていたので、聴いてみようとおもったのであった。優一が生まれてから、ちゃんとしたホールで音楽を聴くのは初めてである。入場無料、子連れ歓迎といった感じであり、どんな演奏が聴けるのかは全く分からなかった。

 演奏は、素晴らしかった。かなりの練習を積まないと、このレベルにはならないであろう。演出も面白い。子供にも楽しめるよう、忍たま乱太郎の曲は忍者の格好で踊ったり、ドラえもんやのび太が登場したり、遊び心が満載のステージである。サチコはずっと楽しんでいた。優一は、早々に眠くなり、演奏会の3分の2は寝て過ごしていた。アルファ波が出ていたのであろう。

 音楽はいいな、と思った。それも、大勢でやる音楽が良い。そんな中に入って音楽を作り上げてみたいと思うが、なかなか時間も取れないので、とりあえず多重録音で発散している。


4月14日 なつぞら

 4月から、NHKの朝ドラ「なつぞら」を観始めた。たいていは、最初の1週間くらいで、ずっと観るかどうかを決める。今回は、2週間の子役時代の間、なんども感情移入して泣いてしまった。このドラマは、日本アニメの草創期を支えた奥山玲子という人がモデルだと言われている。奥山玲子は、宮崎駿や高畑勲の先輩にあたるらしい。

 そのためか、ドラマの表現自体もどことなく日本の昔のアニメをイメージさせる。このドラマの登場人物たちは、圧倒的に正しいことを堂々と言える。私たちの倫理観というのは、知らず知らずのうちにアニメの影響を受けているのではないかと思う。例えば、絶対に不可能に思えるのに「諦めるな」と叫ぶことは、アニメの世界では正しい。別に、ばかにしているのではなく、私はそういうアニメの世界観が好きである。虚構の世界で心がリフレッシュされるからこそ、現実世界を生きる活力が湧いてくるのである。

 そして、草刈正雄演じる「じいちゃん」が、実に良い。大河ドラマ「真田丸」の主人公の父、真田昌幸と雰囲気がかぶっている。2枚目俳優が、いつのまにかタヌキ親父や頑固ジジイ役がハマりどころになっているのは、実に面白い。このドラマでは、いつまで生きていてくれるのであろうか。

 そんなことを考えているうちに、オープニング曲をリコーダーで吹きたくなった。早速編曲し、多重録音をした。やろうと決めると、気になって仕方なくなり、一気に仕上げた。スピッツの曲だけあって、コード進行が昔良く聴いた「よくあるパターン」だと思った。

↓なつぞらテーマ曲「優しいあの子」リコーダー4重奏
https://www.youtube.com/watch?v=UrYC-BtY-TE


4月9日 フルートレッスン

 フルートレッスンに通い始めた。月曜日の夜8時半からで、仕事が少し遅くなっても間に合う時間帯である。

 音楽は良い、と改めて思った。この良さは、自分で家で好きに吹いているだけでは味わえない。ちゃんと習うことは大事だと思う。レッスンを受ければ、自分の出す音がいかにまだまだかを痛感する。息の使い方、笛の位置、腹式呼吸等々、訓練すべきことはいくらでもある。これに気付くことが、レッスンを受ける大きな意味であろう。

 科学的な知識ではなかなか理解できないことが多いもの良い。「音を遠くに飛ばすようにイメージして吹く」「自分の出したい音をイメージすることで、正しい音程で吹くことが出来る」。まるで魔法の世界のようだが、こういったことは音楽の世界では常識で、「イメージ」することがいかに大事かは、過去の経験で知っている。

 仕事から離れて、こういった「魔法の世界」にどっぷり浸かることは、とても良い気分転換になる。気付けば、日々の自転車通勤の最中も、息を一定の速さで出す練習や、腹式呼吸の練習をしている。


4月7日 週末

 土曜日は、家族でバーベキューに出かけた。電車で20分くらいのところにある広域公園のバーベキュー場である。ここでは、場所、コンロ、炭代で合計1500円で、食材と紙皿を持っていけば、バーベキューが楽しめる。

 のんびりと肉を焼きながら、家族団らんを楽しんだ。ちょうど寒くも暑くもない、絶好の日和であった。妻は、マシュマロを焼くのに凝っていて、炭火でマシュマロを焼いて食べた。マシュマロを焼くと、元のマシュマロとは全く異なった、「外はカリッ、中はトロリ」の絶品となる。

 食事を終えたら、そのまま広場で遊んだ。凧揚げをすれば、ちょうど良い風で凧は天高く揚がり、木にくくりつければ凧はそのまま空を飛び続けた。


 日曜日は、子供たちを連れて、自転車で出かけた。リサイクルショップで、夏用のテントを買った。今持っているテントは、風が抜けないため、夏場は灼熱地獄となる。ちょうどリサイクルショップに、前面がフルで開けられる、日除けのようなテントがあり、2200円でこれを買った。

 それを持って公園に行き、遊んだり、テントの中でダイソーで買った菓子を食べたりして過ごした。

 良い季節である。


4月5日 花見

 先週末、子供たちを連れて自転車で花見に向かった。桜の名所と言われる、笹山城に行ったところ、石垣の下に咲く桜は美しかったが、シートを敷いてごろごろする場所は見当たらなかった。あたりをウロウロしていると、優一がウンコを漏らして泣き出した。最近の優一は、ウンコをするのが嫌いで、二日くらい我慢しては機嫌を悪くしている、面倒な男と化しているのである。仕方なく、歩道でオムツを替えてあげた。

 筑後川の土手の桜並木で花見をすることにして、コンビニで好きなものを買い込んだ。桜の木の下にテントを張って、シートを敷いて飲み食いすれば、至福のひとときとなった。一年前、日本に帰国して桜の花を見たとき、嬉しかった。この地で一年を過ごし、また季節が巡ってきたのだと思った。

 一年で最も美しい季節のひとつである。大事に過ごしたいと思う。


4月1日 アムとイムの歌

 子供たちは、最近ドラえもんが好きである。中でもサチコは、映画の「のび太と鉄人兵団」にハマり、自分なりにオマージュした物語を作ったりしている。「アムとイムの歌」は、映画の中で流れる、ミステリアスな歌である。

♪ひとつめは 愛 あなたとわたしはひとつ
♪ふたつめに願い あなたはあなた わたしはわたし
♪みっつめに思う あなたはなぁに わたしはなぁに

 この歌を、サチコは父ちゃんのリコーダーで歌いたい、というので、編曲してリコーダーで多重録音し、サチコに歌ってもらった。なかなかいい声で歌ってくれる。ちなみに、私が部屋で録音しているときに、優一が入ってきて「オムツ脱ぎたい」と騒いでいたので、曲が終わった後に「オムツ」という優一の声が録音されている。

アムとイムの歌 リコーダー5重奏+サチコの歌
https://www.youtube.com/watch?v=GSrfXlByV8s



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