2021年
8月のつぶやき




8月29日 避密のキャンプ

 今週末は、父と子どもたちだけでキャンプに行った。夏休み中、子供たちはどこにも行けず、iPadやゲームで過ごしていた。私もキャンプに行きたかった。妻はひとりでのんびり過ごしたかった。ということで、このような形でキャンプを計画した。感染リスクを最小化するために、レンタカーでキャンプ場以外は立ち寄らず、キャンプ場でも家族だけで過ごした。

 キャンプ場は、オートサイトの電源付きで、車を横付けしてテントとタープの設営を行えた。設営を終えて一息ついたら、昼食である。昼食は、カップ麺である。サチコはペヤングソース焼きそばが大好きで、優一はカップヌードルが好きである。カセットコンロでお湯を沸かし、カップ麺を食べた。

 その後は、探検をした。あたりは、ツクツクボウシやヒグラシなどのセミの声が鳴り響いている。クマゼミ、アブラゼミは家の近くでもよくいて、捕まえたことがあるが、ツクツクボウシやヒグラシは、鳴き声は聞いても捕まえたことがない。これらを探したり、コガネムシを捕まえたり、遊具で遊んだりして過ごした。なかなかの暑さであったが、子供たちは元気であった。

 夕方、炭火をおこしてバーベキューをした。サチコも優一も小食なので、肉はひとり3枚程度、その他焼き芋、ホットサンドメーカーで焼いた肉まん、イカの一夜干しくらいを食べただけであった。いつもと違って、小さな焚き火台を囲みながら食べた。

 その後、炭火を焚き火に代えて、花火をした。花火をした後は、親子で語り合った。サチコの熱中しているゲームの話や、絵や音楽のこと、少し学校のことなどをとりとめもなく話した。優一も、一丁前に話題に入ってくるのが頼もしい。私は、どちらかと言えば聞き役で、子供たちの話し声が心地よかった。そんなこんなで、11時ごろまで話して、就寝した。

 次の日は、飯盒で米を炊いて、レトルトのカレー、親子丼、牛丼を食べた。食後はゼリーを食べた。その後、撤収を始めたが、予想以上に手間取り、チェックアウトの11時ギリギリにようやく積み込みが終わった。チェックアウト後、併設された動物にエサをやれる動物園で、カンガルーやら鹿やらヤギやらにニンジンを与えて、帰路についた。

 初めての父と子どもたちだけのキャンプであったが、非常に楽しめた。家族みんなで行くのも楽しいが、妻がおらず、子供たちがすべて私に頼ってくれる感じも楽しい。サチコは、私と焚き火を囲んでおしゃべりできたのが楽しかったらしく、また行きたいと言ってくれた。幸せなひとときであった。


左:キャンプで食事       右:冒険へ!


夜の花火


左:ワラビーにエサをやる人       右:ヤギにエサをやる人




8月21日 サチコ11歳

 サチコが11歳の誕生日を迎えた。最近、急に大きくなっている気がする。精神的にも成長し、大人びた発言をすることが多くなった。

 誕生日の夕食は、サチコのリクエストで私の作る肉まんになった。サチコは、私の作る料理が好きらしく、広島焼きや明石焼きを作ると喜んでくれる。誕生日は、ろうそくを消し、肉まんを食べ、プレゼントを渡し、ケーキを食べて終了した。

 プレゼントは、祖母からの「おしゃべりインコ」であった。両親に似て鳥好きのサチコは、これを欲しがっていたらしい。プレゼントを開けて大喜びのサチコは、優一と名前を何にするかウキウキしながら考えていた。

 サチコは良い子に育っている。弟と喧嘩をすることもなく、親の手伝いも積極的にし(数十円の報酬付きだが)、殺生を好まず(道端で干からびかけたミミズを助けたり)、お絵描きや物語づくりに没頭している。視力が落ちて、最近メガネをかけ始めたが、私たちの娘だから仕方のないことであろう。

 ともあれ、順調に育ってくれて何よりである。


8月15日 鬼畜ミニゲーム

 今更ながら、「ファイナルファンタジー]」をやっていることは前にも書いたが、夏休みの後半は、雨が続き家にずっといたため、妻と私は最強の武器を手に入れるべく、くだらない奮闘をしていた。

 本作では、いわゆる「最強の武器」が各キャラクター毎に存在しているのだが、ただ手に入れただけでは役に立たないがらくたである。それをそれぞれ2種類のアイテムを手に入れることにより、2段階強化することで初めて最強になるのだが、その2段階目の強化に必要なアイテムの入手が非常に困難なのである。それを入手するための手段は、通称「鬼畜ミニゲーム」と呼ばれているゲームの、定められた条件を達成することであり、当初はこんなくだらないことに時間をかけるつもりはなかったのだが、時間ができたのでやってみることにした。

 ひとつめは、「チョコボ」という鳥型の馬に乗って、前方より襲ってくるカモメを避けつつ風船を取りながらゴールするというミニゲームである。風船をひとつ取るごとに、ゴールタイムからマイナス3秒、カモメに一回あたるとプラス3秒され、その合計タイムが0秒未満になると、例のアイテムが入手できる。難易度は非常に高く、少しでも気を許すとカモメにぶちあたる。「こんなもんできるか!」とすぐに諦めた。しかし、youtubeでコツを調べたりしながらタイムを上げ、3日後には達成することができた。

 もうひとつは、「雷平原」という、落雷の多いフィールドにおいて、稲光が光った瞬間にタイミングよくAボタンを押し、落雷を避けるというゲームである。これを、連続200回繰り返すと、例のアイテムが手に入る。これもyoutubeでコツを調べて開始したが、少しでもタイミングを逃すと雷に打たれてしまい、最初からやりなおしとなる。これは心が削られるゲームであった。「鬼畜ミニゲーム」と呼ばれるのがよくわかる。私はなぜこんなくだらないゲームを、心身を消耗しながらプレイしなければならないのか。普段はゲームを一緒に観てくれる子供たちも、すっかり飽きて見向きもしてくれない。

 これもいくつかやり方があるのだが、二日目に調べたやり方で何とか達成することができた。100回を超えたあたりから、手が震え始めた。そのたびに、水を飲んで深呼吸し、心を落ち着かせながらやった。一時間近く、雷を避け続けていた。

 かくして、夏休みの後半は過ぎていった。ちなみに妻は、「ブリッツボール」という、水中で行うサッカーと水球を混ぜたような競技をひたすら勝ち抜いて、例のアイテムをゲットしていた。私がやっていた上記「鬼畜ミニゲーム」と違い、時間をかけてコツコツやれば確実に勝利できるらしく、それぞれ夫婦の性格に合った「鬼畜ミニゲーム」で過ごした連休であった。


8月14日 正欲

 連休の後半は、雨が続いている。ちょうど、何か月も前から予約していた本の来たということで、徒歩1分のところにある生涯学習センターに取りに行った。私が住んでいる街では、パソコンやスマホで 図書館の本の検索・予約ができ、最寄りの施設まで届けてくれるという、便利な仕組みがある。人気の本は、順番待ちが長い。

 今回借りた本は、朝井リョウの「正欲」である。令和という新時代にあたり、見過ごしてはならない現実を突きつけられたような内容であった。以下、冒頭より引用


 多様性、という言葉が生んだものの一つに、おめでたさ、があると思います。
 自分と違う存在を認めよう。他人と違う自分でも胸を張ろう。自分らしさに対して堂々としていよう。生まれ持ったものでジャッジされるなんておかしい。
 清々しいほどのおめでたさでキラキラしている言葉です。これらは結局、マイノリティの中のマジョリティにしか当てはまらない言葉であり、話者が想像しうる”自分と違う”にしか向けられていない言葉です。
 想像を絶するほど理解しがたい、直視できないほど嫌悪感を抱き距離を置きたいと感じるものには、しっかり蓋をする。そんな人たちがよく使う言葉たちです。(以上引用)

 本作では、ミスコンテストをやめて「ダイバーシティフェス」を成功させるべく奮闘し、成功させる現代らしい大学生の姿と、ある特殊性癖を持つ人たちが、なんとか繋がりを持ちたいと願い、小さなイベントを開催するも、世間からは全く理解されずに逮捕される姿が、対比的に描かれる。私の会社でも、LGBTQに対する理解を深めるための研修が行われた。「ダイバーシティ&インクルージョン」等のキーワードは、毎朝放送で流れ、時代は変わったなぁなどと、思っていた。

 一方で、イスラム教など、その教義として男女の役割や着衣等を制限することと、宗教の多様性の尊重は相いれるのか、(女性はジルバブを被るべきだと主張する男性も多様な考え方のひとつに入るのか?)また、児童ポルノの規制が強化されるのは当然としても、例えば小児性愛者が性欲を満たすために、自分で絵を描き所持しているだけで罪になるとしたら、それは多様性の尊重と相いれるのか。自分や世間の常識からしてみたら全く理解できないもの、生理的に嫌悪感を抱くもの、それらも含めて世の中は「多様性を尊重」していけるのか、著者は小説を通じて重い課題を投げかける。

 答えは出ないが、考えなければならないし、これからの時代を生きるにあたり、何らかのヒントが隠されている小説だと思った。返す前にもう一度読み返しておこうと思う。


8月7日 ホットプレート

 2週間ほど前、ホットプレートを買い替えた。これまで使っていたのは、結婚してすぐ位に買ったもので、すでにコーティングは剥げ、焦げ付きがひどくなってきたのである。せっかくだからと、象印のちょっと値の張るホットプレートを購入した。

 まずはじめに、広島焼きを作った。以前のものと同じワット数だが、火力が強く、焼き上がりが早い。焦げ付きも全くなく、油をひかなくても生地がきれいに剥がせて気持ちが良い。

 次の週は、明石焼きを作った。我が家のタコ焼き器は、これも新婚時にリサイクルショップで買ったものだが、それに比べるとかなり使いやすい。これまで使っていたものが、小さいタコ焼き20個に対し、今回購入したホットプレート付属のタコ焼きプレートは、大玉が30個焼ける。実際は、これまでの生地3回分(約800cc)を、一気に流し込むことができる。

 味も良かった。火力が強いせいか、まるで魚の棚にある明石焼きの名店「とり居」で食べているような感じがした。しかも、手数が省けて楽である。

 そして今日は、サチコのリクエストで肉まんを作った。火力が強くて一気に作れることと、焦げ付かないのが良い。一応は、鉄のヘラを使っても傷つかないということである。肉まんは、焦げ付かないので肉汁を無駄にすることなく、美味しく作ることができた。

 良い買い物をした。新しいホットプレートとは、長い付き合いになりそうである。そして、これまで働いてくれたホットプレートとタコ焼き器に感謝である。



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