2020年
1月のつぶやき




1月31日 音楽のこと

 以前の「チコちゃんに叱られる」で、「なんでひとつのスピーカーでいろんな音が同時に出せるの?」というお題があった。チコちゃんの答えは「耳で音をバラバラにしているから」であったが、正確には、脳で音を分解しているのであろう。

 どれほど複雑な音楽になろうとも、そこに発生する空気の振動の波形は、ひとつである。だからこそ、どれだけ大編成のオーケストラでも、その空気の振動の波形を何らかの形で記憶させ、それを再現させれば、同じ音楽を鳴らすことができる。

 音楽というのは、つきつめれば、ひとつの波形という極めてシンプルな形で表すことのできる、物理現象である。一方で、人は音楽に無限の可能性を感じ、そこに繊細な感情表現や、風景描写を感じ取る。

 私は最近、吹奏楽やレッスンでフルートを吹いているが、その指導法は実にあいまいである。「スピード感を合わせる」の「スピード」とは、テンポのことでもなければ、息を吹き出す速度のことでもないらしい。「遠くまで届くような音を出せ」というのは、大きな音を出せということではないようだ。これらは、音質のことを指している。先生が吹いた時の音は、確かにそう聴こえる。厳密には、波形が変わっているのであろう。波形の中で、音量は振幅、音程は周波数と関連する。音質は、1周期の波形の中のうねり具合と関係し、上手に吹くとこのあたりが変わってくるのだと理解している。

 「音楽で何かを表せるのか」ということは、民研のころよく考えた。打ち寄せる波を思い浮かべながら銚子大漁囃子を叩いたからといって、聴衆にそんな風景が伝わるはずがない。「天空のオリオン」という宗次郎のオカリナ曲があるが、題名を知らずに聴いて、オリオン座を表した曲だと言い当てられる人はいないであろう。音楽が何かを表すとき、映像、もしくは歌詞や語り等の言語表現とセットとなる。

 では、音楽「そのもの」は何を表しているのか。それは、「言葉で言い表せないもの」を表しているとしか、言いようが無い。そして、それを表すのに必要なもののほとんどは、技術的なスキルである。正しい音程、正しいリズムで演奏できるというのが、第一であり、人が心地よいと思うための音量変化、微妙なテンポのゆらぎ、ヴィブラート表現の習得などが次の段階であろう。では、奏者の個性や、感情表現というのは、どこに当てはまるのかというと、これらのスキル習得における差異が個性として現れる。感情については、これらの積み重ねの上にちょこっと乗っかっている程度ではないか。

 それでも私たちは、たとえばXジャパンのYOSHIKIなんかの演奏を聴くと、彼の激しい感情がそのまま音楽で表現されているような感覚に陥り、感動する。そう聴こえる裏にあるものは、スキル習得のための地道な練習がほとんどであろう。下手くそな人が激しい感情を表現しても、音楽にはならないのである。

 そういう意味で、楽器演奏は、難しいけど簡単だと思う。やるべきことを地道にやるだけで、それなりの演奏ができるようになるはずだからである。そう思って、地道に練習をしていこうと思う。自由自在に音を操れるようになったら、さぞかし楽しいであろう。


1月19日 40歳になる

 今日、40歳になった。

 40代というのは、大変なイメージがある。仕事ではより責任ある仕事を担い、家庭では子供たちが難しい年ごろとなる。一方で、自身のパフォーマンスは低下、老眼が始まり、物覚えは悪くなり、生活習慣病や四十肩などの健康障害が発生する。インドネシアに赴任した時、40代での赴任となった人たちが、語学の習得に苦労し「単語が全然覚えられない」とぼやいていたのを聞いて、40代は大変だなぁと思った記憶がある。

 そんなことから、30代のうちに、必要なスキルは習得しておこうと思って生きてきた。会社の帰りの電車の中ではスマホで英語の勉強をしていた。フルートは一生の趣味にできる位、今まで吹いた笛の中で最も完璧に近い楽器だが、30代のうちに練習して基本を身につけておかないと上達はできないと思い、集中して練習した。

 当たり前のことだが、40歳になった瞬間に、上記のような変化が起こるわけではない。変化は、これから急速に起こるかもしれないし、もしかしたら自身で感知できないほど緩やかであるかもしれない。自身のパフォーマンスを維持・向上させる努力は引き続き必要だし、何があっても動揺せず、一番最適と思われる判断をして責任を持った上で、結果に一喜一憂しないことが重要であろう。これまで見てきて、40代というのが一番大変な年代という感じがするので、覚悟して臨まなければと思う。

 一方で、50を過ぎた人たちは、楽しそうに思える。60代はもっと楽しそうである。ひととおり経験し、達観できるような気がする。10年飛ばして、50歳になりたいが、そうはいかない。せっかくなので、これからの10年も楽しくやっていこうと思う。そして、前厄なので厄落としをしておこうと思った。


1月14日 外食をする

 昨日は、早めだが私の誕生日パーティーということで、外食をした。場所は家からすぐ近くの焼き鳥屋である。こじんまりして、前を通るといつももくもくと煙を出しながら、オバチャンが焼き鳥を焼いている。席はカウンターしかなく、テイクアウトの客のほうが多い。決してきれいとは言えない店だが、二階がある。この二階が、隠れ家的な感じがしていて気になっていた。

 狭くて急な階段を上ると、三畳くらいのこじんまりした部屋があった。ちゃぶ台があり、冷蔵庫や食器棚があり、まるで人の家に来たようである。貸し借り状態なので、我が家のようにくつろいで、骨付きカルビやら焼き鳥やらを食べた。サチコと優一はエイヒレが好物であった。

 この店には、どういうわけかワニの歯を順番に押して、当たりを押すとワニに噛まれるという、定番のおもちゃが置いてある。我が家にあるよりも巨大で、迫力がある。これを使って子どもたちを脅しながら遊ぶと、大いに楽しめた。優一は、怖がっているのに私の指を噛ませようする卑怯者である。サチコも怖がってやりたがらないのが可愛い。

 このワニのおもちゃで遊ぶのが、今回の外食のメインイベントとなった。非常に楽しいひと時であった。


1月5日 ハウステンボスへ行く

 正月休みを利用して、1泊2日でハウステンボスに行ってきた。

 事前に、妻がガイドブックを買ってきたののだが、それを見て当惑した。私の知識では、ハウステンボスとはオランダをイメージしたテーマパークである。しかし、ここにはあらゆるものがある。アトラクションは、恐竜島、アスレチック、お化け屋敷まであり、食事も、和食からイタリアンまで何でもある。とりあえず、行ってみないと分からないと思った。

 ハウステンボスに着いて、サチコに行きたいところを訊くと、「トリックアート」という。サチコはトリックアートが好きである。去年、湯布院に行ってトリックアート美術館で大はしゃぎした思い出があるらしい。今回は、初めてのときほどは感激していないようであった。トリックアートとはそういうものである。その気持ちはよくわかると思った。


トリックアート


 続いて、「バハムートディスコ」というところに行った。ここでは、壁に移された映像を見ながら、音楽に合わせてタイミングよくステッキを振りまわす遊びができる。これはサチコが気に入り、次の日も行きたいと言っていた。

 アドベンチャーパークというところで、巨大迷路や恐竜の謎解きゲームをやったが、これらについては子供たちはあまり楽しんでいないようであった。子供たちが楽しんでいたのは、近くの公園やイトーヨーカ堂の屋上にあるような、ボールプールや、滑り台等の遊具であった。親の気持ちからすれば、せっかくハウステンボスに来たのだから、ここでしか遊べないような遊びをしてほしいと思うものだが、ここは子供たちが楽しければそれでよいと割り切るしかない。子供たちがボールプールで飽きるまで、のんびりとしていた。

 暗くなってから、観覧車に乗ってライトアップされたハウステンボスを観て、それから歩いた。夜景がきれいである。


左:バハムートディスコにて     右:観覧車からの夜景


 夕食は、「変なレストラン」でブッフェを食べた。ロボットが生ビールを入れたり、お好み焼きを焼いたりしてくれる。各テーブルには、小さいロボットが置かれており、会話を楽しむことができる。「バルス」と言うと、「メガー メガー トデモ イエバ イイノデショウカ」と返すのが面白く、子供たちたちは何度も「バルス」を連発していた。

 ホテルは「変なホテル」である。クロークはロボットで、恐竜、アンドロイドなどがチェックインをしてくれる。その横に「変なコンビニ」があったので、そこで次の日の朝食を買った。自分でバーコードをスキャンして自分で決済して、自分で袋詰めをするセルフコンビニで、特に変なところはなかった。優一は、ツインベッドの間をジャンプして行ったり来たりを繰り返していた。彼にとっては、あらゆるものがアトラクションらしい。


左:変なレストランでソフトクリームを注文する人   右:変なホテルにチェックインする人


 次の日は4人乗り自転車を借りて、宮殿まで行き、胡蝶蘭等を鑑賞した。私は、4人乗り自転車が好きである。自動車と違って、家族全員で運転している感じが良い。子供たちもはしゃぎながら運転していた。横で妻がヒイヒイ言いながら漕いでくれるので、私は楽であった。

 昼食でピザを食べ、メリーゴーランドに乗り、サチコお気に入りのバハムートディスコをもう一回やったら、満足した。お土産を買ってハウステンボスを後にした。

 ハウステンボスは良いと思った。ディズニーランドのように、コンセプトが統一されていないのが良い。幼児から老人までが楽しめる、あらゆるものが無造作に詰め込まれている感じがする。エレクトリカルパレードの音楽さえ流れているのには驚いた。


左:胡蝶蘭を観て戯れる子供たち     右:4人乗り自転車にて




1月1日 詰め物が取れる

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 早速だが、大晦日の夜、歯を磨いた後フロスで歯間掃除をしていたら、詰め物が取れた。大晦日に詰め物が取れるとは、ついていないなと思いながら、正月もやっていそうな歯医者を探した。

 こういうとき、スマホは意外と役立たない。「歯科 年末年始 営業」などの検索ワードで探しても、ピンと来る結果は得られなかった。と思ったら、妻が市の情報誌を見せてくれた。そこには、正月から営業している歯科のリストがあり、最も近いところに取れた詰め物を持って向かった。市の情報誌を、初めて有難いと思った。

 歯科は、意外と混んでいた。正月から歯で悩む人は多いらしい。私は、詰め物が取れてすぐに持ってきたのが良かったらしく、持参した詰め物をもう一度着けなおして、治療は終わった。私は、正月から診療してくれる歯科医に感謝の言葉を述べた。歯科医は「餅で取れちゃったんですか?」と訊いてきた。そういう人が多いのであろう。

 その後、家族で高良山神社に初詣に行った。家から自転車で40分くらい走り、その後山を1時間くらい登ったところにある。なかなかの距離だが、サチコはちゃんとついてきたし、優一も山登りはちゃんとしていた。おみくじをして、サチコと優一は大吉、妻は吉であった。私はしていない。

 そんな風に、健康な一年の幕開けとなった我が家であった。


1月1日 2019年最後&2010年最初のつぶやき

 2019年が終わろうとしている。紅白を観ていたら、家族も寝てしまい飽きてきたのでこの「つぶやき」を書いている。今年中に書き終わるかどうか分からないので、とりあえず2020年の記録して残すことにする。

 今日は、朝に「アナと雪の女王2」で、恐らく一番有名な「イントゥ・ジ・アンノウン」を多重録音した。映画を観た後、サチコが気に入ってすぐに歌を覚えたので、これで歌ってもらおうと思って編曲した。一番印象的なサビの「♪未知の旅へ〜」の部分を、どういうわけか優一は「いちご食べえ〜」で覚えている。

↓イントゥ・ジ・アンノウン リコーダー5重奏
https://www.youtube.com/watch?v=aGqrbYF4ojc

 その後、サチコが古本屋に行きたいと言うので、優一も一緒に自転車でブックオフに行った。この距離だと、普段は優一は私の後ろに乗せて行くのだが、今日は優一も自分の自転車で行かせようと思った。片道2キロくらいの距離を優一は自転車で走り、私はその横を走った。長い距離であったが、とりあえず行って帰ってこれた。体力がついたものだと思った。

 ブックオフで、私は「スーパーファミコンミニ」を買い、懐かしいゲームを少し楽しんでから紅白を観た。紅白を観ながら年越しそばを食べ、歯を磨いていたら、詰め物が取れて、2019年は暮れていった。


 今年は、インドネシアから帰国して一年が経ち、ようやく余裕が出てきた一年であった。私は、新しい趣味としてフルートを始め、吹奏楽団に入った。土曜日は吹奏楽、日曜日は子供たちを連れて太鼓の練習に行き、充実した週末を過ごすことが出来ている。これも理解をしてくれた妻のお陰である。

 子供たちの成長も著しい。サチコは、好きな絵はどんどん上手になり、日々何かしら書き散らかしている。生き物が好きで、日々、テレビで生き物や恐竜の番組を観ては、何かしら絵を描いている。家族で一番生き物に詳しいのではないかと思う。一方で、本物の生き物は怖くて触れないのが面白い。

 そんなサチコも、最近スキンシップを嫌うようになってきた。お風呂にはもう一緒に入らないし、頭を撫でようとすると払いのけられる。それも含めて成長であり、面白いなぁと思っている。

 優一は、今ではすっかりトイレでうんちをするようになり、長かったトイレトレーニングがようやく終わった。トイレでうんちをするようになったと思ったら、急に知能がレベルアップし、大人でも難しいこのような80ピースくらいある積み木のブロックを、説明書を見ながら組み立てられる。一方で、性格は甘えん坊で、私にも甘えてきて、すぐによじ登ってくるのが可愛い。

 そんなこんなで、2020年もよろしくお願いします。



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