2009年
4月のつぶやき
4月25日 虫の季節
暖かくなるとともに、我が家にも虫が増え始めた。毎年のことながら春の息吹を感じる。トイレに行けばハート型を逆にしたような形の小バエがちょこんと座っているし、その天井ではクモが巣を張って待ち構えている。床にはだんご虫が這っており、春が来たという実感が湧く。
我が家は、殺生を好まない。妻は、だんご虫が這っていても可愛らしいと言って放置しているし、私もクモと小バエを見ながら食物連鎖を想像したりする。新婚旅行でブータンに行って以来、特にその傾向が強まった。ブータンでは、輪廻転生の思想が浸透しており、虫や動物も前世は自分のご先祖様かもしれないと考える。だからブータンでは、ハエや蚊を叩くことさえ嫌われる。
これからは、生ゴミもこまめに捨てなければならないなと思った。
4月17日 ボウリングと血液型
今日は、仕事の帰りに妻と駅前のボウリング場でボウリングをした。今月末、妻は会社のボウリング大会があるとのことで、肩慣らしをしておきたいとのことである。
私は、ボウリングが苦手である。もちろん、妻のほうが上手であり、3ゲーム中2ゲームは妻の圧勝、残りの1ゲームは私の辛勝であった。
プレイしながら、ボウリングというゲームは、A型向きではないかと思った。ボウリングは、極論すれば、ストライクが出たときの投球と全く同じことが毎回出来れば、毎回ストライクになる。実際はカオス理論などによりそうとも限らないが、概ねそうである。だから、同じことを根気よく出来る人が上達する。安定志向で几帳面なA型に向いていると思われる。A型の妻は、判に押した様に毎回同じフォームで投げていた。
一方、AB型の私は、色々な投球方法を検討してしまう。上手くいかなかったら次はこれ、と、投げ方をころころと変えてしまうせいで、安定した投球が出来ない。そうと分かっていても、なかなか同じ投球を続けることが出来ない。
血液型の問題ではないかもしれない。とにかく、私はボウリングがなかなか上達しない。
4月12日 成田太鼓祭
今日は、シゲオと成田太鼓祭に行ってきた。成田太鼓祭は、全国の太鼓が一堂に会して演奏するイベントであり、さまざまな太鼓を見ることが出来る。
いちばん驚いたのは、「大治太鼓尾張一座」の演奏であった。尾張地方に300年位前から伝わる神楽太鼓がベースになっているのだが、その演奏は、バチを回したり投げたりと曲芸のような鮮やかさなのである。芸能太鼓曲の中でも異色中の異色である。それでも創作曲とは違い、リズムや篠笛のメロディから独特の土臭さを感じられる太鼓曲でもある。大好会でも取り上げてみたいと思っていたが、あまりに凄すぎて手が出ない。
動画→http://jp.youtube.com/watch?v=9PeSkTCxd80
銚子大漁囃子もやっていた。久しぶりに見るはね太鼓はやはり面白い。はね太鼓は、二人で宮太鼓をかついで回転しながら叩くという、独特の曲である。そして、転がったり(時にはあばらを折ったり)しながら叩く、荒々しい曲である。見ているぶんには楽しいが実際にやると本当にしんどい。はね太鼓をさんざん練習したシゲオは、はね太鼓を見て「楽しそうだけどやりたくねぇな」と言った。
動画→http://www.youtube.com/watch?v=jAuJ4EUwc-g
その他、八丈太鼓、三宅太鼓、高校生の太鼓部の演奏などを見て、成田をあとにした。やはり、地方に伝わる伝統曲が楽しい。創作曲は、いくら斬新でも想像の範囲内である。しかし、伝統曲の多様さは想像をはるかに絶する。地域の風土と長い年月が、創作の域を超えたものを生み出しているようである。
成田といえば、空港くらいしか思いつかなかったのだが、意外に風情のある町だということを知った。成田山への参道は古い家々が立ち並び、特にうなぎ屋が多い。昔から利根川や印旛沼で取れた鰻を食べていたらしく、風情のあるうなぎ屋が何軒もある。普通に観光としてきても楽しめる。
というか、成田が千葉県のど真ん中ということも初めて知った。国際的には「TOKYO NARITA」で通っているだけに東京寄りかと思っていたが、銚子と東京のちょうど中間くらいである。
また来ようと思った。
4月8日 新生活と「埴生の宿」
少し、センチメンタルな気分になっている。就寝時、布団の中に入ってからも余計なことをもやもやと考えてしまう。頭の中では常に「埴生の宿」のメロディが流れ続けており、ちょっと物悲しい気分になる。
新しい生活を始めるにあたり、期待と不安が入り混じっている。期待と不安のどちらが大きいか、と聞かれたら、圧倒的に不安のほうが大きいと答える。だから自分は弱い人間なんだ、などとは思わないようにしている。多くの人は誰だってそうなんだと思うことにしている。桜を見て少し悲しい気持ちになるのは、これまでの人生において、桜の季節にこの経験をすることが多かったからであろう。転校、進学、就職、全てが桜の季節と共にある。人びとが花見などをして騒ぐのは、もしかしたらこの何ともいえない物悲しさの裏返しかも知れない。
それにしても「埴生の宿」が思い当たるなんて、我ながら古臭いなぁと思った。「埴生の宿」は19世紀に作曲された古い歌で、日本には1889年に紹介されたという、唱歌の中でも古いものにあたる。歌詞は「粗末な家に住んでいても心は豊か」といった内容である。
♪埴生の宿も わが宿
♪玉のよそい うらやまじ
♪のどかなりや 春の空
♪花はあるじ 鳥は友
♪おお わが宿よ
♪たのしとも たのもしや
古臭いといえば、新しい職場にて、36歳の人に「年上かと思った」と言われたときはショックであった。若返りの努力は水泡と化した。若返りについても、ゼロからやりなおさなければならない。
4月5日 細身のスーツ
新しい職場に向けて、スーツを買い足すべく、妻と「洋服の青山」に行った。
店に入ると、店員のオッチャンが来て、私の好みなどは一切聞かないうちから色々なスーツを持ってきた。私は、肌着の上から次々とスーツを着せられ、ああでもないこうでもないと言ってはオッチャンは色々なスーツを持ってきた。スーツを探している間、私は店の中に肌着姿で放置され、ちょっと恥ずかしかった。
青山のスーツの値段設定は、おかしい。5万円のスーツを1着買うと、2着目はなんと千円になる。1万8千円のスーツについては、2着目はなんと1万円引きになる。ここまで割り引かれると、逆に原価はどれだけ安いんだと疑ってしまう。
オッチャンが持ってくるスーツは、どれも細身のものばかりである。今流行りらしい。オッチャン曰く、「今は細身のスーツをパッツンパッツンに着るのが流行ってるんですよ」とのこと。とりあえず流行に乗って、オッチャンのいう細身のスーツを2着購入した。
続いて靴を選んだのだが、これがまた先の尖った靴ばかりを薦められた。オッチャンは「細身のスーツに細身の靴、細いネクタイ、今はなんでも細いのが流行ってるんです」と言っていた。なんと分かりやすい流行であろうか。これも流行に乗って、細い靴を買った。まるでドラクエのアイテムで登場しそうな形である。しかし、意外に履き心地は悪くない。
その他、ワイシャツを3着買って店を後にした。来週からはこれまでのように適当な私服で通勤できないと思うと、ちょっと気が重い。
4月3日 「つばさ」のこと
最近始まったNHKの朝の連続テレビ小説「つばさ」を見ることにしている。NHKの朝ドラを見るのは2005年に放送された「風のハルカ」以来である。そのときは、当時の家庭環境から大いに共感するところがあり、途中からだが最後まで欠かさず見ていた。
今回の朝ドラ「つばさ」の舞台は埼玉県川越市である。埼玉県が朝ドラの舞台になるのは、今回が初めてらしい。そして、このドラマをもって、47都道府県全てが朝ドラの舞台となった。すなわち、埼玉が最後である。しかし、前にも書いたように、埼玉は東京のベットタウンとして没個性的なイメージが強いが、意外に強烈な個性を持っており、面白い県だと思う。
「二十歳のオカン」として、和菓子屋の老舗の家事を取り仕切るヒロイン、つばさは典型的な長女気質である。家事の一切を引き受け、そこに生きがいを見出し、生き生きと過ごしているのにどことなく冴えない。同じ長子として、この感じが痛いほど分かる。そして、それと比較するように、つばさの周りには自由奔放な母、姉に頼りきりの弟、プロサッカー選手という夢を追う幼馴染み、そしてその幼馴染みに対し自由な恋をする親友などが配置される。1週目は、川越まつりを舞台に、それらの関係が面白おかしく、そして少し切なく描かれる。
恐らくこのドラマは、ヒロインが自分の殻を破って羽ばたく成長物語になるであろう。しかし、そのときにどうしても相反してしまう伝統を守ることや、家族を養うことの大切さとのバランスをどう取るかが重要なポイントになる。全体的には軽いタッチだが、テーマは意外に重いし、メッセージ性がある。
新しい生活を始めるにあたり、なんとなく共感してしまう。これからも欠かさず見ようと思う。
4月1日 4月最初のつぶやき
私事だが、異動になった。詳細は省くが、これまで私服で通勤し、作業着で仕事をする生活から、日々満員電車に乗り、スーツで仕事をする生活に変わる。いかにも「サラリーマン」といった感じである。それにしても、新人研修のとき以来、毎日スーツを着る生活なんてしたことがない。そのことの方が、会社員としては珍しいかもしれない。
素直に言えば、不安である。慣れた職場を離れるのは寂しくもある。しかし、マイナス面ばかり考えてもいられない。全く新しい環境で仕事することは、楽しみでもあるし、自分の成長やスキルアップについて言えば、今回の異動はむしろ歓迎すべきことである。
それにしても、一体どんな生活が待ち受けているのであろうか。
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