2025年
5月のつぶやき




5月27日 人体V

 ここのところ、シリーズで放送されているNHKスペシャル「人体V」が面白い。私たちを形づくる細胞の内部では、「細胞内キャラクター」と呼ばれる物質が、まるで意思を持っているかのように動き、それぞれの役割を果たしている。「細胞内キャラクター」は生物ではないが、それが集まってできた「細胞」は、生物である。

 先週放送された第三集によれば、地球に生きる動物、植物、微生物を含むすべての生物は、40億年前に偶然生まれたたったひとつの細胞「LUCA」(最終共通祖先:Last Universal Common Ancester)から発生したという。その根拠として、全ての生命は、共通した20種類のアミノ酸から作られている。確かに進化による分化の過程を遡れば、論理的には最終的にたったひとつの細胞にたどり着く。この事実を鑑みれば、地球外生命体の存在が疑われた時、それを構成するアミノ酸を調べることで区別できるかもしれない。

 LUCAを知って、まるで鬼滅の刃の鬼舞辻無惨の様だと思った。40億年前の地球で偶然生まれた極めて強力な原初の生命体は、多様化しながら増殖し、地球の隅々まで席巻していく。私たちは、LUCAが鬼舞辻無惨のように私たちに命令しているとは思わない。しかし、私たちがもつ欲求や本能は、LUCAの指令にその根源があるのではと考えることができる。そして、十分に多様化した私たちが滅びることはないだろう。ここでいう「私たち」とは、微生物も含めた地球に存在する全ての細胞のことである。


5月25日 マジカル頭脳パワー

 昨日、テレビで「マジカル頭脳パワー」をやっていたので、家族で観た。

Wikipediaによると、「マジカル頭脳パワー」は、1990年から1999年にかけて放送されてたクイズ番組で、最高瞬間視聴率は40.9%に達したという。小学生のころ、毎週家族で夢中で観ていた記憶がある。

 数十年ぶりに復活した「マジカル頭脳パワー」は、あのときと変わらず面白かった。優一は、あまりのばかばかしさに口に入った夕食を吹き出しそうになり、何度か席を外した。令和の時代に、下ネタを含んだものもあり、「さんぽ」を鏡文字にした映像が表示され、これの読み方を当てるクイズでは「ちん〇!」と放送禁止用語を絶叫していた。「さ」を鏡文字にすると「ち」になることを利用したクイズで、過去にも同じ問題が出たのをはっきり覚えている。

 クイズの形式といい、クイズの内容といい、秀逸で、怒涛の二時間であった。この番組で生まれた遊び「マジカルバナナ」は、今やしりとりやじゃんけんのように、子供たちの遊びとして定着している。今になって、「マジカル頭脳パワー」の凄さを実感している。


5月22日 レンタルショップの遅滞

 今日は、仕事が早く終わったので、帰宅してからジョギングに出かけた。ジョギングがてら、最近手持ちのTシャツがボロボロになってきたので、新しいTシャツを買おうと、家から少し離れたリサイクルショップに入り、500円のTシャツを二枚買った。

 会計の時に、ポイントカードにポイントを貯めてもらおうと提示したら、なんと家の近くのレンタルショップでの滞納があるので、ポイントが貯められないと言われた。店員によれば、30日程度滞納しているようなので、急いで確認したほうがいいですよ、という。

 帰りは、気が気ではなかった。レンタルショップで借りたDVDやマンガは、遅滞なく返却しているはずである。もしかしたら、サチコの部屋に未返却のDVDがあるのか、はたまた優一がコナンを借りて返していないのか。30日滞納したら、いったいいくらくらい請求されるのであろうか。そんなことを考えながら、家の近くのレンタルショップに駆けこんで、問い合わせた。

 結局、私が借りたマンガの返却が一日遅れており、そのぶんの支払いがまだであったとのことであった。請求額は330円であった。私は、遅滞なく返却したつもりであったが、私のミスなのか、店での返却手続きが遅れたのかは、今となっては分からない。とりあえず、330円で良かったと思い、支払って店を後にした。


5月18日 無題

 今年の2月末、ホワイトハウスにおいて、トランプとゼレンスキーが激しい口論をして、喧嘩別れになった。その様子は、テレビで観ていても痛々しいほどであったが、それでも実際の戦場で兵士が殺しあうくらいなら、会談の場での醜い罵り合いのほうが、どれほどましか分からない。

 いきなり話は変わるが、「千と千尋の神隠し」は、2001年9月11日の同時多発テロが起こる直前に公開された映画である。そのため、当時は世界平和とからめて語られることが多かった。2008年8月6日、ウクライナの女性歌手、ナターシャ・グジーがNHKの「視点・論点」で主題歌の「いつも何度でも」を歌った。宮崎駿は、著書「折り返し点」において、日本人が、東アジアのはずれの、緑がやたらに多い島の「土の人」としたうえで、以下のように語っている。

「東アジアの『土の人』としては、ブッシュとビンラディンの二人に殴り合いで決着をつけてほしい、という気分になるわけです。彼らは両方とも一神教だけど、こちらは神様に怒られることもなく、むしろ神様をお風呂に入れて元気にさせる、というぐらいの発想でやってきた島国ですから、その程度でカタをつけてほしいですよ。これ、日本政府から提案できませんかねェ」 

 今月16日、3年ぶりにロシアとウクライナが直接協議を行った。和平に向けた大きな進展はなかったものの、直接の話し合いが行われたこと自体は進展である。醜い罵り合いが再びあったとしても、現実の殺し合いに比べればなんということはない。戦争が終わるのであれば、プーチンとゼレンスキーが殴り合ってもかまわない。そして、私たち日本人は、一神教どうしの戦争にはある程度引いた目でみて、入れ込み過ぎないほうがいいと思う。




5月16日 AI

 先週のNHK「囲碁フォーカス」を観ていると、新たにプロ入りした2名の中学生棋士が紹介されていた。

 14歳の田中健太郎初段は、憧れの棋士をシン・ジンソ九段としたうえで、その理由を「AIの一致率が高いから」と言っていた。一方、もう一人の平田蹴初段は、「AIはあまり使わない」という。正解を見てしまうと、考えなくなってしまうかららしい。

 一見、対照的な考え方のふたりだが、今の子供たちの感覚を表していると思った。「AI」という、人知を超えた絶対的な存在があるということである。AIと同じように打てることが憧れの対象になり、一方ではAIの指す打ち方を「正解」ととらえ、これをできるだけ見ずに鍛錬する。

 とんでもない世界になったものである。


5月11日 ばらソース

 今週末は、祖父の一周忌のため神戸に行ってきた。叔母の家に、母、叔母、私の3人で集まり、昨年101歳で亡くなった祖父の一周忌とともに、祖母の13回忌の法要を行った。神戸の長田にある母の実家には、特別な思いがある。子供のころから、楽しい場所であり続けたが、1995年の阪神淡路大震災で焼け落ちた。再建したあとも、私にとっては明るく楽しい雰囲気の場所であり続けている。

 法要が終わった後、叔母の家に泊めてもらい、次の日は長田神社にお参りに行った。帰りに、私は「ばらソース」を買って帰ろうと思っていた。「ばらソース」は、長田の会社が作っているお好み焼きソースで、お好み焼きにこれをかければ、とたんに長田の下町の味わいになる。甘みを抑えたこのソースの希少性は高く、手に入る店は限られる。長田神社の商店街にあるユリアは、定休日であった。

 新幹線まで時間があったので、ネットの情報を元に、三宮駅の地下にあるスーパーに行き、ばらソースを見つけた。次の休日は、お好み焼きを作って、ばらソースをかけて楽しもうと思った。


5月5日 長崎旅行

 家族で、長崎へ日帰り旅行に行った。父がJR九州の株主優待券の一日乗車券を送ってくれ、これを活用させてもらった。特急リレーかもめで武雄温泉に行き、西九州新幹線に乗り継いで長崎まで行くルートである。長崎へは、以前からサチコが行きたがっており、結果的にサチコの小学校時代の修学旅行のルートを辿るような旅になったようである。

 長崎に着いたら、路面電車で大浦天主堂とグラバー園に向かった。長崎の路面電車は、大正時代に営業開始し、現在でも昭和初期に作られた車両が大事に整備されて走っている。運転席をみれば、今どきなかなか見られないレトロな仕組みがあり、その横に交通系ICカードが使える料金箱があり、古いものを大事にしながら現代に生かされているように感じた。

 グラバー園では、子供たちが池の鯉にえさをあげていたら、鳩が寄ってきてサチコの肩に止まった。なかなかないくらい、人に慣れた鳩である。サチコは、まるで「天空の城ラピュタ」で鳩にえさをあげるシータのようだと、満足していた。それを見た鳥好きの妻が自分もと、鯉のえさを鳩に与えて鳩を手に乗せて喜んでいたら、グラバー園のスタッフに注意されていた。優一は、鳩が怖いらしく、逃げ回りながら鯉にえさを与えていた。

 グラバー園では、入場券と一緒に、無料の写真サービス券を渡された。L判の写真が無料で進呈され、更に大きな写真が欲しければ有料になるという。撮ってもらった無料の写真は、L判の写真のうち、3x4pくらいの極めて小さいもので、しかも白黒であった。思った以上にしょぼい。一方で、1500円する有料の写真は、2L判で素晴らしい出来栄えである。いつの間にか、日本も東南アジアのような観光客の引っ掛け方をするようになったらしい。とりあえず、無料のL判の写真だけをもらってグラバー園を後にした。

 昼食のために出島ワーフに行くと、大道芸人がいた。優一が好きなマジックをやっていたので、見ていると、そのうち彼の得意な「バランス芸」なるものが始まった。三角コーンをあごに乗せてバランスを取った数でギネス記録に載っているという。脚立、包丁、三角コーンなど、あらゆるものをあごに乗せてバランスを取る芸は、トーク含め面白かった。彼の名はスマイリーシゲというらしい。

 出島ワーフで海鮮丼を食べた後は、眼鏡橋でチリンチリンアイスを食べながら、ハート型の石垣を探すなどしてのんびり過ごし、夕方の新幹線で帰路についた。ほとんど計画を立てず、行き当たりばったりの旅行が楽しかった。機会をくれた父に感謝である。


5月4日 賜物

 NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」の主題歌、RADWINPSの「賜物」が良い。現代的な響きとリズムは、複雑で今の若者向きである。私には歌える気がしないが、サチコはすぐに歌えるようになった。人類は、太古から未来にかけて、どんどん複雑な音楽を楽しめるように進化しているらしい。

 RADWIMPSの曲を知ったのは、映画「すずめの戸締まり」の主題歌であった。「賜物」を聴いた時、すずめの戸締まりの雰囲気やリズムと似ていると思った。久しぶりに、リコーダーで吹いてみたいと思った。

 編曲したら、非常に難しくなってしまい、何度も練習して、録音もしなおしてアップした。

「賜物」(NHK朝ドラ「あんぱん」主題歌)リコーダー4重奏
https://www.youtube.com/watch?v=OvkZfj0plk8


5月3日 名探偵コナン

 家族で映画「名探偵コナン 隻眼の残像」を観にいった。前にも書いた通り、優一がコナンにはまっており、優一が一番楽しみにしていた家族で自転車に乗って、家からちょっと離れた映画館に繰り出した。

 映画は、面白かった。なかなか人間関係が複雑で、私でも完全に理解できたとは言えない。鑑賞中、頭はフル回転であった。それでも、そういった難しいことが理解できなくても楽しめるよう、派手なアクションシーンが用意されており、大人から子供まで楽しめるようにつくられていると感じた。また、映画では司法取引の是非のような、社会的なテーマについても取り上げられており、コナンを観た子供が、将来の気づきを提供しているようにも思えた。優一が、毛利小五郎が活躍するらしいよと言っていたが、思った以上にカッコ良く、同じオッサンの私としてはちょっとうるっと来た場面もあった。

 前にも書いたが、名探偵コナンは、その設定自体にかなり無理がある。その無理な設定を受け入れ、楽しむことでその奥にある魅力に近づけるような感覚を持った。

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