2023年
11月のつぶやき
11月26日 優一囲碁大会
今日は、優一の囲碁大会であった。会場は、家からすぐの公民館なのだが、旧陸軍の官舎として使われていた洋館らしく、深い森を持つ庭に、趣のある古い建物であった。実家のおじいちゃんの家に来たような、居心地の良さがある。
大会は、大人の囲碁大会と同時開催で、子どもも行われたのだが、大人の方は全員が老人であった。開会式でルール説明をしていると、細かいルールで揉めはじめたので、私たちはさっさと子供たちの会場に移動した。
囲碁大会と言っても、子供の部はいつもの教室のメンバーだけだったので、気心がしれたものである。せっかくだからと、同伴している親も参加することになり、親子で総当たり戦を行った。私も、子どもたちや他のお父さんたちと、10戦くらいした。私も初心者なので、相手が子供でも手加減はせず、大人げなく本気でやった。囲碁は楽しいと、改めて思った。それほど打てるわけでもないが、自由度が高く、子どもたちも性格がもろに出て、いろいろな打ち方があるなぁと思った。
優一と、本気で対決したが、負けた。家では、おちゃらけてお互い暴言を吐きながらやるのだが、本気で戦う優一は、思った以上に強かった。家では、大石に執着しすぎて撃沈することが多いのだが、本気モードでは、バランス感覚も持ち合わせているように思った。
結局、優一は3位となり、参加賞に加え3位入賞の図書カードをもらい、ゴキゲンで帰宅した。
11月26日 不明曲
高校生のころに、お気に入りの曲だけを入れたカセットテープを作った。カセットテープを再生できるプレイヤーが無くなって久しく、ずっと聴けない状態であったのだが、カセットテープを再生してMP3にできる、ポータブルプレイヤーを手に入れ、これを再び聴くことができたのが、数年前の話である。それらをパソコンにコピーしたフォルダが以下
フォルダ名「中酒サアマカ」
フォルダ内容
1. DEPARTURES(glove)
2. I'm Proud(華原朋美)
3. Top of The World(Carpenters)
4. マンピーのG SPOT (サザンオールスターズ)
5. サザン不明曲
6. 輪舞曲〜ロンド(松任谷由実)
7. 最後の約束〜See you again (AMBIENCE)
8. 碧いうさぎ(酒井法子)
9. 旅人の歌(中島みゆき)
10. 不明曲1
11. 不明曲2
「中酒サアマカ」は、カセットテープにマジックで手書きされていたもので、アーティストの頭文字である。「中」は中島みゆき、「酒」は酒井法子、「サ」はサザンオールスターズといった感じである。中でも気になったのが、2曲の不明曲である。テープの最後のほうに録音されており、手掛かりは全くない。
そのうち、「不明曲1」のほうは、管弦楽とピアノ、フルートで構成されており、印象的なメロディを繰り返す、美しい曲である。悩んだり、つまづいたりしながらも、少しずつ前に進んでいくような、健気で美しいメロディラインで、音階で感情を表現するというのは、こういうことなのかと、かつての私は感じた記憶がある。
この曲が、有名だけれども私が知らないだけなのか、マイナーな曲なのかも分からない。気になったので、耳コピしてリコーダー5重奏に編曲し、アップしてみた。曲名が判明すればよいのだが。
【曲名不明】リコーダー5重奏
https://www.youtube.com/watch?v=pftjGE4c1IE
11月23日 登山をする
勤労感謝の日の今日は、子どもたちと脊振山に行ってきた。サチコが小学生のころ、学校の宿泊研修で背振登山をしたらしいのだが、雨のために登頂できず、途中で引き返してきたという思い出があり、いつかリベンジをしたいと言っていたのである。
サチコの情報を元に調べると、脊振山の東側から主に車道を通って行くコースらしい。YAMAPで地図をダウンロードしたが、登山ルートには入っていない。舗装された道路を登るので、登山道には入らないらしい。それでも、往復で12qと、なかなかの道のりである。サチコが泊まった自然の家にある地図をプリントアウトし、「車道ルート」を登ることにした。
近くに車を停めて、車道を登ろうとしたら、「通行止め」の看板が立っていた。車は入れないという意味だと解釈して、構わずに登り始めた。地図によれば、ずっと車道を通るわけではなく、ところどころ車道を逸れたり合流したりを繰り返すらしい。山道は、結構道なき道で、ところどころ木にテープが巻いてあったり、矢印看板があったりと、冒険気分が味わえる。

山道を歩く
子どもたちは、思った以上に元気についてきた。意外に体力があるなぁと感心した。長い山道を過ぎれば、山頂までは舗装された車道を通るルートとなる。見れば、土砂崩れの跡がある。後で知ったのだが、この車道は、土砂崩れの復旧工事中のため、通行止めとなっていたらしい。

途中の景色。福岡市内とその向こうの日本海まで見渡せる

子どもたちが好きなゲーム、マインクラフトに似ているので「マイクラ岩」と名付ける
なんとなく、優一に似ている
山頂まで、およそ6km、2時間くらいの道のりであった。山頂は風が強く、雲の流れの速さにサチコが驚いていた。地上と比べてかなり寒い。それでも、山頂からの景色は素晴らしく、リベンジができたサチコも満足していた。

山頂にて
帰り道も、同じルートで帰った。ずっと舗装された車道で帰ろうと思っていたら、車で通りがかった工事関係者が、車道は途中でショベルカーが稼働してて通れないから、来たとおりに帰ったほうがいいと、教えてくれた。通行禁止区域を歩いているのに、注意されたりしないあたり、おおらかだなぁと思った。
下山は、優一が思った以上に調子よく、道なき道をどんどん進んでいく。リアルでスーパーマリオをやっている感覚らしい。サチコは、ちょっと怖がっていたが、それでもちゃんとゴキゲンでついてきた。

先にどんどん行く優一。なぜか歩きなれている。
子どもたちと初めて登山をして、ふたりとも思った以上にたくましいと思った。途中で嫌になってグダグダになるのを少し予想していたが、12kmの登山道を歩き通し、二人ともゴキゲンである。また次の山を目指そうと思った。
11月20日 人類の物語
未だかつて、これほどまでに分かりやすい言葉で、世界の本質について語った書籍を知らない。「人類の物語」は、イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリが、子供に向けて書いた本である。今のところ、2冊が出版されており、それぞれ「ヒトはこうして地球の支配者になった」「どうして世界は不公平なんだろう」という副題がついている。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「サピエンス全史」を読んで、衝撃を受けた。大げさに言えば、世界の見方が変わった。その後、「ホモ・デウス」「21Lessons」を読んで、未来に起こりうること、そして現在起こっていることの理解が深まった。「人類の物語」は、子ども向けに書かれた「サピエンス全史」で、分かりやすい言葉と、興味をそそるフルカラーの絵で構成されている。
それでも、その内容は、容赦がない。歴史学者が、発掘された物品や過去に記された書物を元に語るからこそ、残酷な真実にも説得力が生まれる。「21 Lessons」の冒頭には、「的外れな情報であふれ返る世界にあっては、明確さは力だ。」と書かれているが、「人類の物語」においても、その姿勢がうかがい知れる。
彼のどの本を読んでも、私たちが罪深いとか、悪いことをしたとかは書かれていない。ただただ、淡々と、これまでの研究から得られたことを積み上げ、そこから導き出される最も確からしいと思われることがらを語るのみである。
私たちは、過去の歴史をどう受け止め、今をどう生きるべきか。今は図書館で借りて読んでいるが、きちんと購入して家の本棚に置いておき、いつか子供たちが手に取ってくれるのを待ちたい本だと思った。
11月6日 どんぐりと労働歌
金曜日、子供たちと一緒に自転車で少し離れたところにある公園に、どんぐりを拾いに行った。優一が、どんぐりクッキーを作りたいと言ったからである。せっかくだから、テントを持って行ってごろごろしていると、サチコの友人、MからサチコにLINEメッセージが入った。公園にいる旨を伝えると、今から行く、という。かくして、サチコの友人、M・Y姉妹が公園にやってきた。
どんぐりは、その種類によってアクの強さが異なる。実が大きくて、アクの少ないマテバシイは、今年はほとんど見当たらなかった。アクが全くなく、生でも食べられるが小さくて処理のしづらいツブラジイ、アクが強いがそこそこ大きいミズナラをメインに採集した。
どんぐりの下ごしらえは面倒臭い。あまり拾いすぎると、クッキー作りが大変になると言っているのに、M・Yコンビは、どんどんどんぐりを拾い、大変な量になってしまった。人は、どんぐりを拾い出すと止まらない。縄文時代の記憶が、私たちにも受け継がれていることを感じた。彼女たちは、次の日のどんぐりクッキー作りも手伝いに来る、という。
かくして土曜日の午後、私、サチコ、優一、M、Yの5人で、どんぐりクッキー作りが始まった。すべての殻を剥くのだが、中身が腐っていたり、虫が入っていたりと大騒ぎであった。その後、重曹を入れて茹でてあく抜きを5回繰り返す(これは私がひとりでやった)
その後、あく抜きをしたどんぐりを、太鼓のバチの先端でつぶして粉末にしていく。このとき、子どもたちが自然と歌い始めた。私と妻は、まるで
「米搗きまだら」のようだ、と感動した。「米搗きまだら」は長崎県に伝わる民謡で、間宮芳生が1分程度の合唱曲に編曲して、「12のインヴェンション」に載っている。妻と私は、学生時代にこの歌を歌った。楽しいがかなり難易度は高い。
「米搗きまだら」は精米作業をする際に歌われる曲で、単調な労働の辛さを紛らわせるために歌われていた。5人で搗けば5拍子になるが、そんなことは気にせずに歌えるあたり、日本民謡の力を感じる。
どんぐり粉末ができたところで、小麦粉、砂糖、サラダ油と混ぜ合わせ、オーブンで焼いて完成した。どうせすぐに飽きて、私が一人で作る羽目になると思っていたが、子供たちは思った以上に楽しみながら、手伝ってくれ、頼もしいと思った。できたどんぐりクッキーは、格別の美味しさであった。
11月2日 ブギウギ
NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の録画をまとめて観た。しばらく観ていなかったのだが、気付けば主人公のスズ子は香川におり、自分が実の子ではないことを知らされ、打ちのめされていた。歌って踊って、楽しいだけのドラマだと思っていたが、振れ幅の大きいドラマで、見ごたえがあると思った。
一方で、そこまで深刻にとらえるべきなのだろうか、というのが、妻と私の一致した意見であった。例えば今、私が親から実は自分は実の子ではない、と言われたところで、何とも思わないし、本当の親に会いたいとも思わない。むしろ、育ててくれた感謝の気持ちのほうが大きい。更には、例えば妻が不倫をして子供を作っても、妻が私との関係を望む限り、私はその子を憎もうとは思わないし、普通にその子を育てようと思うだろう。
ブギウギを観ながら、そんな話を妻としていたが、そう思うにいたるきっかけのひとつが、おそらく新婚旅行で行ったブータンの影響だという話になった。ブータンでは、基本的に女系家族で、夜這いの文化がある。だから、母親から生まれた子供はすべてその家の子どもであり、父親が誰か、というのは頓着しない。そこにいればとりあえず、育てる、そんなおおらかな気風がいいなぁ、と思ったのを覚えている。
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