2021年
6月のつぶやき
6月25日 中華うどん
先日、久しぶりに妻と昼食を食べに行ったのが、「中華うどん」の店であった。昭和7年創業という老舗のうどん屋ながら、このような珍しいメニューが看板メニューとなっている。
「中華うどん」は、簡単にいえば、うどんのスープにラーメンの麺を入れたものである。私の住んでいる筑後地方は、ラーメン、うどん共に有名であるが、これを合体させようという発想は、意外と浮かばないものである。
「中華うどん」は、驚くほど美味しかった。だしのしっかり効いたスープに、細い中華麺がよく絡んでおいしい。具は、きくらげ、ネギ、かつおぶし、丸天などで、うどん、ラーメン双方が合わさっている。邪道な感じは全くせず、昔からある素朴な味、という感じさえある。
店は、商店街沿いの細い路地を入ったあたりにあり、昭和の風景がある。良い店を見つけたと思った。
6月22日 トイレの地図
妻の実家のトイレには、巨大な日本地図と世界地図が貼られている。私は、これが好きであった。トイレに居ながらにして、世界中を飛び回るような空想に浸ることができる。7年間におよぶインドネシア生活にも難なく順応した、妻のグローバリズムの原点は、意外にもこういったところにあるのかもしれない。
とにかく、トイレに地図のある生活が羨ましい、という話を妻にしたところ、早速地図を買ってくれ、トイレに貼ってくれた。便座に座って左側が日本地図、右側が世界地図である。改めて見ると、メルカトル図法で描かれたロシアはとてつもなく巨大である。
トイレに入るたびに、世界にたいする気付きがある。なかなか良いものである。
6月19日 風船を釣る
我が家はアパートの2階にある。子供たちが家の中で風船を投げて遊んでいた。ちょうど、妻が洗濯物を取り込むためにベランダを開けたところに風船が飛んできて、風船はベランダに出た。妻は慌てて風船を取りに行ったが、風船はそのまま下に落下した。
落下した場所は、アパートの管理スペースにあたり、管理人さんに鍵を開けてもらわないと入れなさそうである。もう夕方であり、入り口に管理人さんはおらず、月曜日まで待ってから拾いに行くしかないと思われた。
優一は、風船のことが気になるらしく、幾度となく「風船だいじょうぶかなぁ」などとつぶやいている。そのたびに妻は不機嫌になり、「今日はムリ!月曜まで待ちなさい」などと言っている。
一方私は、突如現れた難題に、ひそかに心躍らせた。私は、こういうことを考えるのが好きである。どうすれば風船を救出できるか、ベランダから下を眺めつつ考えを巡らせた。4方のうち、前方と右側は壁と有刺鉄線に阻まれている。手前はガラス張りで、ドアはあるが施錠されている。左側は壁で1階の住居と接している。1階の人に家に入れてもらい、壁をよじ登れば取れそうだが、それでは面白くないと思った。
私は、風船を2階から吊り上げることにした。虫取り網を持ってきて、その先にまっすぐに伸ばした針金ハンガーを括りつけて延長させた。針金ハンガーの先端には地面まで届く長さの凧糸を結び付け、凧糸の先にはガムテープの粘着部が外側にくるように貼り付けた。
子供たちが見守る中、凧糸を階下に降ろし、風船にガムテープを接触させたところ、うまく接着して吊り上げることができた。ゆっくりと風船を持ち上げ、無事に回収することができた。私も子供たちも狂喜した。
しかし、ガムテープにくっついた風船を、サチコが引き剥がそうとしたところで、風船は割れた。なかなか楽しいひと時であった。
6月19日 おにやんま君
虫よけグッズの中でも、「おにやんま君」は異色である。薬剤等は一切使わず、貪欲なハンターであるおにやんまの形状により、ハチやアブなどの忌避効果があるとされ、渓流釣りをする人たちの間で話題らしい。真偽のほどは分からないが、トラロープ(黒と黄色の縞々のロープ」にも虫が寄ってこないという。
そんなおにやんま君を、100均で売られている材料だけで自作できることが分かり、仕事帰りにそろえた。工作好きのサチコは、「おにやんま君」を作ることを楽しみにしており、土曜日に一緒に作った。作り方は極めて簡単で、曲がるストロー、ビニールテープ、ビーズ、クリアファイル等を組み合わせて作る。すぐにコツを掴み、私は6個、サチコは2個作った。
今度、キャンプに行ったときに吊るしてみようと思う。

6月12日 名作漫画
先日、「進撃の巨人」の最終巻が発売された。最後までどうなるか分からない緊張感の中、その結末は満足のいくものであった。これまで散々大風呂敷を広げておきながら、ここまで美しく、かつミステリアスに完結できる物語も珍しいのではないかと思う。
これまで、私の中での漫画の一番の名作は、「風の谷のナウシカ」であった。全7巻のストーリーのうち、アニメ映画で描かれるのは2巻の途中までである。アニメ映画では聖母のような存在であったナウシカは、その後、巨神兵を我が子とし、人類の希望の卵を破壊し、悪の親玉であったトルメキア王に「気に入ったぞ お前は破壊と慈悲の混沌だ」と言わしめ、身を挺して守られるような、奥深い存在となる。
一度読んでも理解できず、何度も読み返すうちに少しずつ理解できていくような漫画が、私の中での名作である。ナウシカは、思春期に読んだこともあって特別な思い入れもあり、私の中でこれに並ぶ作品はもうないだろうと思っていたが、「進撃の巨人」はこれに並ぶと思った。
壁に囲まれた世界で生まれ育った若者が、その外側に思いを巡らせ、ついに新しい世界に旅立つという空想は、かつての私もしたことがある。その外側がどうなっているかは、かつての私の頭は白紙であった。「進撃の巨人」は、その外側の世界を緻密に描き上げ、更にファンタジー性を保ちつつも決して甘っちょろくならないあたり、実によくできている。そこに作者独特のギャグセンスも相まって、絶妙な世界が繰り広げられ、何度でも読み返したくなる作品となった。
今は、妻が最終巻を開かずに、気持ちを高めるために最初から読み返しているようである。最終巻を読むのは数か月後になるであろう。
6月11日 G線上のアリア
前にも書いたが、母とは、YAMAHAのSYNCROOMというアプリを使ってフルートとギターの合奏練習をしている。久しぶりに、曲が完成しYoutubeにアップすることができた。少しずつ、難易度の高い曲に挑戦しているが、あくまでマイペースで、緩くやっている。便利な世の中になったものである。
母の演奏を聴いていると、楽器を続けるのは良いことだと思う。老後に楽器を始めるのも良いが、母の様に若いころから楽器を続けるほうが断然良い。楽器は、@音を正しく出せるようになる段階があり、A楽譜通りに弾けるようになる段階があり、そこから更にB自分が表現したいように使いこなす段階がある。その先には、C表現したことが聴衆に伝わる段階まであると思うが、アマチュアとして楽しむには、少なくともBまではいきたい。そして、そこまでのハードルというのは、かなり高い。
私も、細々とフルートやリコーダーを続けて、一生の趣味にできるような技能を身に着けておきたいと思った。
↓「G線上のアリア」リコーダー・ギター合奏
https://www.youtube.com/watch?v=mebnYe259q0
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