まずは、天草の入り口にある、「わくわく海中水族館シードーナツ」へ。ここは、名前の通り、水族館全体が海に半分沈んでいる。下に書いた呼子のレストラン「萬坊」と同じつくりである。規模は小さく、手作り感あふれる水族館だが、独特の雰囲気がある。

水族館全景。このように半分海に沈んでいる。
まず笑ったのが、入ってすぐに掲示されている「落下・転落リスト」。誤って海やいけすに落ちた客やスタッフのエピソードが記されている。「人の不幸は蜜の味・・・。次の犠牲者はこれを読んで笑っているあなたかも!!」と書かれている。

落下・転落者リスト(クリックすると拡大します)
そのリストのそばには、なぜか犬が飼われている。犬の檻には、犬用の顔ハメがあって、「きなチンアナゴ」と書かれている。犬の名前らしい。そこから犬が顔を出すと、チンアナゴの顔になるらしい。

顔ハメから顔を出そうとしている犬
展示の仕方も独特である。例えば、うつぼが美肌・滋養強壮の神様として展示されている。そしてその横には「牛深で食べよう、ウツボ料理」と書かれ、レストラン紹介が載っている。この独特の緩さは、ずっといたくなる魅力がある。

うつぼの展示
ここで、サチコにいるかの触れ合い体験をさせてあげた。イルカプールに行って、イルカを触れるのである。場所は、海に浮かんだ小さないけすである。体験前に、イルカが目の前で簡単なショーをしてくれた。規模も小さく、有名水族館で見られるような、洗練されたショーではないが、間近で見ると、迫力がある。ジャンプの時には、観客のところまで水しぶきがかかってくるのである。そして、イルカは頭がいい生き物だと改めて感心する。サチコは、イルカに触れて満足げであった。

左:まずはイルカショーを観る。のんびりした雰囲気が良い。 右:イルカと触れ合うサチコ
この水族館の特徴は、独特の緩い雰囲気の中の裏にある、自己責任の考え方と、徹底的に観客を信頼した姿勢であろう。リスクを全て覆い隠してしまっては、面白くない。それよりも、観客の良心を信頼し、楽しんで欲しいという感じが伝わってくる。一見、ただ単に適当に悪ふざけをしているようにも思える水族館だが、かなりの強い意志がないと、この姿勢は貫けないと思う。また来たいと思った。

ピラニアの水槽。特にフタなどは無い代わりに、ド派手な注意喚起がある
イルカウォッチング