2009年
2月のつぶやき




2月28日 2月最後の日

 2月最後の今日は職場の元後輩の結婚式であった。彼とは元々同じ寮に住んでおり、近所で頻繁に飲み食いしたり、このように巨大広島焼きを食べたりしていた。彼は1年半ほど前に異動しており、今回の結婚式では当時のメンバーが集まる形となった。

 挙式は、チャペル式であった。新郎の元に向かう新婦の父を見ると、いつも心動かされてしまう。娘を嫁に出す父の気持ちというのは、恐らく複雑であり、それをぐっとこらえる新婦の父の表情は崇高に見えた。

 披露宴では、かつての職場のメンバーが揃い、懐かしい感じがした。そういえば昔はこんな雰囲気だったなぁとしみじみ思った。上司から後輩まで全員が印刷技術者であり、受付で渡された冊子を見ては、写真柄の印刷再現がどうのこうのとか、披露宴後に手渡されたチョコ(新郎新婦のイラストが印刷されている)を見ては、包材の印刷はナントカ方式だとか材質はどうだなどと活発な議論を交わした。こんな雰囲気も、技術系職場の独特さがあっていいなぁと思った。

 新郎は、はちきれそうな笑顔であり、とても幸せそうであった。新婦も控えめながら幸せそうな表情をしていた。二人の幸せを祈る。


 家に着くと、妻が今日は一日だらだらと過ごしてしまったなどとぼやいていたので、外を走ってみたらと話したところ、一緒に走ることになった。約4キロ離れた隣駅まで走って往復し帰宅した後、近所に住む職場の人に教わった串揚げの店に行こうということになり、約1キロを走って串揚げ屋に向かった。残念ながら串揚げ屋は閉まっており、西友で買い物をしつつ走って帰宅した。

 10キロ近くも走り、結局家で「スーパーねこまんま」と呼んでいるご飯を食べた。今日の「スーパーねこまんま」は、ごはんに生卵、とろろ芋、かつお節、とろろ昆布、ゴマの乗せて、醤油をかけて食べる豪華なねこまんまである。食べてみると、凄くおいしい。またひとつ、簡単で美味しいレシピが増えた。

 そんな風にして2月最後の日は終わった。明日から3月、春はすぐ近くである。


2月27日 あかし屋のこと

 先日、あかし屋のお客様だった方からメールを頂いた。あかし屋は、私の両親が経営していたお好み焼屋で、私が中学生の時に父が脱サラをして始め、私が就職した後に閉店した。閉店のことは2004年5月の「つぶやき」に書いており、それを見てメールをくださったと思われる。

 久しぶりにあかし屋のことを思い出した。あかし屋は私の学生時代とともにあり、そこで得た売上げの多くは、私や妹の養育費となった。メールを見て、私が大学まで進学できたのも今の私があるのも、あかし屋で働いていた両親は勿論のこと、あかし屋で食べてくれたお客様がいたからだということを改めて感じた。

 その頃の習慣からか就職後、独身のころは毎日の様に馴染みのお好み焼屋で食べていたし、結婚してからも週に一度くらいのペースでお好み焼を焼いている。お好み焼だけは、毎日食べても飽きることがない。ただ、美味しくないお好み焼には人一倍敏感でもある。

 ホームページを長くやると、たまにこういう嬉しい出会いがある。


2月24日 中間報告

 今年の目標が若返りであることは前に述べたとおりであり、それに向けてさまざまな取り組みを行ってきた。なお、勘違いする人がいるが、私の目標はあくまで若返りであって、カッコこよくなりたいとか、オシャレをしたいというものでは無い。これまでの取り組みは以下の通り。

 ・コンタクトレンズの着用
 ・美容院での調髪
 ・化粧水、美容液の使用

 以上の取り組みを行った結果、実年齢29歳に対し、31歳〜33歳程度に見られることが多くなった。昨年末時点で40歳前後であったので、8歳程度若返ったことになる。十分に目標達成しているが、せっかくなのでもう一歩やってみたい。今後の検討品目は以下のとおり。

 ・目のくまを消す
 ・茶髪にする

 なお、これらの取り組みについては、自分に深刻なコンプレックスや悩みを持っているというよりは、これまで経験したことの無い世界に対する興味のほうが強い。これらの取り組みを行いながら、あまり真剣にやりすぎるときりが無いと思った。アンチエイジングの手法は、星の数ほど多い。


2月23日 走る妻

 最近、妻が走ることに目覚めた。本来インドア派の妻が、休日は家の周りを10キロ近く走ったり、通勤で最寄り駅まで走ったりしている。

 私の家から最寄り駅までは1キロ程度あり、最寄り駅までは一緒に歩いていたのだが、最近は走って通勤することになった。別に時間ぎりぎりという訳ではないので、駅で5分程度まったりしてからそれぞれ逆方面の電車に乗る。勿論、妻は帰りも走って帰ってくるらしい。

 私は、色々なことにすぐに興味を示すが、一度決めたことでも、疲れていたり面倒臭かったりすると、すぐに諦めてしまう。対して妻は、一度決めたことについては、日々の習慣にしてきっちりこなしている。このあたりは、見習わなければならないことだと思う。


 そんな妻は先週末、走って近所のアウトレットショップに行き、電子レンジでポテチが作れる調理器を買ってきた。なんと、ジャガイモをスライスして専用の調理器に並べ、10分程度電子レンジで加熱するだけでポテチが作れるらしい。油を一切使わないため、低カロリーでヘルシーである。ポテチが大好物の妻は、これでより健康的にポテチが楽しめると喜んでいた。

 食べてみると、カリカリして美味しい。昨日は塩味、今日は醤油味とコンソメ味を作った。しばらくは楽しめそうである。


2月22日 習い事

 最近、平日の夜に太鼓を習い始めた。三宅島の芸能、神着木遣り太鼓である。家の近所で教室を開いていることを知り、始めようか悩んでいたのだが、2月から通うことにした。

 木遣り太鼓には特別な思い入れがある。学生時代、メイン曲として取り上げ、三宅島で「午頭天皇祭」を見に行ったり、「民宿つむら」で教わったりした思い出は今でも強烈に残っている。打ち方は、10分もあれば誰でも覚えられるほど簡単なのに、極めようとすると奥深い。そして、野性味溢れるリズムはいつまで聞いても飽きない。

 これまで2回参加したが、やっぱり楽しい。2時間練習しただけでへとへとになるが、とても充実感がある。それにしても、平日の夜に習い事をするなんて、まるで都会のOLのようだなぁと、我ながら思った。


2月20日 謝る

 最近のニュースを見ていると、謝るということについて考える。最近よく報道されているのは、G7後の記者会見でもうろう会見をした中川元財務相、そして香川県立病院で受精卵を取り違えた川田医師である。

 本人は否定しているが、中川元財務相によるG7後のもうろう会見の原因は、明らかに酒であろう。海外メディアはそういう前提で報道をしている。酒を飲み過ぎてああなってしまったと、素直に言えばいいのにと思う。一回行ってしまった失敗は元には戻せない。誰でも失敗する。ハメを外しすぎたため、図に乗りすぎたため、或いは能力不足、失敗の理由は色々ある。その時に「俺が悪かった」と堂々と言うか否かで周囲の反応は大きく変わる。本当のところはどうであれ、一連の中川氏の様子からは、仕事に対する誇りや真摯さは感じられない。

 一方、川田医師の記者会見は、誠意を感じるものであった。作業台にシャーレを2つ置いてしまったことについて、「気の緩み」と素直に認め、謝罪していた。致命的なミスを犯してしまった事実は元には戻せない。しかし、言葉の端々から川田医師が誇りを持って仕事をしていたことは感じるし、決して嘘をついたり人を愚弄したりしない人だということは強く感じた。

 自分が失敗をしたとき、言い逃れをしようとしてはいけないし、決して人のせいにしてはならない。堂々と自分のせいだと言うべきである。今後、更に責任ある立場になっても、自分がこの姿勢を貫けるか、貫けるようにしたい、最近のニュースを見ていてそんなことを考えた。


2月16日 インフルエンザ考

 昨年、久しぶりにインフルエンザに感染したことは前に述べたとおりだが、一番驚いたのはタミフルの効能であった。初めて飲んだのだが、タミフルの効果は絶大である。普通の風邪と同じく、3日もすれば回復した。

 一方、予防接種を受けた後輩の話。どうやら予防接種を受けても発病することがあるらしく、その際は若干厄介である。

・症状が軽いため、発症に気付きにくい。→タミフルが効く発病後48時間以内を過ぎてしまう。
・症状が軽いため、熱が上がらない。→ウィルスを追い出す熱量が足りないため回復が遅れる。

 後輩によれば、わざわざ熱を上げる薬を飲み、厚着をして布団にくるまって熱を上げたという。予防接種により、発病の確率は減るものの、色々問題もあるんだなぁと思った。


2月11日 美容院へ

 生まれて初めて美容院に行った。本当を言うと、あまり行きたくはなかった。10分1000円の「QBハウス」なら「スポーツ刈り」と言って座っていればいいので気楽だし、安い。それでも、何事も経験することが大切であり、せっかく新しい経験が出来るような目標を立てたのだから、行ってみようと決心した。

 美容院の前で、多少ひるんだ。店構えはどうみても女性的である。それでも、もう後には引けないので入った。

 中の雰囲気は、床屋とは全く違っていた。客と美容師は、髪型をどうするかについて活発な議論を交わしていたり、他方では他愛も無いおしゃべりをしていたり、にぎやかである。

 私はといえば、下に書いたとおり、ヘアカタログはよく理解できなかったので、以下の要望を伝えることにした。

・出来るだけ短い髪型がよい
・手入れに時間がかからない髪型がよい
・多少伸びても変にならない髪形がよい

 すると、美容師はカタログを持ってきて色々教えてくれた。はじめ、「『おしゃれボウズ』にしますか?」と聞かれたが、ボウズは嫌だと思い断った。議論の結果、方針が決まり、カットが始まった。私は、切ってもらっている間も髪を洗ってもらう間もつい肩に力が入ってしまい、「楽にしてください」と何度も言われた。意識的に楽にしようとするが10秒と持たない。「雑誌を読んでてもいいですよ」とも言われたが、目が悪いためろくに読めない。

 カットとシャンプーが終わり、「ワックスを付けてみますか?」と聞かれた。「ワックス」のイントネーションは、床にツヤを出すワックスとは違い、「クス」の方にアクセントがある。ワックスとは、髪に塗ることで束ねて跳ねさせたり自在に髪型を作れるクリームのことらしい。大げさに言えば、孫悟空のような髪型になるのである。これも経験だと思い、つけてもらうことにした。

 終わって鏡を見て驚いた。似合う、似合わないは人が判断することであり、私には分からない。しかし、髪を見れば、非常に丁寧に切ってくれているという感じがする。これまで髪型に頓着したことがないだけに、新鮮な驚きを感じた。


2月10日 メンズヘアカタログ

 生まれて初めてヘアカタログを買った。今年の目標が若返りであることは年初に述べたとおりだが、そのためにはまず美容院に行かねばならないとのことであり、美容院に行くにはヘアカタログが必要とのことであり、興味は無いものの買ってみたのである。

 読んでみたが、全く理解できない。専門用語が多すぎるのである。例えば以下。

「髪の毛はフォワードに向けてドライし、最後にハードタイプのマットワックスをねじりながら髪につけて立たせる」
「セイムレイヤーでカットすることで丸いフォルムになり、柔らかさが出る」
「トップやサイドにチョップカットを施して毛先に動きを出す」

 ??なんのこっちゃさっぱり分からない。全く訳が分からず、本を閉じた。とりあえず、明日美容院に行ってみるが、かなり緊張している。


2月9日 NHKスペシャル

 今日、テレビを付けたら、NHKスペシャルで「職業“詐欺” 〜増殖する若者犯罪グループ〜」をやっていた。詐欺に手を染める若者を追ったドキュメンタリーである。ひとめ見た瞬間、物凄い気迫が伝わってくるような気がして、画面に釘付けになってしまった。

 今日を過ごす金が見つからなくて詐欺に手を染める若者、そんな生活苦の失業者を使って危険な仕事をさせ、多額な報酬を得る詐欺グループのリーダー、そして、振込み詐欺に会い、貯蓄をほとんどを失った老夫婦、罪の意識を全く持たず、「だまされる方がバカ」と言って憚らない若者…。この番組ではさまざまな視点から詐欺が描かれている。

 もちろん、詐欺行為は犯罪であり、悪である。しかし、この番組の根底に流れている主張は、詐欺師が悪いとかいうことでははく、そんな悪人を生み出す要因が現代日本の生活環境、社会制度にあるということであろう。みんなが中流階級だった時代は終わり、セレブか乞食かのどちらかに分けられる。そのとき、どちらに行きたいかと言われたら、自ずと判断は決まる。そしてそれが詐欺をする原動力となる。これはある詐欺グループのリーダーの言っていたことである。表現が大げさではあるものの、現代日本を行きぬく方針として間違っているとは思えない。(良い悪いは別として、理論として)

 番組でも、家族を養うために詐欺を行う人が現れる。自分が乞食になるか、他人を突き落としてでも豊かな生活を手に入れるか。こういったことは、例えば企業の派遣切りなども同じ問題であり、私たちに関係ない世界の話だと思うことは出来ない。

 NHKは中立な放送を要求されるため、例えば「サンデージャポン」のような、何がいい、何が悪いと言った明確な主張はしない。それでも制作者の主張は、密かに、しかし強烈に込められていると思った。


2月8日 週末に買った本たち

 土曜日、ヤフオクで買ったドラゴンボールが来た。ドラゴンボールはかつて全巻持っていたものの、売ってしまった経緯があり、やはり読んでみたく、オークションで買いなおしたのである。42巻送料込みで6千円。

 久しぶりに読み返したが、やはり面白い。以下、一巻より悟空とブルマが語り合うシーンを抜粋。

悟空「オラ赤んぼのころに山にすてられててよ。それをじいちゃんがめっけてひろってくれたんだ。へへへへー」
ブルマ「シッポがはえてたからすてられたのね。きっと…。それにしてもあんた暗い過去を明るくうちあけるわねー」
悟空「おまえは胸がシリだからすてられたのか?」
ブルマ「しつこいわね!!シリじゃないっていったでしょ!!だいたいわたしはすてられてないわよ!!!」

 妻とげらげら笑った。これまで女というものを知らず、「パンパン」しないと区別がつけられない悟空、「嫁にもらいにきてけろ」と言われて「くれるんならもらいに来るぞ」と答える悟空。本当に愛らしい。


 話は変わり、この週末は「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド著、倉骨彰訳)も買った。この本は、なぜ、文明の発達は大陸によって大きく異なり、現在の形になったのかを記した本である。例えば16世紀頃からヨーロッパ諸国が世界各地を植民地化し始めたが、なぜ逆の現象(アメリカ先住民がヨーロッパを侵略するなど)が起こらなかったのか。なぜアボリジニは青銅器を作らなかったのか。なぜ世界は、現在のような形で富が分配されているのか。

 これらの結論は本書の最初に書かれている。「歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない」(本書プロローグより) すなわち、人種による能力の優越ではなく、地形や植生、気候などの要因により、現在のような世界になったというのである。ちなみに、タイトルの「銃・病原菌・鉄」は、ヨーロッパ人が世界を侵攻するにあたって使用したものである。なお、意図的ではないにせよ、ヨーロッパ人により持ち込まれた病原菌により亡くなった先住民は、銃で殺された人数よりもよりもはるかに多いという。

 内容は、分かりやすく面白い。合間を見つけて少しずつ読み進めている。

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