2020年
2月のつぶやき




2月26日 風味付け

 我が家では、子供たち向けの味付けとするため、麻婆豆腐やカレーは全く辛くない味付けにしている。親としては、味が物足りないため、どのようにして大人用の味をつけるかを工夫している。

 麻婆豆腐については、「しびれと辛さががっつり効いた麻辣香油」をかけることで解決した。辛くない麻婆豆腐を作り、大人はこれをスプーン1杯入れるだけで、本格的な麻婆豆腐の味となる。

 カレーについてはどうしようかと、妻に訊かれたので、私はコショウを入れればいいのではないかと提案した。私の経験上、カレーのスパイスを効かせるには、唐辛子よりもコショウが向いている。

 妻は、色々思案して、ガラムマサラを買ってきてくれた。妻は、「ガラムマサラ」はインドネシア語ではないかというが、おそらく違う。インドネシア語で「garam」は塩、「masalah」は問題という意味だが、ガラムマサラに塩は入っていないし、意味からしても関係ないであろう。

 妻が買ってきてくれたガラムマサラのにおいをかいでみると、ちょっとおっさん臭いにおいがした。そのことを妻に言うと、これぞまさに「カレー臭」ということになった。

 ガラムマサラを入れたカレーは、ほどよい辛さとなり、子供向けの甘口カレーが大人向けの味となった。


2月25日 三連休とコロナウイルス

 三連休の最終日である昨日は、会社の行事がある予定だったが、コロナウイルスの影響で中止となった。先週末は、福岡県や熊本県でも感染者が見つかっており、ついにコロナウイルスが九州上陸したのかと思った。会社でも、日々体温を測定して自己管理し、咳等の症状がある場合は出社しない指示が出たり、一方で咳エチケットを気を付けようとか、咳のある人はマスクを着用しましょうとか、混乱しているように思える。

 私の三連休は、土曜日:吹奏楽の練習、日曜日:吹奏楽の練習→子供たちと太鼓の練習、月曜日:家族で近場のサイクリング、という素朴な過ごし方となった。吹奏楽については、4月の定期演奏会に向けて練習が増えている。コロナウイルスの影響で開催できるのかは分からないが、できる練習はしておかなければならない。太鼓についても、3月上旬に予定されているステージ演奏は、キャンセルになる可能性が高いとのことであった。

 コロナウイルスがどこまで怖いのか、ということは考える。数年もしたら、インフルエンザと同様に世界中に広まり、脅威でありながらも人類がなんとか付き合っていくことが可能な病気のひとつとなっているかもしれない。今コロナウイルスに感染する脅威は、私たち家族にとっては、どちらかというと社会的側面が強い。死亡リスクというよりは、隔離され、仕事や学校に行けなくなり、まともな社会的生活ができなくなる恐怖のほうが大きいように思える。

 感染しないように気を付け、睡眠・食事を気を付けて免疫を付けておきたいと思う。


2月14日 星の子

 出張の移動時の暇つぶしとして買った本の中に、表題の本があった。怪しい宗教にのめり込む両親を持つ、少女の視点から描かれた小説である。

 久々に、凄い小説を読んでしまったと思った。文体はほのぼのぼしていて、難しい表現もなく、小学生でも読めるような書き方でありながら、内容は常に不穏である。一方で、この小説は、何の評価も下さない。宗教を批判するわけでもなく、そんな両親に反発して家出をする姉を賛美するわけでもない。傍からみたら特殊な環境に置かれておきながら、その自覚もなくどことなくぼんやりしている「わたし」も、実に自然体で描かれている。そして、小説は突然終わる。

 著者の今村夏子さんは、ホテルの清掃のアルバイトをしていて、突然「明日は休んでください」といわれ、「小説を書いてみようかな」と軽い気持ちで書いた小説で太宰治賞を受賞したという。感性の人だなと思った。その後、小説が書けなくなり、3年くらいブランクが開く。彼女の小説は、緻密に計算して作られたというよりは、書き始めたとき、どうなるか本人にも分からないような感じがする。この人の持つ感性や、これまでの経験や、感情が、一番素直な形で文字になったような、独特の雰囲気がある。

 ほかの本も読んでみようと思った。


2月13日 意味のない質問

 昨日から、表題の言葉がニュースをにぎわせている。衆議院予算委員会において、安倍首相が辻本議員に対して行ったヤジで、野党から非難を受けている。

 このニュースを見て、私はまず辻本議員はどのような質問をしたのかが気になった。世の中には、意味のない質問というのは存在する。辻本議員の質問がどのようなものか、見てみたいと思ったが、朝の短いニュースではそこまで放送されなかった。

 その後、インターネットで実際にどのようなやりとりが行われたのかを確認した。私は、どちらかというと安倍首相に好意を持っていないが、それでもこのやり取りの中で、意味のない質問だといったことには共感できた。正確には、「意味のないやりとり」であろう。辻本議員の頭の中には、彼女にとっての模範解答がすでに用意されており、それに反する答弁をした場合には、おかしいと主張していた。そして、問題の発言が出る直前は、「鯛は頭から腐る」と、あまり意味のない言葉で答弁を終えていた。

 しかし、ニュースでは「意味のない質問だよ」の発言のみがクローズアップされ、その前の辻本議員の発言、その後の安倍首相の弁解については、あまり放送されていない。これだけ与党が強い中、メディアが野党寄りになるのは、ある程度バランスをとる意味では必要だと思うが、もう少し公正な報道をしてもいいのではないかと思った。


2月11日 北九州へ

 今日は、レンタカーで北九州に行った。主な目的は、「北九州市立いのちのたび博物館」である。最近サチコは、恐竜にはまっており、本格的な恐竜の展示を見せてあげたいと思っていた。

 「いのちのたび博物館」に入ると、巨大な恐竜の全身骨格のレプリカが数多く展示されていた。奥のほうでは、ロボット恐竜による8分間の本格的なショーをやっていたりと、入館料600円にしては大満足の内容である。この博物館は、もともと地元の子供が魚の化石を発見し、それを展示するためにはじめられたという。そこから発展して、ここまで立派な博物館になったと思うと感慨深い。恐竜の展示だけでなく、恐竜絶滅以降の生物、鉱物、北九州の生き物など、多岐にわたる。

 子供たちは、面白がってあっちこっち自分で見て回っていた。連れてきた甲斐がある。後半には、古民家や、北九州の祭り、歴史まであり、さすがにこの辺は軽く流した。

 常設展の外では、「コレクション大集合」と称して、コレクションの展示会なるものをやっていた。個人が蒐集したコレクションが展示されている。しかし、「展示会」そのものがコレクションにも思えるので、「コレクションの展示会」というのは、不思議な言い方だと思った。

 そのあと、門司まで行って、焼きカレーを食べて帰宅した。焼きカレーとは、(たぶん)カレーライスに生卵を乗せ、チーズをかけてオーブンで焼いた料理のことである。門司では、焼きカレーが名物らしく、いたるところに焼きカレー屋があった。焼きカレーは、美味しかった。一方で、家でもできる美味しさだとも思った。今度カレーの二日目は、焼きカレーにしようと思った。


2月10日 我が子をAIの奴隷にしないために

 先週から今日まで、出張が続いていた。先週は、水曜に前泊して木・金と研修、そして日曜日から前泊して今日は出張であった。

 私が、外出に際しての持ち物で、最も重要にしているのが、暇つぶしのための本である。図書館で借りるなどして、読み切れないくらい持っていくと安心できる。表題の本もそのために買った新書である。著者は、サイエンス作家で以前はNHKの「サイエンスZERO」のナビゲータをやっていた、竹内薫氏である。

 一般的に、シンギュラリティが到来するのは、2045年と言われている。シンギュラリティとは、もともと物理用語で「特異点」と訳され、ブラックホールの中心等、既存の科学では計算不可能な領域を指す。そんなことから、2045年のシンギュラリティとは「AIの知能が無限大となり、予測不可能になってしまう時」という意味で使われる。現在でも、AIの用途はどんどん広がっているが、人間のコントロール下において使用されている。近い将来、AI自身が驚異的なスピードであらゆることを学び、人間を超越した存在になりうるというのが、現在大真面目に言われている未来予想である。これは、本書でも書かれており、私が仕事をしていての実感でもあるのだが、近い将来、多くの業務はAIに取って代わられるであろう。単純な作業や、パターン化された頭脳労働は、AIが代替するであろう。

 そんな中、我が子にどのようなスキルを学ばせるべきかという問いに対する本書の答えは、プログラミングと数学である。これは、著者が元プログラマーであることもあり、かなり偏った見方であるといえる。もちろん、これに限らず、創造的な仕事、マネジメント、コミュニケーショにかかわる業務は残るという。そして、プログラミングと数学といっても、方程式を暗記するようなやり方ではなく、それがなぜそうなるのかを探求するような、学びの精神が必要だという。

 これを読んで、私自身は大丈夫だと思った。というよりも、勉強するとは、そもそもそういうことじゃないかと思っていた。暗記は大嫌いで、方程式は覚えるものではなく、それを導く過程を大事にしていた。一方で、マネジメント力、コミュニケーション能力は、これから磨いていかなければならない。

 子供たちはどうか、と思っても今の時点ではよくわからない。サチコは、算数は苦手だが、勝手にいろいろ考えて、家の壁に四コマ漫画を貼り付けたりとか、工作をしたり絵を描いたり、勝手に考えていろいろやっている。優一も、レゴブロックで意味不明のものを組み上げたり、今が何時かとか、今日の最低気温は何度かとか、とにかくいろいろ考えているっぽいので、まあ大丈夫であろう。



topへ