2006年
1月のつぶやき




1月31日 入籍

 今日は、有給を取って区役所に婚姻届を出しに行った。婚姻届は、私がなんと「長男」の「長」という漢字を間違え、下の部分を「衣」みたいな字で書いてしまった恥ずかしいものだったが、もう一度届を貰って書き直すのも面倒だったので、二重線で直してそのまま提出した。

 昨日の夜は、馴染みのお好み焼き屋で飲んでいた。明日入籍することを話すと、還暦間近の常連客にビールをご馳走になり、色々な話を聞いた。私は最近、年を取ることに喜びを見出せるようになってきた気がする。こうして年配の方々と話していると、50代は楽しいんだと思う。無駄に力むことなく落ち着いており、世の中の仕組みも分かり、その仕組みを変える力も持っている。自己実現してるなぁと思う。しかし、その為には今を懸命に生きなければならない。

 この「つぶやき」を50年後も続けていることをイメージする。76歳の私は、「2056年のつぶやき」に金婚のことを書いているだろうか。そもそも、50年後はそんな悠長なことが出来るような平和な世の中であろうか。

 私は、鈴木輝昭氏の女声合唱「女に」の歌詞の一部を思い浮かべた。初めて聴いた時、その美しい歌詞とハーモニーに涙した記憶がある。

♪ともに生きるのが喜びだから
♪ともに老いるのも喜びだ
♪ともに老いるのが喜びなら
♪ともに死ぬのも喜びだろう

 私はそんな風に生きられるだろうか。これから私が試される。


 月島のもんじゃ焼き

 婚姻届を出した後は、ふたりで月島のもんじゃ焼きを食べに行った。駅を降りて手に入れた「もんじゃ焼きマップ」を見ると、おかしいくらいもんじゃ焼き屋があった。いちいち店を選り好むのも面倒な程である。

 もんじゃ焼きは、美味しかった。焼き方がよく分からなかったので、店員に教えてもらいつつ焼いてもらった。説明は合理的で分かりやすかった。

・キャベツを入れるときは、汁がこぼれない様ボウルを水平にする。
・汁が早く固まるよう、土手は出来るだけ広くとる。
・土手は、キャベツを多いところから少ないところに移動させて均等に作る。
・汁は一気に入れるのではなく、土手が決壊しないことを確認しながら入れる。

 当たり前のことなのに、いちいち納得してしまう。まるで人生の真理を聞いているような錯覚に陥った。

 しかし、もんじゃ焼きのくせに高いと思った。ベビースターもんじゃで900円。もはや子供の駄菓子では無いらしい。


 のだめカンタービレ

 その後は、ひとりで寮の近くのマンガ喫茶に行き、「のだめカンタービレ」(二ノ宮和子著)を読んだ。ピアノの上手い変態「のだめ(野田恵)」と、才能溢れる指揮者希望「千秋慎一」、ふたりの音大生を中心としたラブコメディであり、成長物語でもある。リコーダー部の人達が皆面白いと言ってたので読んでみた。

 「のだめ」という響きがまず面白い。何となく不潔な響きがある。私がこのマンガに引き込まれたのは、初回、ジャージ姿の「のだめ」が、ゴミだらけの汚い部屋でグランドピアノを弾いているシーンであった。「ゴミの山」と「ピアノ」、そのギャップに衝撃を受けた。

 その後も「のだめ」の生活はだらしなく、風呂もろくに入らず、服も換えず、ガスも止められ、隣の千秋に食事を与えられ、突飛な言動をし、それでも音楽の感性は鋭く、凄いピアノを弾き、優れた演奏に涙する。読みながら、学生時代を思い出していた。民研にも「のだめ」がいた気がした。

 とりあえず9巻まで読んだ。マンガ喫茶に行くのも初めてだったのだが、私は読むのが遅いせいで、1冊あたりの値段は232円。古本屋で買った方がよかったと思った。


1月29日 スーパーなマリオ

 衝撃的な映像を見た。ファミコンの名作「スーパーマリオ3」をわずか11分でクリアする映像である。彼女の職場の人が、ウェブ上で見つけて教えてくれたものらしい。

 私は、見るまでは下らないと思っていた。そんなことして何の意味があるのかと思っていた。

 しかし、映像は衝撃的だった。マリオは常にBダッシュで走り続け、ありえない動きをし続けていた。また、速く進めない強制スクロールの場面では、無駄に跳ね続け、1UPを繰り返し、クリアする頃にはなんと99人(?)になっていた。

 「そんなことして何の意味があるのか」という疑問は残るが、それは音楽でも絵画でも同じである。自己を高めたいと言う思いであるとか、見る人、聴く人に凄いと言われたい、感動してもらいたいという思いは恐らく同じであろう。彼は、この映像を取る為に、想像を絶する程の研鑚を積んだに違いない。

 かの映像はこちらである。18MB程度あるので、ダイヤルアップの人はかなり時間がかかると思われる。


1月24日 ホリエモン逮捕

 今日、ホリエモンが証券取引法違反で逮捕された。ライブドアによる一連の事件は、「ライブドアショック」と呼ばれ、日本中の株価を暴落させ、ライブドア株自体も1週間で63%下落し、監理ポストに入れられた。恐らく上場廃止は免れないであろう。メディアは、この事件を面白く描くことに必死である。

 しかし、一番面白いのは、悪いのはホリエモンでありライブドアなのに、なぜか自民党が責められていることである。

●「自民党が応援した罪は極めて重い。自民党の道義的責任を含めて徹底的に追及したい。」(民主党前原氏)
●「小泉内閣は、マネーゲームを助長する一方的な規制緩和を進めてきた。」(共産党)
●「堀江氏を広告塔として利用して膨れ上がった自民党の議席そのものが、粉飾決算。」(民主党前原氏)

 冷静に考えれば、これらの発言がおかしいことは子供にでも分かる。もう一度言うが、悪いことをしたのはホリエモンであり、ライブドアである。ホリエモンを応援していた頃、自民党はホリエモンが悪いことをしているとは知らなかった。

 悪い人だと知らずに応援したからと言って、応援した人まで悪人になる話など、聞いたことが無い。


 軟骨損傷

 先週末、スノーボードでこけた後、やはり胸が痛むので整形外科に行った。周りの人からは、恐らく肋骨の損傷であり、放っておく以外に治療法は無いということを聞いていたが、とりあえず現状把握をしたかった。医者に行くのは久しぶりで、恐らく会社に入ってすぐに歯医者に行ったきりである。

 医者では、肋骨の軟骨損傷と言われた。レントゲン写真では特に異常は認められず、状況からの総合的判断である。医者には、「来れる時にでも電気治療を受けに来てください」と言われた。正直な医者だと思った。「もう来なくても治るよ」と言っているのと同じである。とりあえず何らかの治療をしなければと思ったのか、わざとらしくシップを貼られ、氷で冷やされ、バンドで胸を巻かれて病室を出た。

 受付で金を払おうとすると、なんと金が足りなかった。バンド貸与の為の預り金を払わねばならなかったのである。近くのコンビニで下ろして払った。

 遅れて出社し、上司に状況を報告すると、「なぁんだ」という、つまらなさそうな答えが返ってきた。上司は、もっと大事になることを期待していたのであろうか。

 結局、付けていたバンドも胸が圧迫されて気持ち悪くなったので、外してしまった。まあ、大事に到らなくて良かった。


1月23日 スノーボードに行く

 先週末は、会社の人達と泊りがけでスノーボードに行った。金曜の夜は飲み会に行ったので、寝たのは夜の1時、土曜の朝は4時に起きて車で北上した。まるで学生時代のようなハードさで目指したのは、「宝の山」アルツ磐梯スキー場である。

 スキー場は美しかった。麓には猪苗代湖が見下ろせ、すぐ隣には「宝の山」会津磐梯山がそびえている。

♪ エイーヤー会津磐梯山は 宝の山 笹に黄金が エーまたなりさがる
♪ エイーヤー会津磐梯山は お洒落な山よ 湖水鏡に エーまた化粧する
♪ エイーヤーことしゃ豊年 穂に穂が咲いて 道の小草も エーまた米がなる

 有名な福島民謡「会津磐梯山」は、東北民謡とは思えない程垢抜けていて、景気が良い。そう思って調べてみると、「会津磐梯山」のルーツは、新潟の五箇浜という漁師町の踊りと民謡を、出稼ぎの油職人が持ち込んだものらしい。以前は盆踊り歌であり、踊りはアップテンポの激しいものだったという。漁師のノリであろうか。

 話が脱線したが、ともあれ絶景であった。そして、スノーボードはだいぶ滑れるようになった。

 しかし、2日目調子に乗ってスピードを出していると、勢いよくこけて胸を強打した。痛かったが、勿体無いのでそのまま滑った。

 次の日、まだ痛い。特に、笑ったり咳をしたりすると痛い。会社の人と話をしている限り、肋骨を折ったか、ヒビが入ったらしい。

 医者に行っても「治療法は放っておくこと」と言われるらしいが、現状把握の為に、明日にでも医者に行ってみようと思う。


1月17日 株を始める

 昨年の暮れ頃から、株を買い始めた。経済に疎い私にとって、株を買えば、少しは興味を持って経済のことを学ぶ気になれるのではないかと思ったからである。

 とりあえず、細野真宏氏の「世界一わかりやすい株の本」(文芸春秋)と、「経済のニュースがよくわかる本」(小学館)を買って読んだ。細野真宏氏にお世話になるのは、大学受験の数学の参考書以来、2度目である。

 本当に、感動的なくらい分かりやすい。この本では、上っ面の知識ではなく、考え方の土台となる重要なことを、クマさんやパンダ君等が面白く教えてくれるのである。

 とりあえず楽天証券の口座を開き、50万円だけ入金し、いくら「買い」が来ても、これ以上は投資しない事に決めた。そして、これから介護事業で価格破壊を起こしかねない勢いの居酒屋「ワタミ」と、こちらは半分冗談だが、丸山弁護士のデビュー曲「浪漫(ゆめ)」がヒットするかも知れないと思い、「コロンビアミュージックエンターテイメント」の株を単元株数(取引できる最小単位の株数)で買った。

 昨日見たら、総資産が51万5千円になっていた。もう1万5千円も儲けたと思うと、嬉しくなった。

 しかし、今日見たら、49万5千円になっている。ニュースを見たら、やはりライブドアの不祥事の影響で日経平均株価が大幅下落していた。ニュースでは「ライブドアの証券取引法違反事件を嫌気した売りが急増」とある。面白い表現だなぁと思った。

 それにしても、株を買い始めたおかげで、ライブドアが行った不祥事の仕組みも分かるようになった。大きな進歩である。


1月14日 光る寮

 今日、私の住んでいる寮が、「光る寮」になった。「Bフレッツ」が開通したのである。これまで回線の都合上ダイヤルアップしか使えなかったので、急激な進化である。利用するには、室内にVDSL装置というのを入れる必要があるらしいのだが、丁度リコーダー部の練習が入っていたので、寮のカギを開けっ放しにしておき、勝手に入ってやってもらうことにした。

 夜、四苦八苦して設定を終え、無事接続することが出来た。非常に速い。これまで「ウイルスバスター」のアップデートにも2時間くらいかかっていたので、大きな進化である。

 しかし、3月上旬にはに引っ越すので、つかの間のブロードバンドである。


1月10日 「のよさ」の里

 秋山郷栄村が、大変なことになっている。長野北部に位置するこの村は、度重なる大雪で道路が通行不能となり、孤立状態になったという。栄村に続く道の除雪作業は、今日丸1日かけて半分も進んでいないらしい。

 このニュースを聞いて、私は栄村の民謡「のよさ」を思い出した。「のよさ」は、間宮芳生の合唱曲で知ったのだが、主旋メロディの明るさと、和声の土臭さの対比が独特で、不思議な曲である。間宮は、この和声に栄村の風土の厳しさを込めたのかも知れない。「のよさ」の語源は「嫁をとること『の良さ』」から来ているという説があるが、民謡にしては文語的過ぎて、少々不自然だと思う。威勢の良い掛け声くらいに考えた方がいいと思う。

♪オラうちの衆は嫁をとることノヨサ忘れたか
♪忘れはせねど 忘れはせねど 稲の出穂みてノヨサ嫁をとる
♪稲の出穂みたら 稲の出穂みたら 今年一年ノヨサ辛抱すれ
♪辛抱すれ 辛抱すれ 今年一年 ノヨサ辛抱すれ
♪辛抱はするが 辛抱はするが ほんに今年はノヨサ耐えられぬ

 こうやって歌詞を改めて書くと、「辛抱」という言葉が異様に多い。辛い労働を紛らわす為に、他愛の無い歌を歌う民謡は多いが、大々的に我慢することを歌う民謡は珍しいのではないかと思った。

 ニュースでは、「栄村には米や漬物の蓄えが有るので、生活の支障は無い」という意味のことを述べていた。いまどき漬物が保存食として本来の役目を果たしているところに、伝統的な生活の知恵の底力を感じる。

 さすが栄村である。力強いなぁと思った。  


1月7日 電車マニアのDVD

 正月実家に帰ると、薄型テレビがあった。父が思い切って買ったらしい。しかし、私が帰ったとき、薄型テレビは使われておらず、父は20年位前のものでは無いかと思われる古い「カラーテレビ」を見ていた。父曰く、「薄型テレビはビデオ、DVD観賞用」らしい。

 その時、父からDVDを何枚かもらったのだが、その中に「四国の鉄道・ぐるり1周運転室展望ビデオA」というのがあった。「JR四国予土線Part-2 江川崎〜宇和島」とあり、四国の鉄道の中でも、その区間だけの運転席からの様子を延々と映すという、非常にマニアックなDVDである。鉄道好きの父も「滅茶苦茶しょうもなくて寝てしもた」と語っていた。

 今日それを見たのだが、意外にもワクワクした。画面には美しい単線の風景が延々と映っていた。私は小さい頃電車が大好きだったので、その頃の感覚が甦ったのであろうか。

 だからと言って、もう二度と見ないだろうなと思った。


1月4日 2006年最初のつぶやき

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 さて、2006年はいきなり体調を崩した。昨年末から調子がよくなかったのだが、昨日実家から帰る頃になって突然体調が急変した。新幹線のトイレで吐き、ほうほうの体で家に辿り着いたが、食欲が無く、即席お粥と茶漬けを食べてじっと寝ていた。私は風邪をひくと逆に食欲が増進するたちなので、食欲が無くなるまで体調を崩したことがショックであった。それでも前から楽しみにしていた「古畑任三郎」だけはしっかり見た。

 風邪の原因は、恐らく実家に帰ってぬくぬくだらだらとしていたことであろう。栄養も睡眠も十分な筈なのに、気の緩みで風邪をひく人体の不思議を感じた。翌日(今日)、風邪は嘘のようにすっかり治り、明日からがんばって仕事しようという気になってきた。「古畑任三郎」も、今日と明日見なければならない。

 いきなり家を決める

 上の「つぶやき」を書いていると、突然不動産屋から連絡があった。3月までには結婚して現在の独身寮を出るので、昨年のうちにインターネットで貸家を探し、気になる物件を見つけて不動産屋にメールを送っていたのである。住む家に関しては以前から話し合っており、大体の希望は決まっていたものの、まだ決めるのは早いと思っていた。しかし、せっかくなので、様子見として不動産屋に行き、話を聞くことにした。大体の条件は以下。

・所沢近辺
・2DK以上
・徒歩15分以下
・賃料8万円以下
・1階不可
・木造不可

 不動産屋に行くと、これからの時期は入れ替わりが激しく、いい物件を安く手に入れるなら今のうちだという意味のことを何度も言われたので、今日気に入ったものがあったら決めてしまおうと思った。

 決めた物件は、なんと3DKで6万6千円であった。しかも鉄筋コンクリート製である。管理費、駐車場込みで7万5千円。その他上記条件を満たしており、かなり満足であった。

 今年はかなりバタバタするだろうなと、寮に戻ってからふと思った。

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