2006年
7月のつぶやき




7月31日 祭の翌日

 パーティーの次の日は、浅草に遊びに行った。飲み会のとき、イラハが「明日も遊ぼう」と言っていたのである。メンバーは、イラハ、サクライサン、メグ、嫁、私の5人である。

 イラハによれば、他にも色々声をかけたらしいが、飲み会中あれだけ「行く行く!」と叫んでいたヤマダイはやはり連絡とれず、シゲオには「おれがどこに住んでると思ってるんだ!」と切れられ、思ったほど人は集まらなかったらしい。

 午後4時に雷門に集合し、だらだらと仲見世通りを歩いた。5時前に浅草寺に着いて、お参りをしていると、入り口が騒がしくなった。「5時で閉門」という。そして、5時きっかりになると、屈強な警備員が、逃げ惑う参拝者などものともせず「校門圧死事件」並みの勢いで門を閉めた。イラハと私はなんとか逃げおおせたが、他の3人は寺の中に取り残された。しばらくして、彼らは裏口から釈放された。

 その後は、おみくじを引いた。なんと、私と嫁はそろって全く同じくじを引いた。内容は惨々たるものであった。

・病気は治らないでしょう
・探し物は見つからないでしょう
・願い事は叶わないでしょう
・夫婦の心は通じ合わないでしょう

 ここまで断言出来る「浅草みくじ」に感服である。ちなみに、昨日の飲み会で「甘太郎」に置いてあった占いは

 「ちょっとした心遣いをすればあなたのポイントが上がるでしょう」

みたいなことが書いてあった。当たり前である。「これは占いではなく常識だ」と、思わず突っ込んだ。それと比べて、正座や血液型などの情報も無く、単なる「偶然」だけでここまで断定的な結論を出せる「浅草みくじ」は凄い。

 その後、「花やしき」に行ったが閉店間際のため諦め、「藪そば」で蕎麦を食べ、居酒屋で軽く飲んで、別れた。前日の大騒ぎとは違い、落ち着いて楽しんだ一日であった。


7月30日 お礼

 ご無沙汰しております。先週はしばらく体調が優れず、更新が滞っておりました。

 改めて、先週私たちのパーティーに来てくださった方々、本当にありがとうございました。  正式な結婚式をしない私たちが、このパーティーをやろうと思った一番の理由は、私たちが出会った場、そしてお世話になり、私たちを育ててくれた民研に感謝の気持ちを示し、大いに楽しんで頂きたかったからです。内輪の盛り上がりになることでよかったのです。計画当初は「村越」案、「大練」案まで浮上しておりましたが、検討の結果ボツになりました。

 和太鼓や八木節をやろうとも考えましたが、2時間という限られた時間の中で、久しぶりに出会う仲間と語らう時間を多くとろうということで、余興は最小限に抑えました。余興ではマシンガンズに新人女性が加わったこと、「笛部」と「リコーダー部」が共演したことなど、新たな「出会い」がありました。

 二次会は当初、渋谷の「甘太郎」で行う予定でしたが、竹馬の友イラハより「待った」がかかり、パーティーの3日前に変更となりました。その後も同期中心となって二次会を盛り上げて下さり、私たちが予想だにしなかった二次会となりました。感謝の気持ちは言い尽くせません。

 最終的にはいつもの様に朝まで飲んで、明け方牛丼を食い、機材やゴミがぎっしり詰まったマイカーの中でごみの様に眠りました。数時間眠った後、ほうほうの体で運転し、積み下ろしを終えると散乱した家の中でへなへなとへたり込んでしまいました。文字通り「祭の後」でした。

 これからも精進して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。


「和装を撮る」は以前和装の写真を撮りに行った時の「つぶやき」ですが、嫁の要望により公開延期となっておりました。今更ながら以下にアップします。

↓↓↓↓

(7月9日 和装を撮る)

 今日は銀座の写真館へ和装の写真を撮りに行った。嫁が以前より「和装を撮りたい」と言っていたのである。

 写真館に行くと、レストランのメニューの様に衣装一覧が渡され、ここから選ぶように言われた。女性の衣装はバラエティに富んでおり、ゆうに100種は超える。嫁は嬉々として選んでいる。対して男性の衣装はわずか3種、黒袴、白袴、そして「サムライスタイル」の3種で、店員は予め「サムライを選ぶ人はあまりいません」と釘をさしてきた。実質的には二者択一である。余計な苦悩をしなくて良い分、むしろ幸いである。

 ふと周りを見ると、他の男性も皆、一様に顔が冴えない。嫁に連れてこられた感が表情から感じ取れる。対して女性は皆、活き活きとしている。

 先に嫁が呼ばれ、着替えに行った。その10分後くらいに私が呼ばれた。そして、オバサンの慣れた手付きで黒の紋付袴が着せられた。

 かなり苦しい。呼吸がいつもの半分くらいしか出来ない。ほうほうの体で更衣室から出ると、嫁はまだ来ておらず、先に着替えていた新郎がいた。彼も黒の紋付袴で冴えない顔をしている。ちなみに次に現れた新郎も黒の紋付袴であった。

 まるで制服である。ここでは「男子は指定の紋付袴を着用の事」という規則があるのだろうか。

 しばらくすると嫁が現れ、撮影会が始まった。嫁はかなりハイテンションである。それに合わせるべく、私はよく頑張ったと思う。「目が虚ろだ」と嫁に指摘されつつも。私は作り笑顔が大の苦手なのである。

 最後、2ショットのアップを撮る時、私は最後だからと満面の笑みを浮かべようと、必死で顔を踏ん張った。踏ん張った瞬間、カメラマンが

 「ブハ!」

と吹き出して笑った。私はどんな顔をしていたのであろうか。私の「笑顔コンプレックス」は、さらに深まった。

 しかし、出来た写真を見て驚いた。虚ろな目をしていると思っていた私の表情は、それなりに見られる形で写っている。化粧が濃すぎると思った嫁の顔もきれいに撮れている。ちゃっちいと思っていた撮影所の小道具も本物らしく写っている。

 写真のプロの力を感じた一日であった。今日の写真は一生残るであろう。

7月18日 こども雑記

●秋田児童殺人事件で、米山豪憲君を殺害した容疑で逮捕された畠山鈴香氏は、長女の彩香ちゃんを殺害したという供述を始めた。

 嫌な予感を感じつつも、まさかそんなはずが無いと信じていた。畠山容疑者は動機について、「橋から帰ろうとしたら娘が駄々をこねたのでイライラして突き落とした」と話しているという。

 例え彼女にどんな過去があったとしても、許せないと思った。


●今日の「報道ステーション」では女子少年院のルポをやっていた。仙台のある女子少年院では、院生が主体でオペレッタ(歌劇)を作り上げ、父母に披露する機会を設けているという。少女たちは真剣に練習し、自分たちの思いを真摯に表現していた。彼女たちは、真剣に変わろうとしていた。しかし、それに対する親の反応からは、自分たちも変わらなければという気持ちが少しも感じられなかった。

母:「私たちにも責任はあるので云々」
父:「私もすぐかっとなって手を出してしまったりして云々」

 私は腹がたってしまった。「私たち『にも』」とは何事か。娘にも責任があると言いたいのであろうか。私は、10代の子供が非行に走る原因は100%親にあると思う。少なくとも、親はそう肝に銘じるべきだと思う。自分たちのせいで娘が非行に走り、周囲の人に迷惑をかけてしまった。自分たちのせいで娘を不幸にしてしまった。なぜそう言わないのか。

 子供を育てるという決意は、そうあるべきではないのか。


●いつだったか、「横峰パパ」は、

「娘のためなら自分は(娘に)嫌われてもいい。」

と話していた。この言葉を聞いて、「愛情」とは、相手のことを思うことなんだという、「当たり前」に気付いた。世の中の「愛情」だと思われているものの多くは、もしかしたら「欲望」なのかも知れない。「愛情」と称して、自分の欲望を満たしてはならない。横峰パパの話を聞いてそう思った。


●「文明崩壊」(ジャレド・ダイアモンド著・草思社)は、過去の事例を詳細に調査することで、文明の崩壊に環境が及ぼす影響を描いた本である。さらに本書は現代社会において環境問題がどう影響しているか分析し、崩壊を回避する為の方向性を示唆している。本書の最後、著者は

「希望の兆しが見えたからこそ、妻とわたしは十七年前に子どもをもうけることに決めたのだ」

と述べている。長い著作の中で、この一文が最も印象的であった。子供を作り育てるには、こういう決意が必要なんだと思った。


7月16日 アイロンが苦手

 私は、少年時代両親が飲食店を経営していた為、一応一通りの家事が出来る。必要な家事をしなければ、こっぴどく叱られていたのである。そのお陰で、休日に家事をこなすことはそれ程苦ではない。土曜日は嫁が出かけたため、洗濯、掃除をして本棚に湧いたカビを拭き取った。

 しかし、私が未だに出来ない家事がある。それは「アイロンがけ」である。気付けば、アイロンがけされずに数週間放置されたYシャツが部屋の隅に転がっている。このままではいけないと思い、嫁がやってみたのを思い出しつつアイロンがけをしてみた。

 まったく妙な感覚であった。熱した鉄の板で衣類を撫でたところで何も変化が認められない。世の中の主婦は何のためにアイロンがけをしているのであろうか。

 そのうち、アイロン台の足が折れて「ガコ」という音を立てて斜めになってしまったので、程々に終了した。

 とりあえず、訳が分からないままアイロンがけを終了し、たたんでしまった。依然としてアイロンがけの感覚は掴めない。


7月15日 スーパーサウルス考

 今日の「週間こどもニュース」では、恐らく地球誕生以来最大級の動物である「スーパーサウルスについてやっていた。彼の体重は推定40トン、体長約33メートル。アフリカ象7頭分の体重と大型バス3台分の体長を誇る。

 しかし、番組を見て感じたことは、巨体を持つ彼の、巨体であるがゆえの苦しみであった。

 彼はこんなに巨体にもかかわらず、人が歩く程度の速度でしか移動出来ない。しかも、足場のしっかりした地面以外は移動出来ず、万一ぬかるみ等に足を滑らせた場合は、怪我をしたり転倒して起き上がれなくなったりするという。

 彼は草食動物だが、歯の構造より食べ物を噛むことが出来ないため、木の葉や実をそのまま飲み込むという。ゆえに消化に時間がかかるため、更に巨大化して大量の食物を蓄えられるようにしなければならないという悪循環に はまっている。体重40トンの彼が一日に必要な食物はなんと500キロ。一日中木の葉を食べ続けていなければならないらしい。

 彼は、死後約1億5千万年に化石として発掘され「スーパーサウルス」という名誉ある名前を授けられ、さまざまな研究が行われている。しかし、「スーパーサウルス」というかっこいい名前とは裏腹に、彼の巨体であるがゆえの苦しみが感じられてならない。

 巨体を少しでも軽量化させるために、彼の骨は中が空洞になっているという。そんなことより、歯の形を進化させればよいのに、進化とは残酷だと思った。


7月14日 ジダン頭突き考

 ジダンの頭突きに関して、さまざまな人がさまざまなことを言っている。ジダンの行為を支持する人もいれば、非難する人もいる。それどころか、当事者であるジダンとマテラッツィの証言でさえ食い違いが生じている。私はサッカーをあまり見ないので、この事件がどのくらい重要で、どのように捉えるべきか、よく分からない。

 そんな中、私が目を見張ったのは、ジダンが放った攻撃がパンチでもキックでもなく、「頭突き」だったということである。問題の映像を見ると、ジダンはいかにもという感じで頭突きを放ち、マテラッツィはわざとらしいくらい無防備で頭突きを受け、仰向けに崩れ落ちた。

 まるでプロレスである。「頭突き」など、パンチやキックに比べて明らかに攻撃力は劣る。人間の喧嘩というのは、こんなに美しいものではない。マテラッツィが侮辱をしたことも、それによりジダンの怒りが一瞬最高潮に達したことも、嘘ではないと思う。しかし、その後のふたりの行為は、一流の「プロ」による演出であると思えてならない。だからこそ世界中を話題の渦に巻き込んだのである。

 一連の騒動で、一流のプロたちが観衆を楽しませる究極の奥義を垣間見た気がした。


7月9日 嫁のメイク

 今日はパーティーの為の嫁の「メイクリハーサル」なるものに付いて行った。

 付いて行ったものの、やることが無い。嫁もメイクさんもそんな私を察して、「寝ててもいいよ」と言ってくれた。私は近くを散歩することにした。近くに公園があったので、ベンチに腰掛けてしばらく昼寝をした。

 昼寝から帰ってくると、メイクはだいぶ出来上がっており、嫁はこっちを向いて「どう?」と聞いてきた。

 私は一瞬ためらったが、やっとのことで「きれいだよ」と答えた。しかし、髪はボサボサでどう見ても変である。これではまるで「サザエさん」である。それでもプロのメイクさんがやったのだから、私の目が間違っているんだろうと思った。よく聞くと、髪型はまだ途中で、これから仕上げに入るところらしい。完成した嫁はきれいになっていた。

 完成後、今度は

「顔の右半分と左半分、どっちがいい?」

と聞かれた。どうやら顔の左右でメイクを少し変えているらしい。かなりじっくりと観察したが、まったく区別がつかない。「分かりません」と答えると、メイクさんに「若者らしくない」と言われた。最近の若者は、これくらいの区別はついて当たり前らしい。

 人間に「見る」ことに対する感性と「聴く」ことに対する感性があるとして、明らかに嫁は前者で私は後者である。嫁はいい絵を見ると、それに対する感激を述べる事が出来るし、その絵がどのように書かれたかも推測することが出来る。私は漠然と「いいなぁ」と思うだけである。対して私は、小さい頃から誰に習うこともなく、調や和音の概念が何となく理解でき、今でもいいメロディを聴けば、それが何を表しているか何となく分かる。悪いメロディであれば、それが散漫と作曲されたことを窺い知る。

 話がそれたが、ともあれ私は嫁の顔の右半分と左半分の区別をつけることが出来なかった。こうなればもう「良い、良い」と答えるより他ないのである。


7月8日 リコ部+笛部練習

 今日は横浜で「リコーダー部」と「笛部」の合同練習を行った。この日集まったのは計8人、リコーダー部も笛部もここのところ常時4,5人くらいしか集まらないので、8人の演奏は迫力があった。

 この日のメインは、シラト編曲による「ドラゴンクエスト序曲」である。ドラクエ好きのシラトだけあって、こだわりの編曲となっていた。リコーダーでは盛り上がりに欠けるかなと心配したが、なかなか良い仕上がりとなった。リコーダー部のレパートリーである古典曲「Fairest Isle」も美しかった。吹き込めば吹き込むほどメロディや和声が映えるようである。

 笛部メンバーも皆社会人となり、最近ではなかなか集まれる機会が無い。当初からは相当形を変えつつ対応しているものの、正直限界を感じてきていた。そんな時にリコーダー部と知り合えたのは、私にとって幸いだった。リコーダー部の驚くべきことは、メンバーは殆どが社会人にもかかわらず、毎週練習していることである。そして常に新入部員を歓迎する。フレキシブルで無理が無いと思う。


7月2日 元に戻す

 ついに7月となった。暑いのが好きな私としては嬉しい限りだが、カビにとっても嬉しい季節らしく、寝室(和室)のカビと毎週のように戦っている。

 私たちはカビのことを「腐海」と呼んでおり、「腐海が攻めてきた」と騒いでは掃除機で吸い取る週末を過ごしている。しかし、最近ウェブで調べた情報によると、「腐海」を掃除機で吸い取ると、後ろの排気口から胞子が噴出され、部屋はさらに腐海に侵食されるらしい。

 今では

@こまめに換気する
A湿気取りを設置する
B衣類用防虫剤を部屋中にばらまく
C窓を開け、掃除機の尻を窓のほうに向けて「腐海」を吸い取る

などにより、多少は沈静化している。

 さて、今日はリコーダーのレッスンの帰り、髪を切りに行った。約3ヶ月ぶりに坊主刈りからスポーツ刈りに戻した。最寄り駅の床屋では、一般の調髪が1890円に対し、スポーツ刈りは2410円と割高である。仕方なく、この店独自の付加価値の高いスポーツ刈りがあるんだと思うことにした。

 しかし、手際は悪く、愛想も悪い。途中、「こんな感じでいいッスか?」と鏡を見せられたが、メガネを取ってくれないので全く見えない。面倒臭くなって「いいです」と答えたが、シャンプーした後や、顔剃りをした後も頻繁に鋏を入れており、往生際が悪いと思った。

 しかも、散髪が終わってメガネをかけると、私が思っていたスポーツ刈りとは違う髪形がそこにあった。何か変である。これが付加価値なのであろうか。

 やはり10分1000円が売りの「QB HOUSE」にしておけばよかったと思った。  

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