2004年
5月のつぶやき
5月31 携帯充電器考
私は最近ある発見をした。と言っても全く基本的なことだが。それは携帯の充電器のことである。
携帯の充電器は機種が異なれば同じ充電器は使えない。その機種ごとに専用の充電器が用意されている。しかし、車のシガーライターから接続して用いる充電器はわずか数個の端子だけであらゆる携帯電話に対応している。また、電気屋の有料充電器は、携帯電話の数だけ端子が用意されているわけではない。
当然のことなのにやっと最近気付いたのは、「携帯の種類によって端子の規格が異なるわけではない」ということである。携帯の端子をよく見ると、機種固有の切り欠きがあることに気付く。そして、充電器と携帯端子のオスメスが一致しないと上手くはまらないようになっているのである。
電気屋の有料充電器は、「オス」がないため、どんな携帯にも対応できるのである。すなわち、私たちの持っている充電器の端子の「オス」部分をカッターなどで削ってしまえば、充電可能な機種数は飛躍的に増加する。こんな簡単なことに今まで気付かなかった。
それにしても携帯メーカーは嫌らしいと思った。そんなものなくしてしまえば、わざわざ携帯を買い換える度に充電器まで変える必要はなくなる。資源の節約、廃棄物の削減という意味でもその方がいいと思うのだが。
5月25 拉致問題のこと
先週末、小泉首相が訪朝し、拉致被害家族5人が帰国した。このことに対しての被害者家族、特に身内の解決に至らなかった人の首相に対する非難はかなり辛辣であった。帰国後の記者会見では、
「首相にはプライドはあるのか」
「子供の使いか」
「一国の首相が国民の命を軽んじているのではないか」
など、およそ平常心では聞いていられないような、刺々しい非難であった。
私は心が痛くなり、テレビのチャンネルを変えた。「小泉氏」がかわいそうだと思った。彼は、「首相」としてではなく、「個人」として、その人格から否定されているように感じたからである。それも、公の場で。
拉致事件が起こったのは、私が生まれる前の話である。それ以来30年近く、ワイドショーで取り上げられる程度の「噂」でしかなかった。それまで何度も政権交代があったが、拉致問題が取り上げられることはなかった。。
その「噂」を初めて重大な問題として取り上げ、訪朝したのが小泉首相である。そして、被害者全員でないとは言え、一部帰還に成功した。これは大きな進展であると、私は思う。
一国の首相が国民ひとりひとりの命まで関わっていられないのは、当然である。毎日の様に起こっている殺人事件のひとつひとつにまで、首相が関知しないのと同じである。
私には、身内を拉致された人の気持ちは、理解することはできない。しかし、一人の人間を公の場で、あそこまで辛辣に非難する人の気は、もっと分からない。そして、下手に「お涙頂戴」的な演説術を身に付けて張り上げる被害者家族の声が、私の耳に痛い。
5月20日 思いついたこと
今日、歯を磨いてうがいをしながら思い出したことがある。コップの水を飲むことに関して、以下のことを想像していただきたい。
@コップの水を飲む。
Aコップの水を口に含み、うがいをしてから飲み込む。
Bコップの水を口に含み、含んだ水をコップに一旦戻してから、その水を飲む。
Cコップの水に向かって唾を吐き、その水を飲む。
@は普通であろう。Aは少し違和感があるかもしれないが、案外出来ることである。しかし、B,Cについては、ほとんどの人が「気持ち悪い」と感じると思う。しかし、やっていることとしては、@やAと変わらないはずである。人間の心理としては、例え体の一部であっても、自分の体から一旦切り離されたものは、拒否反応を示すらしい。不思議なものである。
それだけの話なのだが。
5月16日
背筋の凍った話
先週末の話になるが、私は久しぶりに背筋の凍るような思いをした。
日曜の昼下がり、実家から寮に帰ろうと、新宿から西武新宿線に乗った。込み具合は、丁度座る席が全部埋まる程度であった。私は空いている席を探そうと、電車の中をまっすぐ歩いて進んだ。すると、前の方に若い男と車椅子の女性が座っているのが見えた。手前では部活帰りの中学生がはしゃいでいる。私はそっちに向かって歩いていったが、その車椅子の女性がなぜか少し不自然に見えた。しかし、すぐ近くまで来て、その理由が判明するとともに、全身の血の気が引いた。
なんとその女性は、人間ではなく、マネキンだったのである。男性は愛しそうにその車椅子のマネキンを愛撫している。
私は「世にも奇妙な物語」の世界にいる様な気分になった。こんな異常な事態が起こっているのに、その付近では何事もないかのように中学生ははしゃいでいる。周りに人はいるが、誰もそれを変だと思っていない様に見える。変だと思う私が変なのであろうか。野次馬根性の強い私でも、流石にその場で足を止めることは出来ず、そのまま3両くらい先まで行ってしまった。
文鳥がいない
3日くらい前に、うちで飼っていた文鳥が行方不明になった。「りん」という桜文鳥である。メスで、あまり美人ではないが、愛嬌のある鳥である。家の中にいるのか、外に逃げてしまったかも分からない。
母と妹で付近を捜したが見つからず、知り合いの霊能力者に聞いたところ、「まだ家の中で生きている」との話を聞いて部屋中探し回ったが、見つからなかったらしい。
私はかなりへこんだ。「りん」には強い思い入れがあった。一緒に風呂に入って水浴びをするほど人間に慣れている。現在ポスターを作製して近くの電信柱に掲示している。「りん」が無事見つかることを願う。
ボウリングをする
今日は午前中笛部の練習をした後、ハマボウに行った。メンバーはサクモト、アユミ、私である。
ボウリングまでの待ち時間に、ゲーセンでレーシングゲームをした。生協でトラックによる配達をしているサクモトとアユミは「ぶつけても誰にも怒られないから楽しい」と、喜んでいた。
さて、ボウリングが始まったのだが、1ゲーム目は全くぱっとしなかった。皆、少々疲れていた。そこで2ゲーム目は何か賭けようということになり、夕食代をかけることにした。すると、皆、急に目がぎらつき始めた。
アユミはいきなりターキー(3連続ストライク)を取った。彼女は舞い上がっていたが、サクモトと私は「意地汚い」と非難していた。
その後もかなり悪い雰囲気で試合は続いた。他人がストライクを取っても誰も喜ばず、ただ自分の投球にのみ集中していた。中盤過ぎ、得点はアユミ→私→サクモトの順になった。このまま終わるかと思いきや、最後の最後で今度はサクモトがターキーを出し、結局私がびりになった。
夕食は私がおごることになり、横浜駅の地下のお茶漬け屋「さらり」で食べることになった。「お茶漬けを」外食するなんて初めての経験である。ここでは、ご飯とご飯にかけるだし汁やお茶は、お代わり自由である。
結局サクモトと私はお櫃で3杯お代わりし、腹いっぱいになった。アユミはお櫃で2杯食べたあと、あんみつと葛餅を食べていた。
もうお茶漬けは見たくもないという気分になった。もともとお茶漬けは「他に何も食べたくない」という時に食べることが多いのに、そのお茶漬けを食べられなくなるとは、最後の砦が崩れた気がした。
政治家の年金未払い
今日、久々に新聞を見ると、一面に「小泉首相も年金未払い」という記事が載っていた。最近、政治家の年金未払いが頻繁に取り上げられている。彼らは、「年金改革を進めていく立場の人間が、年金を払っていないとは何事か」といった非難を受けている。
なんとばかばかしい話かと思う。彼らの多くは「過去の何年か未払い期間があった」ということで非難を受けている。どうせ、うっかり忘れていただけであろう。そんなこと、誰にでもあることである。
小泉首相は、学生時代に未払い期間があったとの容疑に対して「40年も前のことを覚えているわけないでしょ」と答えている。その通りだと思う。そんな昔の話と、現在の首相としての価値とは、なんの関係もないはずである。
こんな下らない話を、大衆週刊誌のみならず、大手新聞社までもが一面に取り上げていることが信じられないと思う。
5月9日 閉店する
今日、12年間続いた「あかし屋」が閉店した。閉店間際ということもあって、昨日今日はかなり多くのお客さんが来た。
「あかし屋」は、私が中学生の時に、父が脱サラをして開店した。ある日曜の朝、父がテレビでお好み焼き屋の特集を見て、「ワシもお好み焼き屋やりたいのう」とか言っていたのを覚えている。そしたら、本当にお好み焼き屋になっていた。
昨日今日で、小学校以来の友人と、高校時代の友人と、民研の後輩であるヤマダイ一味が来た。高校時代の友人の一人は、現在2歳の娘を持つパパであり、もう一人はパイロットを夢見て航空大学を卒業し、現在航空会社に就職している。色々な人生があるものだと思った。そして何よりも、あまり過去の友人を大事にしなかった私にとって、こうして再会出来ることはありがたいことだと思った。
小学校時代の友人は、家族とともに食べに来たのだが、彼の妹はかつて「あかし屋」でアルバイトをしていた。今は看護婦として働いており、横浜で一人暮らしをしているらしいのだが、「部屋を『あかし屋』にしたい」と言って、「あかし屋」ののれんやら、メニューの札やらを持って帰ることになった。部屋中に飾るらしい。
ともあれ、今日で終わった。「あかし屋」は私の学校時代とともにあった。売上の多くは私と、私の妹の養育の為に消えていったであろう。「あかし屋」と「あかし屋」に来て下さったお客さん、そして両親に感謝である。
5月4日 GWのこと
今年のGWはあまり活動的にいろいろやったということはないが、この連休にあったことをかいつまんで紹介したい。
アマチュアバンドフェスティバル(5/1)
この日は、笛部で実家の近くのバンドフェスティバルに参加した。中央林間駅前スーパーで行われるのだが、今回初のイベントであり、地域活性化のため、音楽好きの店長が非常に乗り気であることは先月の「つぶやき」に述べた。
さて、当日は9:15に集合して軽く最終確認を行うはずだったのだが、時間通りに駅に行ってみると、ホシノ、マサカワ、カオリがいなかった。連絡をとったところ、ホシノは「電車がトラブって遅れる」とのことであり、マサカワは「今起きました」とのことであった。そして、カオリは「色々あって海老名にいます」とのことであった。
「色々って何??」との疑問が皆に浮かんだ。結局カオリはぎりぎりに来たのだが、話を聞くと、「うっかり乗り越して海老名に行った後、各駅停車を待ち続けていた」とのことであった。大和は各停しか止まらないと思い込んでいたらしい。ちなみに、海老名〜大和間は始発・終電以外は急行しかない。
ともあれ、早めに集合時間を設定しておいてよかったと思った。結局笛部はトップバッターで、7曲程披露して終わった。受けはそこそこよかったが、新たな課題を見つける演奏会となった。
飲み会(5/2)
この日は、愛媛で就職したサエが帰ってきているということで、飲み会があった。場所は上星川の「さぬきや」という店で、サエが「以前行って面白かった」所らしかった。
私はちょっとおしゃれな店をイメージしていたのだが、そこはかなり年季の入った大衆居酒屋であった。
確かにかなり面白かった。壁には手書きで「しんそ水」と書かれたポスターがあった。どうやら「海洋深層水」のことらしい。
トイレを待っていると、店長らしき人が「アー ユー ヨコハマ ナショナル ユニバーシティー?」と話しかけてきた。「私」=「横浜国大」ではないが、とりあえず「オーイェー オーイェー」と答えておいた。
そして、トイレに入るともっと驚愕した。中にはトイレットペーパーが異常にたくさんセットされているのである。それもすべてピンクのトイレットペーパーである。思わず写真を撮ってしまった。しかも、トイレのカギは壊れており、「Under Repairing(修理中)」と汚い字で書かれていた。
サエの言う通り、非常に楽しいところであった。こんなに面白いのに、今まで行ったことがないのが不思議である。
山梨へ(5/4)
この日は、山梨の「白州」というところにある、サントリーの天然水工場に見学に行ってきた。「南アルプスの天然水」のラベルに「工場見学やってます」との表示を見て、行ってみることとしたのである。どうやら見学の他に、水の飲み比べなども出来るらしい。朝早めの時間に車で向かった。
工場は凄かった。クリーンな環境に対する徹底ぶりは目をみはるものがあった。直接消費者の口に入るものを生産している工場というのは、その品質管理も徹底されているものだと感じた。
他にも同じ敷地内にある「ウイスキー博物館」にも行った。そこには、サントリーの創始者である「鳥井信治郎」のことが大きく取り上げられていた。彼は、当時不可能とされた国産のウイスキー醸造を成し遂げた人物である。当時の発売広告などを見ると、
「醒めよ人 舶来盲信の時代は去れり」「断じて舶来を許さず」
など、彼の熱い想いが彷彿としている。戦前の日本を感じた。
他にも、「南アルプスの天然水」と「ヴィッテル」の飲み比べなどをして帰ってきた。「工場」というよりは、「テーマパーク」の様な印象を受ける工場であった。
帰りは、Uターンラッシュに巻き込まれることを予測して下道で帰った。帰り途中、私は念願のラーメンにありつくことができた。相模湖近くにある「日本一まずいラーメン」という看板のある店である。
「がまんしないでね。トイレをどうぞ」
とも大きく書いてある。私は前に通った時から惹かれていたものの、いつも素通りしてしまっていたのである。
中に入るのには、かなり勇気が要った。「まずいラーメン」をわざわざ食べるのである。どんな心がまえで入ればいいのだろうか。中で「美味い」とか言ったら失礼に当たるのだろうか、そんなことを色々考えた。しかも、外には怪しい天狗の顔のオブジェがあり、目が緑色にフラッシュしている。中にはどんな怪しい人いるのだろう、一体何を食べさせられるのだろう、かなりの不安がよぎった。
中に入ると、普通に若い女性アルバイトが「いらっしゃいませ〜」と迎えてくれた。しかし、店内の雰囲気は異常である。天井から「囚人の足枷」やら「通行手形」やら「兵隊さんの弁当箱」やら怪しい遺品が吊り下げられている。そして壁には徳川家将軍の絵が飾られている。このギャップをどう捉えればいいのだろう。
私は恐ろしい気持ちになった。一見普通のラーメン屋で、「いらっしゃいませ〜」という声、そして怪しいアンティーク、これから一体何を食べさせられるのだろうか。とりあえずラーメンを注文し、トイレに向かった。トイレの前には意味不明関所っぽい言葉が記されておりさらに恐ろしくなったが、中に入って思わず笑ってしまった。
「急ぐとも 外にこぼすな 朝顔の露」
と大きく張り紙されているのである。尿を撒き散らすなと、遠回しに言っているらしい。
ラーメンは、まずかった。まずさの秘訣は、ラーメンスープの味の多くをタマネギの味が占めていることであろう。ラーメンスープが「オニオンスープ」っぽくなっていることによる。そういう意味では、こういうものだと思い込めはそこそこ食える。結局スープまですべて平らげて店を後にした。
後で思えば、この店には結構客がいた。しかし、近くにある他の「美味い」と銘打っているラーメン店は閑古鳥であった。「美味い」が溢れる中で、「まずい」とアピールする逆転の発想が繁盛に結びついているのかもしれない。
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