2007年
4月のつぶやき
4月25日 オトコ香る
今日、会社の売店で「オトコ香る」を見つけた。「オトコ香る」は、カネボウの新製品ガムで、噛むと体からいい香りが発生するという、これまでに無い新製品で、生産が追いつかず、何度も販売休止をしているという、いわくつきのガムである。値段は150円と少々割高。
早速買って食べてみた。すると、これまで味わったことの無い様な癒しの香が口中を駆け巡った。食べるだけでリラックス出来る。ひと時の間、仕事も忘れてガムによる快感に身をゆだねた。これまで味わったガムの中で、間違いなく一番美味しい。ちなみに次点はフィリックスガム。
博学の後輩Oによれば、この癒しの正体はバラに含まれる香気成分「ゲラ二オール」によるものだという。名前はいかにも怪しいが、この「ゲラニオール」が、毛細血管を通して汗腺から分泌され、体からいい香がするらしい。
噛んでしばらくすると、Oに「ゲラニオール臭い」と言われた。身も蓋もない言い方である。
早速このガムについて調べてみると、色々面白いエピソードがあった。以下その箇条書き。
・そもそも、香るガムのきっかけは、企画会議で追いつめられた一人の女性研究者が、「このガムは、カラダからも香ります!」と発言してしまったことに始まる。
・「オトコ香る」を開発した研究者が、試作したガムを食べて研究所のそばの銭湯に入ると大変なことになった。
・一枚では香の効果がよく分からなかったある消費者は、一箱全部食べてサウナに行った。
・すると小便がバラの香になった。
・屁もバラの香になった。
それにしても、お菓子に感激したのは久しぶりである。こんな面白い製品を作った開発者に脱帽!である。
4月23日 すずめとリコーダー
先週土曜、久しぶりにリコーダー部の練習に行った。場所は代々木公園で、私は一番乗りであった。いつものテーブルは空いていたが、5mくらい離れた別のテーブルでオッサンが昼寝をしている。少し迷ったものの、そのテーブルを陣取った。周りでは色んな楽器の音がしており、リコーダーくらいの音なら気にならないだろう。
ひとりリコーダーを取り出し、レッスンで練習しているテレマンのリコーダーソナタを吹いた。ハ長調第二楽章の速いテンポを吹き始めると、なんとすずめがやってきた。テーブルをせわしなく歩き回り、可愛らしい表情でこちらを見ている。そして、しばらくするとどこかに飛んでいった。
今度は、売店で買ったとんがりコーンをテーブルに置いて、再び同じ曲を吹いた。するとまたすずめが飛んできて、とんがりコーンを食べた。なんと愛らしい姿であろうか。
ふと周りを見ると、すずめ以外にもカラスとかハトとか名前の分からない鳥とかが私を囲んでいる。昼寝をしていたオッサンも、いつの間にか起きていた。
しばらくすると、まーさんとhiroさんとじゅりあさんが到着した。4人で吹いていると、またすずめが近づいてきた。私は、すずめの鳴き声に合わせて速いトリルを吹いてみた。すると、
私「ピロピロピロピロ」
すずめ「ちゅんちゅんちゅんちゅん」
私「ピロピロピロピロ」
すずめ「ちゅんちゅんちゅんちゅん」
なんとすずめと会話することが出来た。すずめがなんと喋っていたかは不明。しばらく続けていると、すずめの方が飽きたらしく、どこかに行ってしまった。
その後、かごちんさんとへいやーくんが到着し、マリオなどを練習して解散した。やはり公園練習は楽しいと思った。
4月15日 更に映画を見る
「ただ、君を愛してる」を見た。主演の宮崎あおいが好きなのである。宮崎あおいは、嫁も私も好きで、CM等で登場する度に
嫁 「あおいちゃんかわいいなぁ」
私 「かわいいねぇ」
嫁 「(こっちを睨んで)ムッ!」
という、極めて形式的なやり取りがある。
映画を見て、やはり宮崎あおいは凄いと思った。この映画では、彼女はスモックを着てメガネをかけた、風変わりであどけない女子大生、静流の役で登場する。とても難しい役である。垢抜けないのに華やかで純粋な静流のような人は、恐らく現実世界にはいない。それなのに感情移入できるのは、彼女の演技力に尽きる。映画「初恋」で見た宮崎あおいとはまるで別人である。
前にも書いたが、私はいかにも俳優や女優を引き立てるために作られた映画が嫌いである。この映画は、ストーリーはよくある切ない恋の物語であり、大して面白いものではない。しかし、この映画では、宮崎あおいの演技が、彼女の魅力だけではなく映画の魅力となり、映画の一本筋となった。
一方、もう一人の主演、玉木宏は、どうしても「のだめカンタービレ」の印象が抜けず、どことなく嘘臭く見えてしまった。これはひとえに私の先入観の問題であり、玉木宏に申し訳なく思った。
4月14日 映画を沢山見る
今週はクレジット付きの「TSUTAYAカード」が来たこともあり、映画を沢山借りた。
フラガール
「フラガール」は、閉山する炭鉱の町を救う為、ハワイを再現したレジャー施設「ハワイアンセンター」で少女達がフラダンスを練習し、町を再興する物語である。舞台は福島県いわき市、実話を元に作られた映画である。笛部練習の際、マツバラに強く薦められた。
実話であるというのが凄い。ハワイアンセンターもフラダンスも、現代の感覚からすればいかにも前時代的だが、当時からすればとんでもない発想である。「ハワイアンセンター」は日本で初めてのテーマパークであり、その後に続くフラダンスブームは、この「ハワイアンセンター」から発信されたという。
かつて、笛部でスーパーのステージに出た時、フラダンスチームが出場したとたん、方々からおじいさんおばあさんが集まってきたのを思い出した。フラダンスの好きな日本人は実に多い。そしてその原点は「ハワイアンセンター」にある。
「ハワイアンセンター」は「スパリゾートハワイアンズ」として現在に至る。HPを見ると、実に活気があって楽しそうである。いつか行ってみたいと思った。
メトロに乗って
「メトロに乗って」は、浅田次郎の小説の映画化である。浅田次郎は、「メトロに乗って」で吉川英治文学新人賞を受賞しており、彼が世に知られるきっかけとなった作品である。私にとってこの小説は、何回も読み返した大好きな作品である。
映画を見れば、小説を読みながら思い描いた世界がそこにあった。私の知らない昔の東京の風景、そして登場人物の表情も私が想像した通りである。
そんな風景を楽しみながら映画を見、最後のシーンは予想通り涙が止まらなくなった。しかし、小説を読んでない人には少しわかりづらいかも知れないと思った。
県庁の星
「県庁の星」は、「民間の知恵を学ぶ」という目的で、スーパーの研修に派遣されたエリート官僚と、スーパーで働くパート女性の物語である。
はじめは常識知らずのエリート官僚が「民間」で働くことで心を入れ替え、まともになる映画かと思っていたが、どうやらそうではない。
この映画が言いたいのは、違う立場の人間が分かり合うことの大変さと大切さであろう。この映画は、織田祐二が間違えていて、柴咲コウが正しいとは言わない。どちらにも非があり、言い分がある。
しかし、官僚体質だけは終始批判的に描かれており、舞台がスーパーということもあって、視点は実に庶民的である。公務員はこの映画をどんな風に見るのだろうか。
4月8日 さくらコンサート
今日は久しぶりに笛部でステージに出場した。所沢の航空公園で開かれる「さくらコンサート」に出場したのである。
演奏は午後3時からだったが、私たちは12時に集合し、いきなり花見をした。桜は丁度満開で、これから散り行くところである。ステージが控えていることも気にせず、昼間からビールを飲み、大いに花見を楽しんだ。
そして、ほろ酔いで練習をした。練習していると、色々な人に話しかけられた。みんな、リコーダーをやっていることを珍しがり、暖かい言葉をかけて下さった。その際、必ず「学生さんのサークルですか?」と聞かれた。人によっては「高校生の部活?」と聞いてくる人もおり、私たちは実年齢よりも若く見られたことを喜んだ。会社では「とても20代に見えない」と揶揄される私も、笛を持つと若返るのか。それにしても高校生は言い過ぎである。目の前のビニールシートにはビール瓶が転がっている。
ステージは、緊張したが楽しかった。特に「スーパーマリオ」はみんな面白がってくださった。最後に演奏した「見上げてごらん夜の星を」は、一緒に歌を口ずさんでくださる人もおり、演奏しながらかなり励まされた。
やってよかったと、心から思った。笛部結成から約8年。学生時代とは違い、みんな違う所に住み、違う仕事をしている。だんだんみんなの都合は合わなくなり、練習もままならない。しかし、ステージに出ると本当に楽しい。満足のいく演奏にはなかなかならないが、それでもステージに向けて、演奏がひとつになっていくのは楽しい。
コンサートが終わったあと、皆で音響機材等の片付けをするのだが、積み込みのトラックがなかなか来なくて1時間くらい暇であった。私たちは「缶蹴り」「いっせーのせ」「ドラクエごっこ(?)」などばかばかしい時間を過ごしていた。
それらも飽きてぐったりした頃、積み込みのトラックが来た。ドラックから出てきたのは、なんと若い女性2人だった。恐らく私たちより若い。彼女らは、重い音響機材を効率よく積み込むために、てきぱき指示を出しつつ自身も重い機材を上げ下ろししていた。彼女らの指示により、音響機材は効率よく積み込まれた。その業界ぽさがかっこいいと思った。
しかし、やがて将棋の終盤戦のようになってきた。勢いだけでは積みきらない。硬直状態がしばらく続き、疲れは増してきた。
その時、風が吹いて、桜の花びらが雪の様に舞い散った。本当に美しく、そこにいた全員がその光景に見とれた。この光景を見るためにここにいると思えば、なんと得をしたことだろうと思った。年に1回、ほんの一瞬しか見ることの出来ない美しさである。
その後は、例の如く「餃子市」で北京ダックを食べ、解散した。
4月6日 肉
今日の夜、仕事をしていると、後輩Oから「焼肉などどうか」という提案があり、即座に乗った。嫁は会社の新人歓迎会らしく、今夜の夕食は各自である。メンバーはO、N、私の3人。駅の近くにある韓国料理店に行くことにした。
行きがけ、まだ仕事をしていた後輩Eも誘おうということになり、私はメールを送った。以下、そのやりとり。
私:件名 "無題"
本文 "肉"
E:件名 "Re:無題"
本文 "肉ですか・・・8時バスになりそうなんですが"
私:件名 "Re:Re:無題"
本文 "韓国で待つ"
結局彼は8時バスに乗れず、9時前に現れ、チゲを注文した。その頃には私たちはほぼ満腹となっていたが、他愛も無い話をして楽しい時間を過ごした。
それにしても、こんなに簡潔なメールを送ったのは初めてであった。
4月5日 角煮週間
月曜日、西友に行くと、なんと豚バラ肉が100グラム78円であった。迷わず約1キロ購入し、大根、ニンジンと共に豚の角煮を作ることにした。豚の角煮は、何度か作るうちに得意料理のひとつとなっている。
まず、塊ごとフライパンに乗せ、強火で焼く。全面に焦げ目が付いたら、そのまま圧力鍋に入れ、水、にんにく、しょうが、ねぎを入れて20分間加圧する。その後、急冷して肉以外を捨てる。肉は大きめに切り、大根、ニンジンと共に再度煮込む。味付けは適当。
約1時間後、大量の豚角煮が出来た。誠に美味しい。今週のおかずは、毎日豚角煮である。
4月1日 リコーダー部花見大会
エイプリルフールはリコーダー部の花見大会であった。皆で料理や酒を持ち寄り、葛西臨海公園に集合した。日中は暑かったので、桜の木の下ではなく、日陰ができた常緑樹の下で「葉見」が始まった。
面白かったのは小学生教師、なぎささんの得意技「ダブル鼻リコーダー」であった。なんと、両手にソプラノリコーダーとアルトリコーダーを持って、同時に鼻でリコーダーを吹くという離れ業である。クラスでも「きも〜い」と、評判らしい。左右の鼻息のバランス及び指の微妙な位置等、入念な調整を行った後、彼はおもむろに笛を吹いた。
次の瞬間、完全5度で気持ち悪くハモった「チャルメラ」が鳴り響いた。演奏時間は約3秒。あたりは爆笑の渦に巻き込まれた。
その後も「両鼻で笛を吹きかつ『チューリップ』を歌う」等、彼の探求は止まることを知らず、さまざまな奏法を開発していた。そして「(鼻リコーダーは)出来る出来ないではない。やるかやらないかだ!」と叫んでいた。
花見の間、皆がずっと気にしていたのが、ワインがあるにもかかわらず、ワインオープナーが無いことであった。これではジョンさんが持ってきたギリシャだかトルコだかのワインが飲めない。部長が他の花見客と交渉し、ワインオープナーを借りる代わりにリコーダーの出張演奏をすることで交渉成立した。
我々は、30mくらい離れた花見客のところにぞろぞろ出張し、「スーパーマリオ」と「ドラクエ」を演奏した。彼らは皆テンション高く、我々の演奏は絶賛された。また、道を歩いていた3人の子供たちが、声を揃えて「上手ですね〜」と讃えてくれた。やはり演奏を褒められるのは嬉しい。
そんなこんなで笑っているうちにあたりは薄暗くなってきたので、解散した。楽しい一日であった。
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